妊娠38週に入る頃には、お腹がはちきれそうに大きくなって、朝起きて立ち上がるだけでもひと苦労ですよね。すでに正期産の時期に入っているので、いつ出産が始まってもいいように、出産兆候や出産当日の流れなどを改めて確認しておきましょう。
今回は妊娠38週の妊婦さんと赤ちゃんの状態、出産に向けた準備についてご説明します。
妊娠38週目の妊婦さんの状態は?
妊娠38週頃の子宮底長は、30~33cmほどです(※1)。赤ちゃんが子宮口に向かって降りてくるので、おへその下のほうがどんどんせり出してきます。
子宮の位置が下がることで胃の周りの圧迫感が減るので、後期つわりなどの消化器官のトラブルはおさまってきます。
ただし、赤ちゃんが下に移動したことで、恥骨痛や股関節痛などのマイナートラブルがひどくなる人もいるかもしれません。
また、出産に向けて子宮が収縮を繰り返しているため、お腹が張りやすい状態になっています。
ストレスを感じたり、体を動かし過ぎたりした場合でも張りを感じやすいです。無理はしないように心がけて、出産までゆったりと過ごしてくださいね。
妊娠38週目の赤ちゃんの状態は?
妊娠38週目の赤ちゃんの体重は、2,800g前後です(※2)。
赤ちゃんの大きさには個人差があり、2,100gの小柄な子もいれば、すでに3,500gほどまで大きくなっている子も。
平均と違っても、赤ちゃんの成長は個人差が大きいので、医師から特別な注意を受けていなければ心配する必要はありません。
赤ちゃんはいつ生まれてもよい状態まで成長しています。生まれたときからすぐに呼吸ができる準備も整いました。
妊娠38週目に注意しておきたいことは?
妊娠38週目には以下のようなことに注意しましょう。
尿もれ・頻尿
膀胱が尿をためられなくなるうえ、ホルモンの変化で筋肉がゆるんでいるので、頻尿や尿漏れに悩まされる人が増えてきます。くしゃみなど、ちょっとした刺激で漏れてしまうこともあるかもしれません。
この時期の尿漏れは仕方ないことなので、尿漏れシートなどで対策しましょう。肛門をキュっとさせて骨盤底筋を鍛えるトレーニングを行うのもおすすめですよ。
下半身のしびれ
子宮の重みで骨盤周辺の神経が圧迫されて、お尻や太もも、腰にしびれを感じる人もいます。
これも出産後には治りますが、痛みがひどくて日常生活に支障をきたすようであったり、しびれが常に起こったりするようであれば、かかりつけの産婦人科に相談してくださいね。
胎動の感じ方が変わる可能性がある
臨月に近づくにつれて、赤ちゃんの頭が骨盤に固定されて大きな動きをとりにくくなるため、胎動は減少するといわれています(※3, 4)。
ただし、胎動の感じ方は、赤ちゃんの大きさやママの体型、妊娠週数などによって異なるので、ママの感じる胎動が減るとは限りません。
また、胎動は出産まで続くため、全く感じられなくなることはありません。急に胎動が弱くなった・極端に少なくなったと感じる場合は、速やかにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。
胎動がいつもと違う様子で違和感を感じた場合も、かかりつけの産婦人科へ相談することをおすすめします。
むくみ
臨月になると出産に向けて血液量が増加するため、体がむくみやすくなります。これまでしっかり体重管理を行ってきた人でも、むくみのせいで体重が増えてしまうことがあるかもしれません。
塩分を摂取しすぎたり、運動不足になっていたりすると、むくみがさらに出やすくなるので、食生活や運動で改善できるといいですね。マッサージや足湯などで血行をよくするのも効果的です。
妊娠後期に入ってからはお腹が大きくてなかなか運動ができない日々が続いているかもしれません。
出産に向けての体力づくりとして、体調が許すときは軽く運動をするように心がけてくださいね。
吐き気
妊娠38週頃には後期つわりがおさまる人が多いのですが、なかには吐き気がずっと続く人もいます。
子宮は妊娠前の約5倍もの大きさになっているので、位置が下がってもまだ消化器官が圧迫されることがあるためです(※1)。
吐き気が続いているときは、妊娠初期のつわりのときと同じように、消化がよい食べ物を少しずつ食べる、食べた後すぐに横にならないなどをして対処しましょう。
ただし、安静にしていても吐き気がおさまらず何度も嘔吐してしまうときは感染症などの可能性もあるので、早めにかかりつけの産婦人科へ相談してください。
妊娠38週目にしておくといいことは?
妊娠38週目には以下のことをしておくといいですよ。
冷え対策
下半身が冷えていると、骨盤周りの筋肉が硬くなり、子宮口が開きにくくなることがあります。出産当日に備えて冷え改善に取り組み、下半身の血行をよくしておきましょう。
毎日お風呂にゆっくり浸かったり、むくみ対策も兼ねて下半身をマッサージしたりするだけでも効果的です。
飲み物は常温や温かめにして、冷たいものはできるだけ避けたいですね。腹巻や靴下を活用するのもおすすめです。
おりものの確認
妊娠38週頃になると、いつ出産が始まってもおかしくありません。出産兆候である「おしるし」を見逃さないためにも、毎日おりものの確認するといいですよ。
おしるしは、出産の3日ほど前から当日の間に見られることが多く、血とおりものが混じりあって、ピンク色や茶色、褐色をしています。
おしるしがあった場合は慌てずに、生理用ナプキンをあてるなどの対処をして、陣痛がくるまで様子を見ましょう。ただし、おしるしは陣痛までに必ずあるものではないので、おしるしがないからといって、心配しないでくださいね。
妊娠38週目は出産に向けた準備を万端に
予定日まではまだ2週間ありますが、この頃急に陣痛が始まったという人はたくさんいます。今のうちに入院準備を終え、出産当日の流れや呼吸法、いきみ方などをおさらいしておきましょう。
ただ、出産のことばかり考えるとかえってストレスになることもあるので、準備ができたら、できるだけリラックスして毎日を過ごしてくださいね。