ようやく出産が終わったと思ったら、生理痛のような腹痛を感じることがあります。産後に現れる腹痛は子宮収縮が起きている証拠で、妊娠前の体に戻るために必要な痛みです。
今回は産後の腹痛がいつまで続くのか、原因や対処法についてご紹介します。
産後の腹痛の原因は子宮収縮?
産後すぐの腹痛のほとんどは、子宮収縮によるものです。
子宮は妊娠前に比べて5倍近く大きくなっていたので、産後は元の大きさに戻る必要があります。また子宮内は胎盤が剥がれたことで出血なども起こっているため、止血もしなければなりません。
そのため産後は、大きくなった子宮を妊娠前のサイズへ戻すため、子宮からの出血を止めるために子宮収縮が起こります。産後に起こる子宮収縮は陣痛と同じ仕組みで、腹部に痛みを伴うことから、「後陣痛」とも呼ばれます。
母乳の分泌に関わる「オキシトシン」というホルモンは子宮収縮を促す働きがあるため、母乳育児の人は後陣痛の痛みが増すこともあります。
産後の子宮収縮による痛みはいつまで続くの?病院には行くべき?
産後の腹痛の原因である後陣痛は、分娩後2~3日で治まるのが一般的ですが、個人差があるため人によっては1週間以上続くこともあります。
後陣痛は子宮が順調に回復しているサインなので、痛みが続くからといって急いで病院に行く必要はありません。
1ヶ月健診までは経過を見ておきましょう。
産後1ヶ月以上続く下腹部痛は異常?
産後1ヶ月以上過ぎても下腹部痛が続いていたら、子宮の回復がスムーズに進んでいない「子宮復古不全」の可能性があります。
子宮復古不全は、子宮内に残っている胎盤・卵膜・悪露や、子宮内感染や子宮筋腫の炎症によって引き起こされるトラブルです。
産後1ヶ月を過ぎても悪露が続いたり、悪露の量が増えたり、下腹部痛や生理初日のような鮮血が見られる場合には、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。
産後の腹痛は子宮の回復による痛み
産後の下腹部痛は人によって強い痛みを感じるため、不安になってしまうかもしれません。しかし産後の腹痛は、ママの身体が妊娠前の状態に順調に回復しようとしている証拠です。
腹痛があるときは無理せずゆっくりと過ごすようにしながら、下腹部痛以外に症状がないかをチェックしておき、1ヶ月健診時に医師へ相談できるようにしておきましょう。