出産予定日が近づくと、周囲の期待も高まり、プレッシャーを感じてしまうかもしれません。ただ、予定日通りに出産できる割合はそれほど高くありません。では、出産予定日を超過したときはどうしたらいいのでしょう?妊娠41週、42週での出産は帝王切開になるのかも気になりますね。今回は予定日を超過する割合や、出産予定日を超過したときの対処法についてご説明します。
予定日超過の割合は?
赤ちゃんは出産予定日に生まれるものと考えがちですが、出産予定日というのはあくまでも予測に過ぎません。
そもそも妊娠週数は、最後の生理が始まった日を妊娠0週0日として計算し、そこから数えて280日(40週0日目)を出産予定日と定めているだけです。280日後に生まれるというのも平均の日数なので、人によって前後します。
妊娠37週0日~41週6日の間に出産することを「正期産」と呼び、正常な出産と考えますが、出産予定日にあたる40週0日目に必ず生まれのは極めてまれです。
流産を除くと、全出産の約94%は正期産に生まれ、それより前に生まれる早産は約5~6%、正期産を過ぎてから生まれる過期産は約1%未満とされます(※1)。
また、妊娠週数ごとに見ると、妊娠40週までに出産した妊婦さんは全体の約90%で、妊娠41週以降に出産した妊婦さんは約10%というデータもあります(※2)。出産予定日より遅れるのは、決して珍しいことではないのです。
出産予定日を超過する原因は?初産だと超過しやすい?
妊娠41週6日目までであれば、出産予定日を超過することはよくあります。初産の人は予定日を超過するケースのほうが多いくらいです。特別な原因はなく、個人差によるものと考えてください。
ただ、妊娠42週0日以降になる場合は過期産になって、胎盤の機能が低下し、羊水の量が減少するなどお腹の赤ちゃんに悪影響をおよぼす可能性があります。
胎盤の機能が低下すると、時間が経つにつれて赤ちゃんに酸素や栄養を送り届けられなくなるため、赤ちゃんの成長を阻害して胎児機能不全などを引き起こす可能性も出てきます。
また、羊水が減少すると分娩時に臍帯圧迫を引き起こしたり、赤ちゃんが成長しすぎて巨大児になったりする可能性も出てきます。
出産予定日を超過したときの過ごし方は?
出産予定日を超過しても、過ごし方はそれまでと基本的には同じです。
適切な体重増加を心がけながら、無理のない範囲で体を動かして出産に向けた体力づくりをし、産後にはなかなかできなくなるお出かけや買い物などを近所で楽しんでくださいね。出かけるときはいつ陣痛が来てもいいように母子手帳を持ち歩くことも忘れずに。
正期産の時期であれば過度に心配する必要はありませんが、陣痛が起きやすいように促してみるのもおすすめです。スクワットなどの運動やツボ押し、アロマなどで自然に陣痛を促すことができますよ。ゆったりとした気持ちで過ごしながら取り組んでみてください。
妊娠41週、42週目の出産は帝王切開になるの?
出産予定日を超過して、妊娠41週、42週に入ったら、その後の出産はどうなるのでしょうか。すぐに帝王切開を思い浮かべる人もいますが、正期産の期間であれば自然な陣痛を待って自然分娩を行うのが基本です。
子宮内の状態や胎盤に問題なく、赤ちゃんにトラブルが起きていなければ陣痛が来るのを待ちます。それでも陣痛が来なければ、陣痛誘発剤やバルーンなどを活用して人工的に陣痛を促す誘発分娩に。
帝王切開になるのはなんらかのトラブルが起きたケースで、予定日を超過したからといって必ず帝王切開になるわけではありません。
予定日超過した妊娠41・42週での出産体験談
ここでは、実際に予定日を超過してから出産した先輩ママの体験談をご紹介します。予定日を超過して不安な気持ちになっている妊婦さんは、ぜひ参考にしてくださいね。
帝王切開で出産した体験談
赤ちゃんが無事に生まれてきてくれて本当に良かった
予定日を過ぎてから、ちょっとした胎動やお腹の張りにも敏感になってしまい、全然眠れませんでした。毎日たくさん歩いたり、オロナミンCを飲んだりといろいろ試したけど子宮口が全く開かず、自分をずっと責めていました。最終的には帝王切開になりましたが、経腟分娩と何も違いはありません。ただただ赤ちゃんが無事に生まれてきてくれて、本当に嬉しかったです。
Mさん 20代
赤ちゃんを危険にさらしたくなかった
陣痛の痛みはどんなものなんだろうとなかば楽しみにして、陣痛が来るというジンクスは全て試しました。それでもなかなか生まれず41週になって、子宮口は5cm開いてるけど、陣痛はなし。赤ちゃんが大きかったので、肩甲難産になるリスクが極わずかだけどあるという説明を受けて、迷わず帝王切開を選びました。赤ちゃん危険にさらすのが嫌だったからです。家族やサポートしてくれた助産師さんのおかげで、無事に出産することができました。
Hさん 40代
経腟分娩で出産した体験談
お腹の赤ちゃんとの残り少ない時間を楽しんだ
ちょうど学年が変わる3月と4月の境目だったので、どちらになるかとハラハラしながら待っていました。結局予定日を超えて4月になったのですが、桜を見ながらたくさんお散歩をしたり、赤ちゃんに話しかけたりしながら、お腹の中に赤ちゃんがいる残り少ない時間を穏やかに楽しみました。
Rさん 30代
心の準備ができた
初産で陣痛や出産がとても怖かったのですが、予定日を超えたぶん心の準備を整える時間が長くなって、落ち着いた状態で出産に望むことができました。陣痛は自然に来たのですが弱くて、出産時には誘発剤を使用し、妊娠41週に経腟分娩で出産しました。
Kさん 30代
妊娠43週目以降に出産することはあるの?
妊娠43週目に入ってから出産することはまれです。現在では、ママと赤ちゃんの状態を見ながら、妊娠42週前後になんらかの措置がとられます。ただ、自然分娩を推奨する病院では、長期的に経過観察をすることもあるようです。
妊娠42週を過ぎても胎盤の機能が低下しておらず、羊水などの問題もなければ、ただちに赤ちゃんに悪影響があるわけではありません。
誘発分娩などで陣痛が来るのを促してもなかなか効果が現れない場合、帝王切開になることもあります。基本的には母体と赤ちゃんの安全を最優先にしながら、予定日超過後も医師とよく話し合って対処法を決めてください。
出産予定日を過ぎても過期産までは自然に陣痛を待とう
出産予定日はあくまで目安です。数日超過したからといって焦る必要はありませんよ。体を動かしながら自然に陣痛が起こるのを気長に待ちましょう。
ただし、過期産になったらなんらかの対処が必要になります。自然分娩と帝王切開のどちらになるかわかりませんが、できるだけ落ち着いて医師の指示をよく聞き、そのときのベストな出産に臨んでください。