産後1ヶ月を過ぎると悪露が出なくなってくる人がほとんどです。そのため、産後1〜2ヶ月を過ぎてから出血があると、悪露がまた出てきたのか、生理が再開したのか判断がつかないことも。悪露と生理は見た目が似ていることがあるので違いがわかりにくいですよね。そこで今回は、悪露と生理の違いや、産後1~2ヶ月の出血の見分け方などをご説明します。
産後1ヶ月の悪露はどんな状態?
悪露とは、産後に子宮が収縮する過程で分泌されるもので、子宮内に残った胎盤や卵膜のかけら、血液などが混じりあっています。
産後すぐの悪露は血液が多く含まれているので赤色で、生理の出血と見た目が似ています。そのあと、時間が経過するにつれて悪露に含まれる血液は少なくなり、色も赤褐色から黄色へと薄くなっていきます(※1)。
そして産後1ヶ月(産後4週)を迎える頃には悪露は白色になっており、外子宮口が完全に閉じる産後1ヶ月半(産後6週)頃にはほとんど出なくなります(※1)。
産後1ヶ月以内の出血は生理ではなく悪露?
産後しばらくの間は排卵が起こらないため、生理も来ません。
生理が再開するタイミングには個人差がありますが、産後1ヶ月が経ったばかりの時期に生理が来ることはあまりないため、産後1ヶ月以内に性器出血が見られた場合は、生理ではなく悪露だと考えられます。
通常、悪露が血液成分を多く含み、鮮血のような赤色をしているのは、産後2~3日までですが、産後1ヶ月頃までは、子宮内にたまっていた悪露が一気に排出され、血の塊のようなものが見られることもあります。
産後1~2ヶ月で生理が再開することもある?
早い人では産後1ヶ月半(産後6週)を過ぎたあたりで生理が来ることもあり、授乳していない女性だと平均して産後2ヶ月で生理が再開するというデータもあります(※2,3)。
母乳育児をしていると、生理再開の時期は比較的遅くなります。これは、赤ちゃんが母乳を吸う刺激によって「プロラクチン」というホルモンの分泌が促進され、プロラクチンの作用で卵巣機能が抑制されて排卵が起こりにくくなるためです(※1)。
なお、1ヶ月以上授乳を続けた場合、その期間が長いほど生理が遅れる傾向にありますが、ほとんどの人が、授乳をやめると6週間以内に生理が再開します(※3)。
産後1〜2ヶ月の出血は、悪露?生理?
先述のとおり、血の混じった悪露が出る時期と、生理が再開する時期は、産後1〜2ヶ月頃に重なることも十分に考えられます。
この時期の出血が悪露なのか生理なのか見分けるひとつの違いとして、出血が続く期間に着目してみましょう。
産後1〜2ヶ月を過ぎて血の混じる悪露が出た場合、一時的なものなので、数日で見られなくなるケースがほとんどです。
一方、出血が1週間程度続いてから止まった場合は、生理の可能性が高いといえます。翌月にも同じような出血が確認できれば、ほぼ確実に生理が再開したと考えられるでしょう。
ただし、鮮血が1週間以上続くようなら、子宮がうまく収縮できていなかったり、子宮内が細菌感染による炎症を起こしていたりする恐れもあるので、できるだけ早く産婦人科を受診してください。
産後1〜2ヶ月で下腹部痛があれば生理?
産後1~2ヶ月頃に、出血と一緒に下腹部痛があると「生理痛かな?」と考えてしまいがちです。
ただし、この時期に下腹部痛と性器出血が見られる場合、子宮の中に胎盤や卵膜の一部が残っていたり、子宮筋腫ができていたりすることにより、子宮がうまく収縮できていない「子宮復古不全」が起こっている可能性もあります(※1)。
また、出血が特にない場合は、虫垂炎(盲腸)や育児のストレスなどが原因で腹痛が起きている可能性もあります。
産後に腹痛があるときは、自分で原因を判断するのは難しいので、できるだけ早くかかりつけの産婦人科医に相談してくださいね。
産後1~2ヶ月は生理再開の可能性もある
悪露が終わる時期や生理再開の時期には、個人差があります。そのため、産後1~2ヶ月頃の出血は悪露なのか生理なのか自己判断が難しいこともあるでしょう。少しでも気になることがあれば産婦人科を受診してくださいね。
産後しばらくは赤ちゃんのお世話で忙しいので、思ったよりも早く生理が来るとわずらわしく思う人もいるかもしれません。しかし、生理の再開は卵巣や子宮の機能が回復してきた証です。ポジティブに捉えられるといいですね。