妊娠すると食事に気を使うようになりますよね。普段それほど食べない食材についても、「妊婦さんにおすすめ」「食べないほうがいい」などと聞くと気になってしまうもの。今回は、セロリについて、どんな栄養が含まれていて、なぜ妊婦さんにおすすめなのか、妊娠中の食べ方や注意点をご紹介します。
セロリの栄養成分は?
セロリはヨーロッパや中近東が原産のセリ科の野菜で、独特の強い香りが特徴です。洋食を作るときの香味野菜としてはもちろん、生でサラダや漬物として食べても美味しいですよね。
セロリの栄養価は非常に高く、ビタミンC、B群、ミネラル類、食物繊維が豊富です。葉の部分には、体内でビタミンAに変わるβカロテンも多く含まれています。
妊婦がセロリを食べると体にいいの?
妊娠中にセロリを食べると、どんなメリットがあるのでしょうか。セロリに含まれる代表的な栄養成分をもとに、妊婦の体への効果をご紹介します。
ビタミンC
ビタミンCには、皮膚や血管、骨を丈夫に保つ役割があり、免疫力を高めて風邪を予防する効果があります。妊娠中は自己判断で風邪薬を飲めないため、ビタミンCを摂取して風邪を予防しましょう。
カリウム
セロリ100g(約1本)には、410mgのカリウムが含まれています。カリウムには、体内のナトリウム量を調整し、余分な塩分と水分を体外へ排出する作用があるため、むくみや高血圧の予防に効果的です。
妊娠後期は、手足がむくみやすいので、カリウムが豊富なセロリはおすすめですよ。
βカロテン
βカロテンには、肌や粘膜を保護する役割があります。肌荒れに悩まされがちな妊婦さんの強い味方ですね。
セロリは、茎よりも葉の部分にβカロテンが多く含まれているため、葉も残さずに調理して食べるのがおすすめです。
食物繊維
妊娠中に便秘に悩まされる妊婦さんは多いですよね。セロリ1本(約100g)あたり、1.5gの食物繊維が含まれています。日々の食事に少しずつセロリを取り入れて、無理のない範囲で適度に体を動かしながら、便秘を予防しましょう。
鉄
セロリは、鉄分も含んでいます。鉄には貧血症状を解消する効果があるため、貧血になりやすい妊婦さんは積極的に摂りたい栄養素です。
妊婦はセロリを1日にどれくらい食べてもいいの?
妊娠中のセロリの摂取量について、1日にどれくらいまで食べてもいいという上限は特に決まっていません。ただし、食べすぎや偏った食べ方には注意しましょう。
セロリは体を冷やす作用があります。体が冷えやすい人やお腹の弱い人は、食べ過ぎないようにしてくださいね。細かく刻んでスープに入れたり、煮込み料理に使ったりして、温かい状態で食べるのがおすすめです。
妊娠中にセロリを食べすぎると流産につながるの?
「妊娠中にセロリを食べすぎると流産する」という話を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、医学的な根拠はありません。
ただし、セロリの種から摂取した「セロリシード」は、子宮収縮の作用があるため注意が必要です。セロリシードは、そのままスパイスとしてカレーに使ったり、抽出した油をアロマオイルや石鹸や洗剤に利用したりします。
セロリシードに関して厚生労働省やWHOが注意喚起をしているわけではありませんが、妊娠中は、セロリシードやセロリシードから抽出した油の使用には注意しておくと安心です。
妊娠中の食事にセロリを取り入れよう
セロリは、栄養が豊富で料理に良い風味を与えてくれるため、妊娠中の食卓に取り入れたい食材です。
セロリの香りには、精神を安定する作用があるといわれています。妊娠中は何かとストレスが溜まりやすいため、セロリを食べてリフレッシュしてみてくださいね。
妊娠中の食べ物はママのカラダやお腹の中の赤ちゃんに関わるものなので、正しい情報に基づいて判断してから食べるようにしましょう。食べてもいいか迷うときは、医師や助産師などの専門家に相談すると安心です。栄養のある食べ物を美味しく食べて、ママとお腹の中の赤ちゃんが健康に過ごせるといいですね。