妊娠中は生理がなかったので、出産後に再開することを考えて憂鬱になっている人もいると思います。赤ちゃんのお世話に追われる毎日で、しばらく生理のことは考えたくないですよね。しかし一方では、すぐにでも次の妊娠・出産を希望していて、早めに再開してほしいと思う人もいるでしょう。そこで今回は、産後の生理はいつから再開するのか、産後に生理が来ない理由や産後初めての生理ではどれくらい出血するのかについてご紹介します。
産後は生理が止まるの?

女性の体は、産後しばらくの間は生理が止まるようにできています。これは、産後に分泌される「プロラクチン」と呼ばれるホルモンが関係しています(※1)。
プロラクチンは母乳を分泌する作用がある一方で、卵巣の機能を抑制し、排卵を止める作用があります。産後に赤ちゃんが母乳を飲めば飲むほど、おっぱいを吸う刺激によってプロラクチンが分泌されます。それにともなって、排卵が起きず、生理も止まります。
産後の生理はいつから再開する?授乳期間に左右されるの?

産後の生理が再開する時期には個人差がありますが、一般的には産後4ヶ月以内に再開する人が多いとされています。
前述の通り、授乳中はプロラクチンの影響で排卵が抑制されて、生理が起こりにくくなるので、母乳育児の場合は、早くても分娩後3〜4ヶ月に再開するとされています。一方、ミルク育児の場合には分娩後約2ヶ月後には生理が再開することがあります(※1)。
授乳の量にもよりますが、母乳育児かミルク育児では生理再開までの間に約1ヶ月の違いがあるようです。
産後1ヶ月健診を終えて、月に一度生理のような出血があるようであれば、生理が再開している可能性があります。
ただし、産後1ヶ月以内に出血があった場合は、生理ではなく悪露の可能性が高いでしょう。産後1ヶ月は子宮内に溜まっていた悪露が排出されるので、出血が1週間以上続いたり、血の塊のようなものが一時的に出たりすることがあります。
産後に生理が来ない…育児ストレスが原因なの?

産後かどうかに関わらず、ストレスで生理が来ないということは起こります。特に産後は育児によるストレスや疲れ、生活サイクルの乱れからホルモンバランスが崩れやすく、生理の再開が遅れることも。産後3~4ヶ月頃に生理が一度来ても、その次に来たのが数ヶ月後など、生理周期が乱れてしまうこともあります。
産後のママの体は、自分で思っているよりもデリケートです。心や体が気づかないうちにダメージを受けているものなので、少しでもリラックスできる時間を作り、前向きな気持ちで毎日を過ごせるといいですね。
産後に生理が再開しないときは病気かも?

産後1年半を過ぎた、もしくは断乳後3ヶ月以上経つのに生理が再開しない場合は、「高プロラクチン血症」と呼ばれる疾患があるかもしれません。
高プロラクチン血症は、プロラクチンを分泌する脳下垂体に腫瘍ができたり、甲状腺の機能が低下したり、ホルモンバランスが乱れていたりすることが原因と考えられます。
産後の体は変化が激しく、違和感に気づけないこともありますが、生理の再開が遅れていると感じたら一度かかりつけの産婦人科か婦人科で検査してもらいましょう。
産後に生理が来た!初めてのときの出血量は?多い・少ないのは異常?

そもそも生理のときの出血量は、多い人もいれば、少ない人もいて個人差が大きいものです。多いから、あるいは少ないからといって異常なわけではありません。
妊娠前と産後で、生理の出血量が変わることも珍しくありません。また、生理痛の重さが変わる人もいますが、これは妊娠・出産を機に子宮内の環境が変化したことが原因です。
産後の生理再開は、次の妊娠準備ができたサイン
産後の生理の再開は、次の妊娠準備ができたという体のサインです。ただし、生理が再開していないからといって排卵がないわけではなく、場合によっては生理の再開を待たずに次の妊娠をすることもあります。
そのため、まだ妊娠したくない人は生理の再開前でも避妊を心がけてくださいね。産後のママの体はデリケートなので、パートナーと話し合いながらしっかり休みをとるようにしましょう。