安定期に入って「つわりが終わったから、好きな物を食べられる!」と余裕が出てきたのも束の間、妊娠後期になったら、突然気持ち悪くなることがあります。この時期の症状は、医学的に「つわり」とは別物だと考えられていますが、一般名称として「後期つわり」と呼ばれることが多いようです。
今回は、そんな後期つわりについて、気持ち悪くなる原因や対処法、いつまで続くのかなどをご紹介します。
後期つわりの原因は?
後期つわりの主な原因は、子宮が大きくなることにあると考えられています。妊娠後期になると、胎児の成長に伴って大きくなった子宮がどんどん胃を押し上げて、胃もたれ、胃痛、吐き気、げっぷを引き起こすのです。
胃は圧迫されるだけでなく、持ち上げられもするので、胃液が逆流して食道の粘膜を荒らしてしまい、胸やけを引き起こすことがあります。
後期つわりの症状は?気持ち悪いのは、いつまで続く?
後期つわりの主な症状は、吐き気や胸やけ、胃もたれ、胃痛です。ただし、臓器を圧迫する具合によって症状の現れ方や程度は異なるため、個人差があります。
ホルモンが影響していると考えられる妊娠初期のつわりと、後期つわりは原因が異なるので、妊娠初期は食べつわりだったのに、妊娠後期になったら急に吐き気を催すようになったという妊婦さんもいます。
後期つわりが終わる時期には個人差がありますが、赤ちゃんの頭が骨盤内に下がってくる妊娠37週頃が目安です。胃への圧迫がなくなって、吐き気が自然と治まったという人が多いですよ。
ただし、赤ちゃんの頭が骨盤内に下がっても気持ち悪さが続くことはあり、長い人だと出産直前まで吐き気を感じることもあります。
後期つわりの対処法は?
後期つわりは生理現象なので、根本的に解消することはできませんが、生活習慣の改善で症状の緩和を目指しましょう。
少量の食事をこまめにとる
吐き気や胸やけがある場合、一度にたくさん食べると更に胃が圧迫されて苦しく感じてしまうことも。1日3回だった食事を6回に分けるなどして、少量ずつ食べるようにしてみましょう。
消化にいいものを食べる
消化にいいものを食べると、胃への負担を減らすことができ、後期つわりの苦しみを少しでも抑えることにつながります。
消化にいい食べ物としては、うどん、にゅうめん、おかゆ、豆腐、りんご、バナナ、ヨーグルトなどがあります。料理に使う食材は小さく切り、火を通すと、消化されやすくなりますよ。
食事の際に水分を多量にとらない
食事をするときに、水分を多量にとると胃液が薄まり、消化しにくくなることがあります。水分補給は、食事の30分以上前に済ませておきましょう。
食後すぐは横にならない
胃液の逆流を防ぐために、なるべく食後2時間は横にならないようにしましょう。つらくて横になる場合は、上半身を起こすようにすると、吐き気が起きにくくなります。
医師に相談する
胸やけ・胃もたれ・吐き気などの症状がつらい場合は、医師に相談しましょう。必要に応じて、妊娠後期でも内服できるような薬を処方してもらえます。
後期つわりがひどいと妊娠悪阻になる?
「妊娠悪阻(にんしんおそ)」は、妊娠初期のつわりが重症化していることを指します。後期つわりでは、妊娠悪阻のように「全く食べられない」などの症状は起こらないため、ひどくなっても「妊娠悪阻」にはなりません。
ただし、後期つわりがひどくなると、水分を飲んでも吐くようになり、水分が取れなくなり、脱水症状になるリスクがあります。
後期つわりがひどくなったと思ったら、水分が取れなくなる前にすぐに医師に診てもらうようにしてください。
後期つわりを和らげる方法を知っておこう
悩まされた妊娠初期のつわりがようやく終わり、ホッとしていたところに、妊娠後期でつわりが再発すると、精神的にもつらいですよね。赤ちゃんの成長による生理現象なため、根本的な解決は難しいですが、和らげる方法を実践すると、少し楽になるかもしれません。
いろいろ試してみて、残り少ないマタニティライフを楽しみながら過ごせるといいですね。