川崎病の原因と初期症状は?うつるの?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

「川崎病」という名前を聞いたことはありますか?特に4歳以下の子供が注意すべき病気として知られていますが、詳しくは知らないという人がほとんどだと思います。そこで今回は、川崎病とはどんな病気か、原因や初期症状、うつるのかなどをご説明します。

川崎病とは?

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川崎病とは、手足の指先から皮膚がむける症状を伴う病気です。正式には「急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」といいますが、1963年に発見した川崎富作博士の名前をとって「川崎病」と呼ばれています。

生後数ヶ月から4歳以下の子供を中心に発症し、特に1歳前後の乳幼児で最も多く見られます。第24回川崎病全国調査成績によると、0~4歳の人口10万人に対して川崎病の罹患率は、2015年が330.2、2016年は309.0でした(※1)。

川崎病の原因は?

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川崎病の原因は、いまだにはっきりとしたことはわかっていませんが、血管炎という症状が出ることから、体の免疫システムの異常が関係しているのではないかと考えられています。

通常、体内に侵入した細菌やウイルスを白血球が攻撃し、血管炎が起きます。その炎症が強すぎると白血球から出る酵素によって、血管壁まで傷つけてしまい、全身の血管に炎症が生じる可能性があります(※2)。

川崎病は日本特有の病気ではなく、世界各地で報告されています。特に日本人、日系アメリカ人、韓国人などアジア系の人々に多く見られ、女の子よりも男の子の方が発症人数が多いのが特徴です。

これらのことから、川崎病のかかりやすさには、遺伝的な要因も関係しているのではないかと考えられており、研究が進められています。

川崎病の初期症状は?

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川崎病の初期症状には、発熱や咳、鼻水など、一般的な風邪と似た症状が現れることがあります。

そのため、川崎病は初期症状だけで判断することが難しく、その後に現れる特徴的な症状を含め、総合的に判断されます。

川崎病の症状の特徴は?診断基準は?

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川崎病は、風邪のような初期症状の後、以下のような特徴的な症状が現れてきます(※3)。

1. 38度以上の発熱が5日以上続く
2. 全身にいろいろな形の発疹が出る
3. 両方の目が充血する
4. 唇が赤くなり、舌に赤いブツブツができる(イチゴ舌)
5. 手のひらや足の裏が腫れて赤くなり指がむくみ、熱が下がった後に手足の指先から皮膚がむける
6. 首のリンパ節が腫れる

この6つの症状のうち、5つ以上該当する場合、または4つ以上が当てはまり、心臓のエコーで異常がある場合には川崎病と診断されます。ほかにも、BCGを接種した箇所が赤くなる、関節の痛み、下痢、お腹の張りなどが現れることもあり(※2)、特有の症状を見落とすケースも少なくありません。

上記の症状のうち2~3個が該当する場合も、川崎病の疑いがあるので、念のため早めに小児科を受診しましょう。

川崎病が治っても残る症状はある?

注意

上述した急性期の川崎病の症状は、1~2週間で治まることがほとんどです(※2)。しかし、発熱や発疹などの症状が治まってから、心臓に栄養を送る冠動脈の拡張障害などを主とした心疾患が現れることがあります。

これは、全身の血管が炎症を起こした影響で、心臓に血液を送り込む「冠動脈」に小さなコブのようなものができる場合があるからです。

急性期の炎症が強かったり発熱が10日以上続いたりすると、わきの下や足の付け根の血管に冠動脈瘤ができやすくなるので、少しでも早く炎症をおさえる治療が必要です。

動脈瘤によって冠動脈が狭まると血管が詰まりやすくなり、最悪のケースでは、心筋梗塞を引き起こすこともあります。命に関わる恐れもあるため、川崎病は決して軽視できない病気といえるでしょう。

川崎病を治すには?入院が必要?

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川崎病と診断された場合は、全身管理と合併症を探すため、入院して薬物療法を行います。免疫グロブリン製剤を注射し、アスピリンを投与しながら様子を見ます。これらの治療法が広く行われるようになったことで、川崎病による死亡率は1%以下まで低下しています(※3)。

薬物療法を実施した後、超音波検査などで心臓の冠動脈の状態をチェックし、冠動脈瘤の危険性がなければ退院できます。

しかし、早期に免疫グロブリン製剤などを投与しても効果が見られず、炎症が続き、8mm以上の大きな冠動脈瘤ができてしまう子もいます(※2)。川崎病を発症してから2~3ヶ月たっても冠動脈瘤が小さくならない場合は、さらに精密検査を行い、経過を観察します(※2)。

冠状動脈瘤ができていると冠動脈が狭くなってしまうため、バイパス手術などの外科手術を行い、十分な血液を送れるようにする治療も必要になります。

川崎病はうつる?

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川崎病自体は感染症ではないため、うつることはないと考えられています。

ただし、川崎病に兄弟姉妹で発症するケースが1〜2%あります(※2)。これらは、兄弟姉妹間の感染ではなく、発症しやすいかどうかの体質によるものと考えられているので、特に対策を練ることはできないのが現状です。

川崎病が疑われる症状が出たらすぐに病院へ

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4歳以下の子供を持つ親にとって、川崎病は注意したい病気の一つです。発症率はそれほど高くありませんが、急性期の症状が治まったあと心疾患が現れることもあり、命に関わる危険性もあるので油断はできません。

子供はよく熱を出すものですが、風邪のような初期症状が出た後、高熱が続いたり全身に発疹が出たりと川崎病特有の症状が現れたときには、躊躇せず小児科を受診しましょう。

もし冠動脈瘤が見つかったとしても、近年の医療技術の発達で治癒できる可能性は高いので、あまり心配しすぎず冷静に対応してくださいね。

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