マタニティブルーは妊娠初期と後期に多い!症状・原因・対策まとめ

監修専門家 看護師、助産師 河井 恵美
河井 恵美 助産師の仕事が大好きで、助産師、看護師として25年以上この仕事をしています。 大学病院、市民病院、個人医院で、産婦人科、救急外来、皮膚科、小児科などの勤務経験があります。 青年海外協力隊でアフリカに赴... 監修記事一覧へ

妊娠するとマタニティブルーに悩まされる…という話をよく聞きますよね。マタニティブルーになると、不安な気持ちになったり涙もろくなったりすることが多いといわれていますが、具体的にどのような症状が出るのでしょうか。今回は、マタニティブルーとはそもそも何なのか、症状や原因、対策などもあわせてご紹介します。

マタニティブルーとは?症状は?

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マタニティブルーとは医学用語ではありませんが、一般的に、妊娠中にあらわれる感情の変化のことを指して使われます。妊娠初期と後期に経験した先輩ママが多いようです。

マタニティブルーには以下のような症状がみられます。

マタニティブルーの症状の一例

●出産や子育てに対して不安を感じる
●夫や周囲の人にイライラしがちになる
●涙もろくなり特に理由もないのに泣いてしまう
●外出したくなくなる
●何に対しても興味が持てなくなる
●自分自身を責めてしまう

人によって症状は様々で、上記以外の症状が出ることもあります。

マタニティブルーの原因は?

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マタニティブルーの大きな原因は、ホルモンバランスの崩れです。

妊娠するとプロゲステロンやエストロゲンなどの女性ホルモンや、母乳の準備のためのプロラクチンなどのホルモンが大量に分泌されるため、ホルモンバランスが崩れてしまいます(※1)。

さらに妊娠中に、赤ちゃんを育てることへの不安や、出産の痛みへの恐怖、望まない妊娠だった場合などは産後の生活の不安など、大きなストレスやプレッシャーがある場合、マタニティブルーの症状が助長されてしまうことがあります。

マタニティブルーは妊娠中だけ?産後には治るの?

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マタニティブルーとよく混同されがちなものに、産後の情緒不安定な状態があります。

妊娠中にマタニティブルーの症状が出ていたママは、赤ちゃんが生まれた後も症状が続いていると思いがちですが、産後3〜10日に起こる情緒不安定な状態は、正確には「マタニティブルーズ」という名前で、妊娠中のマタニティブルーとは区別されています(※2)。

このマタニティブルーズは、出産後のママの約30%が経験するとされている生理現象ですが、2週間ほどで治ることが多い一過性のもののため、特別な治療は基本的には行いません(※2)。

ただし、症状が長引く場合は産後うつという病気の可能性もあるので、もし出産後におかしいと感じたら自治体の助産師や保健師、かかりつけ医などに相談するようにしましょう。

マタニティブルーの対策は?

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マタニティブルーは急激なホルモンバランスの崩れが原因であることが多いので、完全に解消することは難しいものですが、軽減する方法はたくさんあります。

何でも話せる人を探す

妊娠・出産は女性が担うため、男性である夫にはなかなか気持ちが分からないものです。同じ女性で何でも話せる人が周りにいると安心ですね。出産経験者や、同じ時期に出産するママと話すのもおすすめです。

ストレスになることは極力避ける

ストレスがあると、マタニティブルーの症状が悪化してしまいます。ストレスを感じてしまうことはできる限り避けるようにしましょう。

妊娠中の家事は手抜きする

妊娠中のママの体は、妊娠前に比べ、大きく変化していきます。特に、妊娠初期にはつわりもあり、家事ができなくなってしまう人もいるでしょう。

そのような場合は、家事はできるだけ他の人にしてもらい、ママはお腹の赤ちゃんと自分の体を優先して、無理をしないようにしましょう。どうしても他の人に頼めない場合は、「つわり中くらいは」と割り切って手抜きしてしまってもいいでしょう。

趣味を楽しむ

妊娠前からの趣味がある人は、それに時間を使うことで、いい気分転換になります。映画やクラシック鑑賞などは胎教にもおすすめ。ただし、激しい運動など、母体に影響が出そうなものは避けましょう。

パパと共通で楽しめる趣味だと、話題が赤ちゃんのこと以外になるためリフレッシュできるかもしれません。

自分の時間を作る

妊娠前よりも自由に行動できなくなるため、ママもストレスが溜まりがち。また、妊娠中はホルモンバランスが崩れ、パパの言動にイライラしてしまうこともあります。

週末をパパと過ごすのもいいですが、一緒にいるとイライラしてしまうという場合は、美容室に行ったり、カフェに行ったりと、1人の時間を作ってみましょう。友達とランチに出かけるのもいいですね。

マタニティブルーは我慢せずに相談を

マタニティブルーは妊娠中、いつ起こってもおかしくありません。

「ママになったんだから、赤ちゃんが生まれたらお世話をがんばらなくちゃ!」「パパは忙しいから、つわりがひどくても私が家事をしっかりしないと」など責任感の強い人ほどマタニティブルーになることが多いと考えられています。

少しでも心身の不調を感じたら、周りの人や地域の保健師、病院の医師や助産師などに相談するように心がけましょう。

赤ちゃんをお腹の中で育てて出産することは、本当に大変なことです。自分がマタニティブルーだと感じたら我慢せず、遠慮なく周りの人の助けを借りるようにしましょうね。

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