胎嚢が確認できない原因は?妊娠5週や6週で見えないときは?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。板橋中央総合病院、沖縄県立中部病院などを経て、現在は医療法人工藤医院院長。産婦人科専門医、周産期専門医として、産科・婦人科のいずれも幅広く診療を行って... 監修記事一覧へ

妊娠検査薬で陽性反応が出て、「妊娠したかも!」と思って産婦人科に行ったのに、「胎嚢(たいのう)がまだ見えないので、妊娠しているかわかりません」と医師から言われた…という人もいます。胎嚢という言葉自体が聞き慣れないのに、いきなり「見えない」といわれると不安になってしまいますよね。そこで今回は、胎嚢が見えないとはどういうことか、どれくらいの妊娠週数で見えるのかについてご説明します。

胎嚢とは?

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胎嚢とは、赤ちゃんの元になる細胞(胎芽)を覆う袋のことです。妊娠の確認で産婦人科を受診した際には、超音波(エコー)検査で子宮内に胎嚢があるかどうかを確認します。

エコー写真を見ると、上の画像のように胎嚢は黒い楕円に見えます。

「胎嚢がある」ことは、医師が妊娠を判定する条件の一つで、「胎嚢の中に胎芽が見える」「心拍(赤ちゃんの心臓の動き)がある」ということと合わせて3つ全てが確認できれば、妊娠していることが確実になります。

そもそも、胎嚢と卵黄嚢(胎嚢のなかにある、さらに小さな袋)の2つが確認できていれば、医学的には子宮内妊娠(正常妊娠)が順調に進んでいると判断できます。

胎嚢が見える週数はどれくらい?

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多くの人は、妊娠5週くらいから子宮内に胎嚢が確認できます。

妊娠週数の数え方は、最後の生理が始まった日を「妊娠0週0日」とするので、生理周期が28日の人の場合、次の生理予定日頃に「妊娠4週」が始まります。一般的な妊娠検査薬は生理予定日を1週間過ぎた頃から使えるので、この段階で「妊娠5週」です。

つまり、妊娠検査薬で陽性反応が出たあとに産婦人科を受診すれば、エコーで胎嚢が見られることが多いというわけです。

最近では少し早めに使える「早期妊娠検査薬」も販売されており、妊娠5週より前に最初の受診に行く人も増えてきました。そのため、産婦人科に行くのが早すぎてまだ胎嚢が確認できない、というケースもあります。

胎嚢が見えないときはどうするの?

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妊娠4〜5週くらいだと、まだエコーで子宮内に胎嚢を確認できないことは珍しくありません。胎嚢がはっきり見えない場合は数日~1週間ほど経ってから再度診察を受けるよう、医師から言われることもあります。

妊娠検査薬で陽性反応が出てから、胎嚢が見えるまで2週間程度かかることもありますが、妊娠週数が6週を過ぎれば、ほぼ確実に胎嚢が確認できます(※1)。

人によっては妊娠7週を過ぎてからやっと胎嚢がはっきり見えた、ということもあるので、最初のエコーで確認できなくても不安に思いすぎず、また日を置いて検査してもらいましょう。

妊娠5週や6週で胎嚢が確認できない原因は?

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妊娠5~6週の段階で子宮内に胎嚢が確認できない場合は、主に次の3つの理由が考えられます。

妊娠週数が正確ではない

先述のとおり、妊娠週数は前回の生理日を基準に数えるものなので、生理日を間違えて把握している場合、自分では「もう妊娠5週」と思っていても実際はそれより前、ということもありえます。

また、生理周期が乱れている場合は、妊娠週数を計算するのが難しくなります。特に生理不順の人は、最初の受診で胎嚢が見えないこともよくあると考えておきましょう。

化学的流産(生化学的妊娠)が起こった

妊娠検査薬は陽性反応を示したにもかかわらず、妊娠5~6週になっても胎嚢が見えない場合、化学的流産(正式には「生化学的妊娠」)の可能性もあります。

化学的流産とは、一度は妊娠したものの、妊娠5週頃までに胎芽の発育が止まってしまい、胎嚢が消えてなくなった状態を指します。

前述の早期妊娠検査薬などでかなり早く妊娠がわかった場合、化学的流産として認識されますが、妊娠5週より前に検査薬を使っていなければ、化学的流産に気づかないまま次の生理を迎えることもあります(※2)

子宮外妊娠(異所性妊娠)である

頻度はまれですが、子宮の中ではなく、卵管や腹膜など子宮の外に胎嚢が確認された場合、子宮外妊娠と診断されます。

受精卵は、子宮以外の場所で発育することはできないため、子宮内に着床できなかった場合は薬や手術によって取り除く必要があり、妊娠の継続はできません。

胎嚢が見えないときの経過観察とは?

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胎嚢が見えない場合は、数日~1週間ごとに産婦人科を受診し、お腹の様子を見ていきます。

妊娠週数が正確に計算できておらず、最初の受診が早すぎただけであれば、正常妊娠の場合は1〜2週間後に胎嚢が確認できるでしょう。

日を置いて検査をしても、子宮の中にも外にも胎嚢が確認できない場合は、化学的流産や子宮外妊娠など正常妊娠以外の状態が疑われます。

「流産」といっても、化学的流産の場合は強い腹痛や出血などの症状は現れず、特に治療が必要ないことも多くあります。

子宮外妊娠とわかった場合には、すぐに治療の開始が検討されます。胎芽の発育が進むにつれて、性器出血や下腹部痛が現れることもあり、母体に危険が及ぶ恐れもあります(※3)。

経過観察中であっても、体調に変化がある場合は、医師に指定された次回の受診日を待たずに、すぐに産婦人科を受診しましょう。

胎嚢が確認できないときも、まずは落ち着いて

妊娠を望む女性にとって、妊娠検査薬で陽性が出たことは本当に嬉しいことだと思います。そのあと産婦人科で「胎嚢が確認できない」と言われると不安になってしまうかもしれませんが、受診のタイミングが早すぎたり、たまたまはっきり見えなかったりするだけの可能性もあります。あまり思いつめず、次の受診日まで落ち着いて過ごしましょう。

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