胎動は赤ちゃんとの大切なコミュニケーションであり、赤ちゃんが今どんな状態なのかのヒントをもらうことができます。力強い胎動は赤ちゃんが元気な証拠といわれますが、妊娠後期に痛いほどに激しい胎動を感じると「赤ちゃんは大丈夫かな?破水しないかな?」と心配になりますよね。
そこで今回は、胎動が激しい・痛い原因は何か、妊娠後期でも赤ちゃんへの影響や破水することはないのかなどをご説明します。
妊娠後期の胎動が激しい・痛い原因は?
妊娠8ヶ月(妊娠28週0日〜)以降を妊娠後期といいます。
この頃になると、赤ちゃんは骨格がしっかりしてきて、手足を大きく伸ばしたり、体をグルンと回転させたりと、ダイナミックに動きます。そのため、胎動は力強く、激しさを増していきます。
また、赤ちゃんの頭や足、肩などの骨が硬くなってくるので、その部分がママの肋骨や膀胱などにぶつかると、痛く感じることもあります。
ただし、赤ちゃんの大きさやママの体型、妊娠週数などによって胎動の感じ方は異なります。妊娠6~7ヶ月頃から激しい胎動や痛みを感じる妊婦さんも多くいますし、痛いほど感じていた胎動が、妊娠後期になって段々と落ち着いていく人もいますよ。
胎動が激しい・痛いとき、赤ちゃんは大丈夫?
胎動があまりに激しいと、「赤ちゃんが苦しんでいるのでは?」と心配になってしまうかもしれませんが、胎動が激しいからといって、赤ちゃんに問題が起きているわけではありません。
激しいと感じるほどの胎動は、赤ちゃんが元気に動き回っている証拠です(※1)。
赤ちゃんが本当に苦しいときは、動く元気がなくなるので胎動は弱まります。
急に胎動が弱くなった・極端に少なくなったと感じる場合は、速やかにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。また、胎動がいつもと違う様子で違和感を感じた場合も、かかりつけの産婦人科へ相談することをおすすめします。
普段からリラックスしているときに胎動カウントをとっておくと、胎動の変化に気づきやすいですよ。
妊娠後期に胎動が激しい・痛いときは破水の危険がある?
妊娠後期に胎動がいくら激しくても、そのせいで切迫早産を引き起こしたり、破水したりすることはないので安心してください。
ただ、持続的な痛みを感じる場合、その痛みがお腹の張りからくるものではないかに注意が必要です。張りによる痛みの場合は、陣痛や破水につながる「子宮収縮」を起こしている可能性があります。
胎動が激しいときの痛みは子宮の一部が引っ張られるように感じますが、お腹の張りによる痛みは、お腹全体がキューッと締め付けられるように感じます。
安静にしているうちに自然と痛みがおさまるようなら問題ありませんが、締めつけられるような痛みが持続する、あるいはどんどん強くなるというときは、かかりつけの産婦人科を受診するようにしましょう。
胎動が激しい・痛いときの対策は?
胎動が激しい・痛いと感じたときには、痛い部分をさすったり、少し揺すったりすると、赤ちゃんの当たる位置がずれて痛みがやわらぐことがあるので、試してみてもいいかもしれません。
また、夜に胎動が激しくてぐっすり眠れないときは、昼間でも赤ちゃんが静かなときに仮眠をとるなどして、こまめに体を休めるようにしてくださいね。
胎動が少し落ち着いて、お腹のなかの赤ちゃんが寝ているかな?というタイミングで、ママも体を休めるといいですよ。
胎動が痛いときも、妊娠後期に自然と治まる?
妊娠中期や妊娠後期のはじめは、赤ちゃんの大きさに対して子宮にスペースがあるため、赤ちゃんは子宮のなかを比較的自由に動き回ることができます。
しかし妊娠が進み、赤ちゃんの体が大きくなると、子宮内に動き回れるスペースがなくなるため、胎動が落ち着いてくる傾向にあります。
また臨月に入ると、赤ちゃんの頭がお産に向けてさがってきて、ママの骨盤に固定されるため、胎動は少なくなっていきます(※2, 3)。
ただし、出産間際まで激しい胎動が続いたと感じる人もいて、臨月が近づくと落ち着くとは言い切れません。前述したとおり胎動の感じ方には個人差が大きいので、赤ちゃんの個性と思って受け入れてあげてくださいね。
胎動が激しい・痛いのは赤ちゃんが元気なサイン
痛みを感じるほど激しい胎動はつらいですが、赤ちゃんが元気に育ってくれている証と前向きに捉えられるといいですね。
胎動を感じられるのは、妊娠中だけの貴重な経験です。痛みによるストレスをうまく発散しながら、赤ちゃんがお腹にいる時間を楽しんでくださいね。