厚生労働省は、妊娠を望んでいる女性や妊娠初期の妊婦さんに、1日480μgの葉酸を摂ることを推奨しています。そこで今回は、葉酸が多く含まれる飲み物を10品目ご紹介します。妊娠初期は特に食欲がないことも多いので、これからご紹介する葉酸が多く含まれている飲み物をうまく活用して、1日の摂取量を補いたいですね。
葉酸とは?妊婦になぜ必要なの?
葉酸とは、ほうれん草や菜の花といった青物野菜などに多く含まれる栄養素です。妊娠初期に葉酸が不足すると、お腹の赤ちゃんに神経管閉鎖障害という異常が起こり、無脳症や二分脊椎、髄膜瘤といった先天性異常ができやすくなるといわれています(※1)。
そのため、妊活中の女性や妊婦さんは葉酸を摂った方がよいとされており、厚生労働省も1日480μgの葉酸を食事から摂取するよう推奨しています(※2)。
次からは、そんな葉酸を多く含んでいるとされている飲み物を10品目、含有量の多い順にご紹介していきます。
葉酸が多い飲み物1「ヤクルト ミルミルS」
「ミルミルS」は飲むヨーグルトの一種です。
製造元のヤクルトによると、ミルミルSには1本(100ml)あたり、240μgの葉酸が含まれています(※3)。ビタミンB6、B12、鉄分、カルシウムなど、妊娠時に摂りたい栄養素も一緒に含まれているのが嬉しいですね。
葉酸が多い飲み物2「玉露の緑茶」
煎茶のなかでも品質が最上位である玉露の緑茶には、100mlあたり約150μgもの葉酸が含まれています。ただ、カフェインの含有量が多いのも特徴です。抽出時間や茶葉の量によって異なりますが、玉露の緑茶には100mlあたり約160mgのカフェインが含まれています(※4)。
妊娠中のカフェインの摂取基準は決まっていませんが、妊娠中に摂りすぎると悪影響があると考えられており、海外では1日200mg以内に抑えるべきともいわれています(※5)。そのため、玉露の緑茶を飲む場合は、1日1~2杯程度を目安にしましょう。
葉酸が多い飲み物3「いちごジュース」
いちごには、100gあたり約90μgの葉酸が含まれています(※4)。
そのまま食べてもいいですし、食欲がないときにはいちごをそのままミキサーにかけて、ジュースにするのもおすすめです。美容や風邪予防の味方であるビタミンCも含まれていますよ。
葉酸が多い飲み物4「キウイジュース」
キウイ100gには、約36μgの葉酸が含まれています(※4)。生のキウイをたっぷり使ったフレッシュジュースは、さわやかで妊婦さんたちに好評ですよ。
また、キウイにはレモン8個分のビタミンC、バナナ2〜3本分の食物繊維が含まれているともいわれており、栄養価の高い食材です。
葉酸が多い飲み物5「豆乳」
調整豆乳100mlあたりには約31μg、無調整豆乳100mlには約28μgの葉酸が含まれています(※4)。
ただし、豆乳には大豆イソフラボンが多く含まれます。大豆イソフラボンは骨粗しょう症などの予防効果が期待される物質ですが、過剰摂取すると乳がん発症のリスクが高まる可能性があるともいわれています。
研究者の間でも、大豆イソフラボンの有効性や安全性についてはまだ結論が出ていませんが、念のため豆乳の飲みすぎには注意した方がいいでしょう(※6)。
葉酸が多い飲み物6「バナナジュース」
バナナには、100gあたり約26μgの葉酸が含まれています(※4)。便秘解消にも効果があるといわれるため、100%ジュースにすれば妊娠時にぴったりです。
さらに、バナナに多く含まれるビタミンB6はつわり中の妊婦さんの不快症状を軽減する役割もあるとされています。
葉酸が多い飲み物7「みかんジュース」
100%みかんジュース100mlには、約22μgの葉酸が含まれています(※4)。みかんのふさについている白いすじは食物繊維を豊富に含むので、ふさごとミキサーにかけて飲むのがおすすめです。
しかし、みかんジュースの飲み過ぎは糖質の過剰摂取につながり、妊娠糖尿病につながる可能性があるので注意しましょう。
葉酸が多い飲み物8「トマトジュース」
トマトジュースにも葉酸は含まれています。トマトジュース100mlあたりには、約17μgの葉酸が含まれています(※4)。
トマトジュースには葉酸以外にもリコピンやビタミンC、ビタミンB6などの成分が含まれており、むくみをおさえたり、血圧を安定させたりする効果もあるといわれています。酸味があって飲みやすいのでつわり中も嬉しいですね。
葉酸が多い飲み物9「ほうじ茶」
ほうじ茶100mlに含まれる葉酸は約13μgです。
しかし、ほうじ茶100mlには、20mgほどのカフェインが含まれているので、玉露ほどではないものの飲み過ぎには注意しましょう(※4)。
葉酸が多い飲み物10「ケールの青汁」
青汁100ml(ケール5g、水95ml)には約6μgの葉酸が含まれています(※4)。
青汁はにおいがきついものもあるので妊娠中に飲むのは難しいかもしれませんが、便秘になりにくい食物繊維なども含んでいるため、抵抗がない人には最適な飲み物ですよ。
葉酸は飲み物以外にサプリからも摂取を
妊活中の女性や妊婦さんは、葉酸を1日480μg摂ることが望まれていますが、厚生労働省はそれに加えて、葉酸サプリから400μgの摂取を推奨しています。これは、食品や飲み物から摂取する天然葉酸よりも、サプリから摂取する合成葉酸の方が、吸収率が高いからです。
ただし、厚生労働省は1日あたりの葉酸の上限摂取量を1,000μg(1mg)としているので、過剰摂取には注意しましょう(※1)。
栄養バランスのよい食事を心がけながら、飲み物やサプリメントを活用して上手に葉酸を摂取してくださいね。