赤ちゃんの熱が下がらない!38度以上が続くときの対処法4選

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

赤ちゃんはよく熱を出すとわかっていても、熱が下がらず苦しい顔をしている我が子を見るとなんとかしてあげたくなりますよね。そこで今回は、赤ちゃんの熱が下がらない原因と、38度以上の熱を下げるための対処法をご紹介します。

赤ちゃんの熱が下がらない原因は?

赤ちゃんは体温調節機能が未発達なため、急に高熱を出すことが度々あります。とはいえ、赤ちゃんの熱がなかなか下がらないと心配ですよね。赤ちゃんの高熱が下がらない原因には、次のようなものが考えられます。

熱が上がりきる前に解熱剤を使った

座薬 坐薬 解熱剤

熱は一般的に午前中に一度下がり、夕方から夜にかけて上がる傾向にあります。そのため、午前中など熱が上がっている最中に解熱剤を使用してもほとんど効果がなく、熱は下がりません。

熱の上がりはじめは、赤ちゃんの手足が冷たく、寒気を感じていることがよくあります。

そして熱が上がりきると、赤ちゃんは手足に汗をかきはじめます。解熱剤を使う場合は、赤ちゃんの様子をしっかり観察するようにしてください。

一般的な風邪の場合、1~2日は38度以上の高熱が出て、3~4日で熱が下がっていきます。それ以上熱が長引く場合は、風邪のウイルス感染以外の理由が考えられます。

風邪以外の病気にかかっている可能性

赤ちゃん 泣く 熱 下がらない

熱が出はじめてから4~5日たっても下がらない場合、赤ちゃんが風邪ではない病気にかかっている可能性があります。特に冬は感染症が流行しやすい時期なので、注意が必要です。

赤ちゃんの熱がなかなか下がらないときは、以下の感染症を疑ってみてください。

RSウイルス感染症

11月~翌年の1月にかけて流行することが多かったのですが、近年では夏にも流行することがあります。特に生後6ヶ月以下の赤ちゃんがかかると重症化し、入院が必要なこともあります。3歳未満は肺炎や細気管支炎を併発し、咳や細気管支の炎症により呼吸がつらくなってしまうことも多くあります(※1)。

発熱が治まったあとでも肺炎や細気管支炎、喘鳴(ぜんめい:呼吸をするときにゼーゼーと音がすること)が悪化することもあるので、注意が必要です。

突発性発疹

生後6ヶ月から2歳くらいの間にかかることが多く、38度以上の高熱が3~4日続いた後、お腹や背中に発疹が出ます(※2)。発熱しても赤ちゃんの機嫌がよく、ミルクや母乳も問題なく飲めることが多いのが特徴です。

川崎病

1歳をピークとして4歳以下の子供がかかりやすい病気で、38度以上の発熱が5日以上続き、発疹や両目の充血、唇の赤みイチゴ舌なども見られます(※3)。

後遺症の影響で心筋梗塞になる可能性もあり、早めに治療を始めることが大切です。

咽頭結膜熱(プール熱)

4~5日続く39~40度の高熱、喉の腫れと痛み、目の充血が起こる感染症です(※4)。

赤ちゃんが生後6ヶ月以上になるとかかりやすくなり、1~5歳に特に多く発症します。

プールで感染することがあるため、プール熱という名がつけられています。手指やタオルなどを介して感染することもあります。

肺炎

ウイルスや細菌などに感染して起こる、肺の炎症です。赤ちゃんの場合は重症化しやすいので、呼吸がはやい、全身を使った呼吸をする、ぐったりするといった呼吸困難の症状が出ていたら、すぐに病院へ連れて行きましょう(※5)。

肺炎と診断された場合、入院することが多いです。病院では抗菌薬の治療が行われます。

髄膜炎

特に生後4ヶ月~5歳で発病しやすい病気です。

個人差が大きいですが、発熱や嘔吐、意識がもうろうとする、けいれんが起こるなどの症状が見られます。脳に障害を起こし、後遺症が残ることもあるので注意が必要です(※6)。

発熱だけでなく普段と様子が違うと感じたら、早めに病院を受診してください。

インフルエンザ

毎年世界中で流行する感染症で、急激に38~40度の高熱が出て、全身がだるくなり、元気がなくなります(※7)。たいていは2~3日で熱が下がるものの、5日程度熱が下がらないこともあります。

特に乳幼児は肺炎や脳症を伴うこともあり、入院が必要なこともあるので、経過をよく観察する必要があります。

麻しん(はしか)

麻疹は、ワクチンの定期接種が2回(1歳と小学校入学1年前)定められているため、1歳以上の発症率は低いものの、1歳前に発症することがあります(※8)。

発熱が2~3日続いた後、熱が一度下がるものの、再度39度以上になるとともに発疹があらわれます。肺炎や中耳炎を合併することが多く、症状が長引いてしまいます。

赤ちゃんの38度以上の熱が下がらないときの対処法は?

赤ちゃん 熱 体温計

病院が開いていない夜間や日曜・祝日などに赤ちゃんの高熱がなかなか下がらないと心配ですよね。

発熱自体はウイルスと戦っている結果なので、無理に熱を下げる必要はありません。しかし、赤ちゃんが苦しそうにしているのであれば対処してあげましょう。

赤ちゃんの熱が下がらないときの、主な対処法をご紹介します。

1. 赤ちゃんに合った座薬を使う

自分で薬を飲めない赤ちゃんには、座薬を入れて熱を下げます。赤ちゃんの体重によって決められた量の座薬を、38.5度以上のときに使用します。

座薬の効果が持続する時間は6〜8時間といわれています。何度も連続して使うと、体の防御反応を低下させてしまうので、一度使用したら最低8時間は空けるようにしましょう(※5)。

また、赤ちゃんに座薬を使うのは、1日3回までにとどめるようにしましょう。解熱剤の座薬は一般的には生後6ヶ月から使用します。

座薬は一時的に熱を下げるもので、病気そのものを治す薬ではありません。

2. 脇や首の後ろを冷やす

脇・首の後ろ・ひざの裏・太ももを冷やしてあげるのも、熱を下げたいときに効果的です。これらの場所には太い血管が通っていて、冷やすことで冷たい血液を全身にめぐらせ、効率よく熱を下げる効果があります。

ドラッグストアなどで、脇専用の冷却剤を購入することもできます。万が一に備えて常備しておきたいですね。

3. 熱が上がりきったら布団を1枚減らす

熱が上がりきったら、赤ちゃんにかけている布団を1枚外してあげましょう。布団を多くかけたままにすると、熱がこもって下がらないことがあります。服を多めに着せているときは、薄着にしてください。

4. こまめに水分補給をさせる

赤ちゃんが熱を出しているときは汗をたくさんかくので、しっかり水分補給をさせることが大切です。おっぱいやミルク、麦茶、経口補水液などを少量ずつ、こまめに与えましょう。

赤ちゃんの熱が出下がらないときにやってはいけないことは?

赤ちゃん 熱 涙 泣く

赤ちゃんの高熱が下がらずに苦しそうにしていると、つい慌てて次のようなことをしてしまいがちですが、実はあまり良くありません。赤ちゃんの機嫌を見ながら、適切に対処しましょう。

厚着をさせて汗をかかせる

「熱が下がらないなら、汗をたくさんかかせて体温を下げるといい」と考える人もいるかもしれません。しかし赤ちゃんの場合、厚着をさせた状態では熱が体内にこもり、熱が下がらないばかりか、余計に高くなってしまいます。

また、赤ちゃんは体温調節機能が発達していないので、たくさん汗をかいても効率よく放熱することができません。

赤ちゃんの高熱が下がらないときは、前述のとおり服や布団の枚数はいつも通りか少し減らし、汗をかいたらこまめに取り替えてあげましょう。

部屋を閉めきる

換気をしないと、部屋が風邪のウイルスでいっぱいになり、他の家族にうつってしまう可能性が高まります。寒い季節であっても、ときどき部屋の空気を入れ替えましょう。

室温は20〜22度、湿度は60%を目安に環境を整えてあげましょう。

無理にお風呂に入れる

赤ちゃんの熱が下がらず、たくさん汗をかいていると、ついお風呂に入れてあげたくなりますよね。

しかし、熱が38度以上ある場合や38度以下でも元気がない場合は、お風呂に入れるのは控えましょう。入浴は、思っている以上に赤ちゃんの体力を消耗させます。代わりに、お湯で濡らして絞ったタオルなどで体を拭いてあげると良いですよ。

赤ちゃんの熱が下がらなくても落ち着いて対処しよう

赤ちゃん ミルク

赤ちゃんの熱が下がらないときは、熱の高さだけでなく、呼吸がはやくないか、機嫌が悪くないか、水分が摂れているかどうかなど、赤ちゃんの状態を落ち着いて判断することが大切です。

熱は何日か続くものなので、下がらなくても機嫌がいいときは安静にさせておくことが一番ですよ。

水分が摂れなかったり、グズグズして機嫌が悪い、ぐったりとしているなど、いつもと違う様子が見られたら、すみやかに小児科を受診してください。

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