お腹の膨らみが目立つのはいつ頃から?お腹以外にも見た目の変化はあるの?

監修専門家 助産師 鶴町 はるな
鶴町 はるな 茨城県立中央看護専門学校助産学科卒業後、総合周産期センターの産婦人科・NICU勤務を経て、クリニックでのフリースタイル分娩や無痛分娩にも携わってきました。現在は産後ケアや母乳外来を中心に活動しています... 監修記事一覧へ

妊婦さんといえば、お腹が大きくなることが一番の特徴ですが、初めての妊娠だといつごろからお腹が大きくなるのかわからなくて、不安になるかもしれませんね。そこで今回は、妊娠したらお腹はいつから大きくなるのか、お腹の膨らみが目立つ時期はいつごろなのかなどについてご説明します。

妊娠するとお腹が大きくなるのはなぜ?

妊婦 お腹 23089919_m

妊娠するとお腹が大きくなるのは、赤ちゃんが大きくなるから、というだけでなく、赤ちゃんの大きさに合わせて子宮が上へ向かって大きく膨らんでいくためです。

妊娠をすると、女性の体にはいろいろな変化が起きますが、その一つとして子宮が大きくなることが挙げられます。妊娠初期の子宮の大きさは約7cmですが、妊娠後期になると約5倍、およそ36cmにもなります(※1)。

妊娠したらお腹はいつから大きくなる?

妊婦 夫婦 23042285_m

妊娠してお腹が大きくなりだす時期には個人差がありますが、妊娠12〜15週目頃が一般的です。

妊娠3週目頃にはまだニワトリの卵くらいの大きさだった子宮は、その後少しずつ大きくなり始め、11週目頃にはこぶしくらいの大きさになります。ただし、このころはまだお腹は大きくなっていません。

その後も子宮は大きくなり、妊娠12週目頃にお腹も少しずつ膨らむようになり、妊娠15週目頃には子宮が小児の頭くらいの大きさになっています(※1)。

妊娠したらお腹の大きさはどう変化する?

インフォグラフィック 子宮底長 恥骨結合

妊婦健診では、胎児の大きさやおおよその羊水量を調べるために、遅くとも妊娠17週くらいからお腹の大きさを測るようになります。ただし、超音波検査でも胎児の大きさがわかるため、お腹の大きさを測らないこともあります。

妊婦さんのお腹の大きさは「子宮底長」を測って調べます。

子宮底長とは、左右の恥骨がつながっている「恥骨結合」と呼ばれる部分の上縁から、子宮底の一番高い部分までを皮膚に沿って測ったときの長さのことです。

以下に、妊娠週数ごとの子宮底長をご紹介します。お腹の大きさがどう変化するのか、参考にしてみてくださいね(※1)。

妊娠週数 子宮底長(cm)
3週目頃
7週目頃
11週目頃
15週目頃 12
19週目頃 15
23週目頃 21
27週目頃 24
31週目頃 27
35週目頃 30
39週目頃 33

妊娠してお腹の膨らみが目立つ時期は?

妊娠 妊婦 お腹

妊娠してから、お腹の膨らみが目立つようになる時期には個人差がありますが、一般的には妊娠20〜23週目頃、いわゆる妊娠中期から目立つようになります。この頃、子宮底長は15〜21cmくらいになっています。

この頃になると、妊娠している女性の多くが胎動を感じたり、下腹部が大きくなって妊婦さんらしい体型になります(※2)。

妊娠でお腹が大きくなると張りやすくなる?

妊婦 お腹 女性4329094_m

お腹が大きくなりはじめる妊娠中期以降は、お腹に張りを感じることがありますが、これはお腹が大きくなったからではなく、出産に向けて子宮の収縮が増えるためです。

妊娠時のお腹の張りは突発的で散発するのが特徴です。しかし、妊娠20〜23週目頃になると触っただけでお腹が張っているのがわかるようになり、妊娠35〜36週目頃になるとその頻度が増します。

お腹が張ると心配になってしまうかもしれませんが、基本的には特別な対応は必要なく、お腹が張ったら安静にして、張りがおさまるのを待ちましょう(※3)。

ただし、1日に何度も張ったり、痛みを伴うときはかかりつけの産科に相談してくださいね。

妊娠してお腹の大きさ以外に起きる変化は?

女性 妊娠線

妊娠すると、お腹が大きくなる以外にも、外見にいろいろな変化が起こります。以下に、目に見えてわかる変化を紹介します(※1)。

乳房に起きる変化

妊娠すると、乳房が大きくなります。また、乳頭や乳輪が大きくなったり、色素沈着により乳首が黒ずんだり、モンゴメリー腺という組織が盛り上がったりします。

お腹に起きる変化

大きくなるお腹に皮膚組織がついていけず、妊娠線という線が下腹部などにできることがあります。また、妊娠20週前後からお腹の真ん中に「正中線」という茶色っぽい線が現れます。

脚に起きる変化

妊娠すると、脚がむくみによってパンパンに腫れあがることがあります。

顔に起きる変化

妊娠すると、額やほほ、上唇などに無数の色素沈着が起きることがあり、シミが目立ちやすくなります。

腟・外陰部に起きる変化

妊娠すると、腟壁が柔らかくなったり、腟口が長くなったりします。また、腟内の環境は酸性に変化し、腟壁などの色が赤紫色や青紫色に変化することがあります。外陰部では色素沈着が起こります。

体重の変化

妊娠すると血液量などの増加も影響し、自然と一定数の体重が増えます。

妊娠でお腹が膨らむのはしばらくしてから

妊娠してもお腹が大きくならないと、赤ちゃんがいる実感がわかないという人もいるかもしれませんね。

妊娠20〜23週目頃になると膨らみが目立ち始め、まわりの人から見ても妊娠しているとわかるような体型になります。

この頃になると胎動も感じられるようになるため、お腹の中で赤ちゃんが育っているのを感じるでしょう。また、つわりも消え、赤ちゃんも安定期に入っていることが多いので、活動的にすごせる時期です(※1)。

お腹が目立っていなくても、お腹の赤ちゃんはゆっくりと、でも確実に成長しています。見た目に大きな変化もなく、周りに理解をしてもらいにくい時期ですが、あまり無理をせず、ゆったりとすごしてくださいね。


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