妊娠初期の妊婦の肌荒れ…対策は?妊娠中は肌トラブルが起きやすい?

監修専門家 助産師 鶴町 はるな
鶴町 はるな 茨城県立中央看護専門学校助産学科卒業後、総合周産期センターの産婦人科・NICU勤務を経て、クリニックでのフリースタイル分娩や無痛分娩にも携わってきました。現在は産後ケアや母乳外来を中心に活動しています... 監修記事一覧へ

妊娠がわかって喜びもつかの間、妊娠初期特有の肌荒れに悩む妊婦さんは多くいます。妊娠前までは肌トラブルがなかった人でも、妊娠してから肌が荒れることも。妊娠初期によくある症状ではあるものの、妊婦さんでもできるだけ綺麗な肌でいたいですよね。そこで今回は、妊娠中の肌荒れ原因や症状、その対策をご紹介します。

妊娠初期に肌荒れしやすい原因は?

本 ルーペ

妊婦すると、体には様々な変化が起こります。妊娠初期に起こる「つわり」もその一つですが、肌荒れもよく起こる症状です。

2007~2008年に行われた調査によると、妊娠中に皮膚の乾燥を感じた妊婦さんは、妊娠初期で約90%、妊娠中期で約80%、妊娠後期で約75%に達しています。

また妊娠初期に肌のかゆみや痛みを感じたという妊婦さんは約60%、しみやニキビができたという妊婦さんは約50%います(※1)。

妊娠中の肌荒れの主な原因ははっきりとわかっていないものの、考えられる要因としては以下のものが挙げられます。

ホルモンバランスの変化

妊娠するとプロゲステロンやエステロゲンなどの女性ホルモンが増加し、妊娠前とはホルモンバランスが大きく変化します。それにより妊婦さんの体にも様々な変化が起こりやすくなります。

食事の変化

つわりにより食べ物の好みが変わるという妊婦さんは多いようです。甘い物や油物の食べ過ぎで、肌の状態を悪化させてしまった、という妊婦さんもいます。またつわりにより食欲がなくなり、栄養や水分が不足して肌荒れが起こることもあります。

便秘による肌荒れ

妊娠中のホルモンバランスの変化は、便秘にも影響することがあります。便秘によって排出すべき老廃物が体の中に留まるようになり、有害物質が皮膚から排出されることも。

もともと肌には汚れや余分な水分を排出する力があるのですが、有害物質が増えてしまうと肌の新陳代謝が間に合わず、妊娠中の肌荒れにつながる、ということもあります。

妊娠初期の肌荒れの症状は?

女性 肌荒れ

妊娠初期の肌荒れで多いのは、ニキビ・吹き出物などの脂性肌、カサカサの乾燥肌、かゆみ、シミなどです。生理前に肌荒れがあるという女性もいると思いますが、それと似たような肌荒れが長い間続きます。

妊娠中は顔や首だけではなく、腕や足など全身に肌荒れの症状が出る人も少なくありません。

また、今まで合っていたはずの化粧品が急に合わなくなり、ピリピリしたり、カサカサの乾燥を感じたりする人も。症状に個人差があり、1度目の妊娠では肌荒れしたのに、2度目は無かったということもあります。

妊娠初期の肌荒れの対策は?

お風呂 石鹸 石けん
妊娠初期の肌荒れの様々な症状には、次のような対策がおすすめです。効果には個人差があるので、自分の肌にあった方法を見つけてくださいね。

石鹸や化粧品などを敏感肌用に変える

妊娠中は肌が敏感になっているので、石けんや化粧品などを敏感肌用のものに変えると効果が出る場合があります。石けんは泡立てネットを使ってよく泡立てて洗うなど、できるだけ肌を刺激しないようにしましょう。

ビタミン、ミネラルや水分を意識的に摂る

体内の栄養不足や水分不足を防ぐために、ビタミンやミネラルなど、肌の代謝を良くしてくれる栄養素を意識して取り入れましょう。水分の摂取量を多めにするのも効果的です。

ただし、糖分を多く含んだジュースで水分を多く摂っても、かえって肌荒れを悪化させる可能性があるので注意が必要です。

加湿器などを使って乾燥を予防

特に冬場などの空気が乾燥する時期は、加湿器などで湿度の調節をしましょう。赤ちゃんが生まれてからも湿度の管理は必要になるので、今のうちに加湿器の準備をしておくのもおすすめですよ。

妊娠中にあまりに肌荒れの症状がひどく改善しない場合は、かかりつけの産婦人科や皮膚科に相談してくださいね。

妊娠初期の肌荒れに効くスキンケアのコツは

女性 顔 荒れ

妊娠中のストレスは、お腹の赤ちゃんにとってもよくないもの。妊婦さんはお肌が荒れることでイライラも募ってしまいがちですよね。そこで、肌荒れ対策にスキンケアのコツを実践してみましょう。

● 不要なときはメイクを控える
● 洗顔はさっと手短に
● 保湿をしっかり
● 紫外線対策にも注意

また妊娠中の肌荒れに使用するケア商品では、次のようなことに注意しましょう。

● 化学成分が含まれない「馬油」などを使う
● つわり対策に匂いのないものを選ぶ
● アルコール刺激の低いものを使う

妊婦の肌荒れが赤くてかゆいときは病気?

薬 医師 相談 受診 質問 女性 不妊 治療

妊娠3~4ヶ月頃から、かゆみを伴う発疹が腕や手の甲などにできることがあります(※2)。これは出産時まで続くことがあり、かゆみが辛いときには病院でかゆみ止めを処方してもらうこともできます。

妊娠中は自己判断で市販の薬を使うことは避け、きちんと病院で処方してもらった薬を使用するようにしましょう。

妊娠中の妊婦の肌トラブルは早めの対策を

スキンケア 肌荒れ

肌荒れは、精神的なストレスにもなり、そのストレスでさらにひどくなる可能性があります。特に妊娠中はストレスをため込んでしまうと、ママの体だけではなく赤ちゃんの成長にも影響を与えるので、早めの対策が必要です。

妊婦さんの肌荒れは、妊娠中期に入ると、ホルモンバランスの乱れが安定し、だんだん症状も落ち着いてくることが多いものです。あまり悩みすぎず、規則正しい生活や基本的な正しいスキンケアを心がけてくださいね。

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