赤ちゃんに肌トラブルが起きると、心配になりますよね。赤ちゃんの肌は敏感なので、ちょっとしたことでも発疹が現れやすいものですが、病気が原因で起こることもあるのをご存知でしょうか。
今回は赤ちゃんの発疹について、病気のサインとして現れるものの原因や対処法などをご紹介します。
新生児期から1歳頃の赤ちゃんは発疹が出やすいの?
発疹とは、突然あらわれ、目で見てわかるような皮膚の変化のことをいいます。
発疹は、子どもでも大人でも出ることがありますが、特に新生児期から1歳頃までの赤ちゃんは現れる頻度が高いです。
赤ちゃんは皮膚のバリア機能が未熟で肌が敏感なため、寒暖差や乾燥といったちょっとした刺激で発疹が現れることも。
また、発疹のなかには何らかの病気が原因で現れている場合もあります。赤ちゃんの体や顔に発疹が現れたときは、どこに、どのように出たのか、発熱といった他の症状がないかをチェックすることが大切です。
発熱を伴わない場合の原因と対処法は?
赤ちゃんに発熱がなくて発疹が現れた場合、さまざまな原因が考えられます。ほとんどが急を要するものではないので、落ち着いて対応してあげてくださいね。
乳児湿疹
乳児湿疹とは、新生児期から乳児期にかけて現れる湿疹の総称です。肌が敏感な赤ちゃんは、食べこぼしや鼻水、よだれといった刺激で発疹が現れやすく、顔や頭、胸やお腹に現れます。
乳児湿疹の対処法としては、基本的に皮膚を清潔に保ち、保湿剤を塗ります。
乳児脂漏性湿疹
乳児湿疹とは、新生児期から乳児期にかけて現れる湿疹の総称です。肌が敏感な赤ちゃんは、食べこぼしや鼻水、よだれといった刺激で発疹が現れやすく、顔や頭、胸やお腹に現れやすいです。
皮膚を清潔に保ち、しっかりと保湿することで対処しましょう。成長とともに自然とよくなることがほとんどなので、安心してくださいね。
乳児脂漏性湿疹
皮脂の分泌が活発になる生後3〜4週間くらいに起きやすい湿疹で、頭や額、まゆげなど、顔の周辺に黄色っぽいかさぶたができます(※1)。
家庭でできるケアとしては、ベビーオイルでかさつき部分を浮き上がらせたあと、剥がれそうなかさぶたを取ります。その後は、ベビーソープをよく泡立ててやさしく洗い、しっかりとシャワーで洗い流しましょう。
皮脂の分泌が落ち着いてくる生後2〜3ヶ月ごろになると自然と落ち着いてきますよ。
新生児中毒疹(新生児中毒性紅斑)
新生児中毒疹とは、生後まもなくに現れることが多く、新生児の約半数に起こるとされています(※2)。赤い斑点の真ん中に、1~2mmの赤いぽつぽつや水ぶくれのようなものが見られます。
数日〜数週間以内に自然に治りますが、症状が続くようであれば医師に相談しましょう。
あせも
赤ちゃんは汗腺が大人と同じ数あるため、汗を非常にかきやすいです。汗腺にあせがつまると、炎症を起こしてあせもができます。
頭や首、背中、腋、お尻など、汗をかきやすい部分にあせもはできやすいです。
汗をかいたらシャワーで流すかタオルでふきとり、皮膚を清潔に保ってあげましょう。また、通気性と吸湿性のよい服を着せ、こまめに着替えをすることも、あせも解消につながります。
虫(ダニ)刺され
蚊やダニなどによる虫刺されも赤ちゃんでよくみられます。
特に、ベビーベッドのシーツやバウンサーのマットなどに密着している背中や首などに発疹が現れたときは、ダニに刺された可能性も考えられます。
虫に刺された部分はよく泡立てたベビーソープなどで洗い流して市販のかゆみ止めを塗れば、多くの場合は回復していきます。
発疹やかゆみがひどいときは、小児科または皮膚科を受診するようにしましょう。
赤ちゃんが刺された部分をかきむしらないように、赤ちゃんの爪は短く切り、手を清潔に保つように心がけてくださいね。
アレルギー反応
赤ちゃんにアレルギーがあると、口にしたものや触れたものによって、顔や首などに盛り上がった発疹(じんましん)ができます。
特に赤ちゃんは大人よりアレルギー反応が出やすいため、何かを食べた後、何かに触れた後に発疹が出ることはよくあります。
発疹が長く続かないようであれば大きな心配はないものの、何が原因で発疹が出たのか、繰り返して出るのかなどをメモに残しておくと、いざ受診するときに診断の手がかりとなりやすいです。
アトピー性皮膚炎
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は、悪くなったり良くなったりを2ヶ月以上繰り返す慢性の発疹です(※1)。生後4ヶ月時点の赤ちゃんの12.8%に起こっていたという報告があります。
かゆみのある湿疹が、頭や顔からはじまり、耳のまわり、首、関節、体幹などにできてきます。早めに皮膚科や小児科を受診して、適切な治療を受けましょう。
発熱を伴う場合の湿疹の原因と対処法は?
赤ちゃんに発疹があり、さらに発熱をしていている場合は、以下のような病気が原因の可能性があるので、早めに受診しましょう。
突発性発疹
突発性発疹は、突然の高熱が3〜4日続き、解熱に前後して小さな赤い発疹がお腹や背中から広がっていきます(※3)。
乳幼児期、特に生後6ヶ月〜1歳半の間にかかることが多く、発疹自体はできてから1〜2日でよくなることがほとんどです。
突発性発疹の治療は特別な薬を使わず、水分補給をしっかりしながら安静にするのが一般的です。
水痘(水ぼうそう)
水痘は水痘帯状疱疹ウイルスに感染することで起こり、全身に虫刺されのような赤くて小さな発疹が現れます(※4)。特に、髪の毛の生えている頭皮にもできることが特徴です。
赤い発疹は米粒大の盛り上がった発疹となったあと、水ぶくれとなり、膿を持った状態になったあとにかさぶたとなります。すべてかさぶたになるまで7日程度かかります。
症状が重ければウイルスを増やさない薬を飲ませ、塗り薬でも対処していきます。1歳になると、予防接種が可能で、接種後はかかったとしても軽症で済むことがほとんどです。
手足口病
手足口病は、感染して3〜5日後に、手のひらや足の裏、口の中などに、真ん中が白くて周りが赤い小さな水ぶくれのような発疹ができます(※5)。
手足に痛みやかゆみはありませんが、口の中は痛くて染みるため、授乳や食事を嫌がる赤ちゃんもいます。
熱が出ることもありますが、あまり高くないことがほとんどで、熱が続くことはあまりないとされています。
手足口病は一般的には特別な治療を行わず、1週間ほどで自然に治まっていきます。
はしか(麻しん)
はしか(麻しん)は、発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が2〜3日続き、いったん解熱したあとに39℃以上の高熱と発疹ができます(※6)。発疹は1〜2日のうちに全身に広がります。
肺炎や中耳炎を合併しやすく、まれに脳炎を発症することもあります。合併症がなければ、7〜10日で治ります。
1歳になると予防接種が可能で、接種後はかかったとしても症状は軽く、周りの人への感染力も弱くなるとされています。
風疹
風疹にかかると、発熱と首のまわりや耳の後ろのリンパ節の腫れとともに、かゆみのある小さい発疹が全身に広がります。
特効薬はありませんが、数日ほどで発疹と熱は治まり、水分補給しながら安静にしていれば自然に治まっていくことがほとんどです。
1歳になると予防接種が可能で、接種後はかかったとしても症状は軽く、周りの人への感染力も弱くなるとされています。
赤ちゃんに発疹が現れたら病院で診てもらおう
赤ちゃんに発疹が現れる原因はさまざまです。素人目には判断が難しく、どれも同じように見えてしまうこともあります。
発疹の原因がはっきりしないときや症状がひどいときは、できるだけ早めに病院を受診しましょう。特に発熱を伴う赤い発疹が出た場合は、小児科や皮膚科で原因を確認することが大切です。
赤ちゃんの発疹の状態や他の症状をよく観察しておくと、病院での診断もスムーズに進みます。赤ちゃんに発疹が出ても慌てずに落ち着いて対応することを心がけてくださいね。