妊娠すると、眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりと睡眠トラブルに悩む人が増えてきます。妊婦さんにおすすめの寝方として有名な「シムス体位」を耳にして、気になっているという人は多いのではないでしょうか。
今回はシムス体位とはどんな寝方なのか、楽な体勢の取り方や気をつけるべきポイントなどをご説明します。
妊娠中に寝つきが悪くなるのはなぜ?
妊娠初期には、ホルモンバランスが変化したことで自律神経などが不安定になり、妊娠・出産に対する不安なども重なって寝つきが悪くなることがあります。
妊娠中期や後期になるとホルモンバランスの変化に加えて、大きくなったお腹が原因で寝返りをうちにくくなったり、お腹に圧迫されたりしてなかなか寝付けないという人も多いです。
妊婦におすすめの寝方!シムス体位って?
妊娠中期から後期にかけてお腹が大きくなってきた妊婦さんにおすすめの寝方が「シムス体位(シムスの姿勢)」です。
元々は検査をするときや昏睡状態の人の気道を確保するときに用いられた姿勢ですが、妊婦さんの体にも応用されるようになりました。
シムス体位をとることでリラックスして眠れる効果が期待できますよ。
妊娠中のシムス体位の取り方は?
シムス体位をとるときは、左側を下にして横になり、以下の姿勢を心がけましょう。
⚫︎下にある左足は真っ直ぐ伸ばす
⚫︎右足は足の付け根から曲げて、膝も曲げた状態にし、曲げた膝はベッドの上に置く
⚫︎お腹に負担がかからない程度に少しうつ伏せ気味に体をかぶせる
体の下にくる左腕を背中側に回す体勢をとることもあります。
この姿勢がつらいときは、布団や枕、クッションなどを使って調整しましょう。抱き枕を抱きかかえるようにすると体勢が安定しやすくなりますよ。
妊婦は横向きの姿勢が楽なの?仰向けに寝てはダメ?
お腹が大きくなってくると、横向きになっているほうが重みを感じにくくなります。自分が楽と感じる方向で寝るようにしましょう。
妊娠後期になると仰向けはよくないと聞いたことがある人もいるかもしれませんが、苦しいと感じなければ仰向けで寝ても構いません。
ただし、仰向けで寝た場合は、子宮が大きな血管を圧迫して低血圧を起こすことで、「仰臥位低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)」になるおそれがあります。
動悸や息苦しさで熟睡できないと感じたら、横向きになるなど姿勢を変えてみてくださいね。
妊娠中は自分が楽な寝方を見つけよう
寝るときは自分が楽に感じられる姿勢が一番いいので、まずはおさまりのいい姿勢を探しましょう。お腹が大きくなるにつれて楽な姿勢も変わってくるので、その都度自分にあった寝方を探してみてくださいね。