悪露が増えるのは異常?産後2ヶ月まで長引くこともあるの?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

産後の悪露は、だんだんと量が減って1ヶ月ほどで出なくなるのが一般的です。そのため、急に悪露が増えたり、1ヶ月以上長引いたりすると、何か異常があるのではと心配になりますよね。

そこで今回は、悪露が増えたり、産後2ヶ月ほど続いたりするときの原因や対処法、そのほか気をつけたい症状などをご説明します。

悪露は産後1ヶ月でなくなるもの?

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悪露とは、出産後に子宮の中から排出される分泌物のことです。

妊娠中に大きくなった子宮は、出産を終えたあと、妊娠前の状態に戻るために収縮し始めます。これは「子宮復古」と呼ばれる現象で、この過程で悪露が排出されるのです。

個人差はありますが、子宮は産後4~6週ほどで妊娠前とほとんど同じくらいまで小さくなり、子宮口が閉じて悪露は出なくなります(※1)。

胎盤・卵膜のかけらや分泌物、血液などが混じりあっているため、産後1週間くらいまでの悪露の見た目は赤色から茶褐色で生理の経血と似ていますが、徐々に淡い黄色、白色と色は薄くなっていきます(※1)。

悪露が産後2ヶ月以上長引く・量が増えることはあるの?

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産後2週間以上鮮血の混じった赤い悪露が出続ける場合や、悪露の量が増える場合は、子宮がうまく収縮できない「子宮復古不全」が起きている可能性があります(※1)。

子宮の収縮がうまくいかない理由には、本来排出されるはずの胎盤などが邪魔をしたり、出産で子宮の筋肉が疲労しすぎたりしていることが考えられます。

うまく子宮が収縮しないことで、出血が止まらないため、悪露が長引いたり悪露の量が増えたりするのです。

帝王切開で出産した場合、子宮を切開して赤ちゃんと胎盤を取り出したあとに子宮内を吸引するため自然分娩(経腟分娩)と比べると悪露の量が少なくなりますが、帝王切開の手術で子宮壁を切った傷が癒えるまでは、血液や体液などが排出され続けます。

そのため人によっては、少量の悪露が産後2ヶ月近く続くこともあるようです。

悪露が長く続いたり増えたりしたら病院に行くべき?

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悪露の量が増えた、悪露が1ヶ月以上続いているという場合は、早めに産婦人科に相談しましょう。

子宮筋腫や細菌感染が子宮復古不全を引き起こしていることもあるので、原因を詳しく検査してもらうことが大切です。

ただし、悪露が一時的に塊でドッと出て、またそこから量が減っていったという場合は、溜まっていた分泌物が一気に出てきただけかもしれません。

塊が小さかったり、クリーム色や透明であればそれほど心配はいりませんが、不安なことがあればかかりつけの産婦人科で相談してくださいね。

悪露が増える以外にも、長引く下腹部の痛みに注意!

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産後、子宮収縮の影響で下腹部に痛みを感じることはありますが、産後1ヶ月を過ぎても痛みがある場合には、子宮内で細菌感染が起きて傷口などが炎症を起こしている可能性があります。

産後1か月を過ぎても下腹部痛が続くという場合には、早めにかかりつけの産婦人科に相談しましょう。

悪露が増えるなどの異常は医師に相談しよう

悪露は個人差があるため、異常があるのかどうか自分で判断することは難しいですよね。「量が増える」「鮮血のような赤い悪露が長引く」といったこと以外にも気になることがあれば、一人で抱え込まずに産婦人科で相談しましょう。早めの受診が、早めの対処につながりますよ。

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