妊娠中はマタニティ向けの下着を着用していたけれど、産後はどんなものを使ったらいいのかと迷うママは多いのではないでしょうか。また、産後の体形戻しのための補正下着をどのタイミングで取り入れたらいいのか悩む人もいますよね。今回は産後の下着について、時期別の選び方、補正下着の効果、着用するときの注意点をご紹介します。
産後の下着はどうする?妊娠前のショーツやブラを使えるのはいつ頃?
出産を終えたからといって、すぐに妊娠前の下着を着用できるわけではありません。お腹周りには妊娠中についた皮下脂肪が残っていて、バストはますます大きくなるため、締め付けがきつい一般的な下着では体に負担がかかってしまいます。
ここでは産後の下着の選び方を、ショーツとブラジャーにわけてご紹介します。
ショーツ
出産後、入院中は悪露の量が多く、ベッドの上で医師や助産師が診察を行うため、産褥ショーツを用意する必要があります。
退院後しばらくは、まだお腹もぽっこり出ているので、妊娠中に着用していたマタニティショーツをはいてもいいですが、徐々に産後用ショーツに切り替えていくのがおすすめです。
産後用ショーツには、お腹まわりをしっかり包みながら骨盤をサポートしたりお腹を引き締めたりする効果があるものが多いので、産後の体型戻しにも役立ちます。
妊娠前に着用していたショーツに戻す時期は、早くても産後6ヶ月以降がいいでしょう。それまでは、まだお腹のふくらみが残っているので、一般的なショーツではお腹周りが冷えたり、締め付けが苦しかったりします。
体型の戻り具合や体調にあわせて徐々に妊娠前のショーツに戻していってください。
ブラジャー
産後は母乳が分泌されてバストが大きくなるため、締め付けがなく授乳しやすい「授乳用ブラジャー」を着用しましょう。
妊娠中に使用していたマタニティブラが授乳にも対応しているタイプであれば、そのまま使うことができます。ただし、妊娠中よりさらにバストサイズがアップすることも多いので、小さく感じるときはサイズがあったものを買い直しましょう。
授乳用ブラジャーは授乳が終わるまで使用し、卒乳をしたら通常のブラジャーに切り替えます。妊娠前につけていたブラジャーではサイズがあわなくなっていることもあるため、あらためてサイズを測ってぴったりのものを用意してくださいね。
ショーツやブラジャーといった基本的な肌着とは別に、産後の体型戻しやシェイプアップを目的とした補正下着もあります。次からは、産後の補正下着についてご説明します。
産後の補正下着とは?どんな効果があるの?
産後の補正下着とは、妊娠中に歪んだ骨盤を矯正し、ボディラインを妊娠前の状態に戻すことができるようサポートしてくれる下着です。
妊娠中は出産に備えて皮下脂肪がつきやすく、骨盤も広がります。産後3~6ヶ月で徐々に妊娠前の体に戻っていきますが、この期間に何もしないでいると、骨盤がずれたまま皮下脂肪がつきやすくなったり、代謝が落ちて痩せにくい体質になったりすることがあります。
産後の補正下着による効果
● 腰痛の緩和
● 頻尿の予防・解決
● 正しい姿勢をつくり体調を整える
● 新陳代謝が上がり脂肪がつきにくく痩せやすい体になる
● 血行の促進、むくみのケア
● 部分的なシェイプアップができる(主にヒップや太もも、腰回り)
● 産後の皮下脂肪を落としやすくする
産後の補正下着の種類は?
産後の補正下着の選ぶ前に、まずはどんな種類があるか知っておきましょう。種類によって使える時期が異なるものもあれば、兼用できるものもあります。
以下に、産後の補正下着の主な種類をご紹介します。
産褥ニッパー
骨盤周りを優しく引き締めるので、産後すぐからつけることが可能です。骨盤の矯正だけでなく、子宮の回復をサポートしてくれます。締め具合が簡単に調節できる腹巻きタイプと、巻きつけてホックや面ファスナーでとめるタイプがあります。
産褥サポーター
お腹周りをやさしく引き締める腹巻のようなソフトなサポーター。ニッパーとは異なり、主にお腹周りのふくらみを引き締める効果が期待できます。産後すぐから使えるものもあります。
骨盤ベルト
骨盤の位置を整え、安定させる役割があります。産褥ニッパーの次に、比較的早めにつけることが可能です。骨盤の矯正、腰や尾てい骨の痛みのケア、産後のお尻まわりやぽっこりお腹のケアに効果的です。
ウエストニッパー
下腹のたるみをケアし、ウエストのくびれを取り戻す手助けをしてくれるもの。産褥ニッパーよりも締めつけが強いので、体調が安定してきてから使うようにしましょう。
リフォームショーツ
骨盤を正しい位置に戻すサポートをしながら、お腹周りや太もも、お尻を引き締める効果があります。お腹やお尻回りをリフォームするものと、膝上から太ももまでカバーできるものもあります。夜の寝ている間につけておくものが多いのも特徴です。
ハードガードル
太ももからお尻までもきゅっと引き締め、お腹周りの膨らみのケアと、腰の痛みをサポートします。フックが3~4個ついていて調整できるものがほとんどで、触り心地は硬めです。
ソフトガードル
ハードガードルと同じく、ボディの引き締めや腰回りのサポートをしてくれますが、引き締め感はソフト。ショーツやニッパーより強制力が高く、日中、活動するときに着けても負担が少ないのが特徴です。
産後の補正下着のサイズは?
産後は妊娠前や妊娠中と体のサイズが変わります。緩すぎると効果はなく、きつすぎると体に悪影響となることもあるので、サイズの目安は知っておきましょう。
産後のシェイプアップを目的に補正下着を選ぼうとすると、補正力が強い下着が良さそうに思うかもしれませんが、体を締めつけすぎるとリンパの流れが悪くなり、冷えやむくみ、体調不良、肌の黒ずみなどのトラブルを招く恐れもあります。
補正下着を選ぶ基準として、妊娠前と比べて妊娠10ヶ月目にどれだけ体重が増えたかを目安にします。
● 体重の増加が8kg未満…妊娠前と同じサイズ
● 体重の増加が8kg以上…妊娠前のサイズよりワンサイズ上
● 体重の増加が11kg未満…妊娠前のサイズよりツーサイズ上
メーカーや商品によってもサイズが異なるため、店員さんに聞いたり、ネットで買う場合は口コミを参考にしたりして、過度に締め付けがきついものを選ばないように注意しましょう。
産後の補正下着はいつから必要?使い方は?
産後の体型戻しを始める時期は、早ければ早いほど効果があります。しかし、出産でダメージを負った母体はとてもデリケートなので無理は禁物です。体調をみながら徐々に引き締めていくようにしましょう。
ここでは、産後の時期別に補正下着の使い方の例をご紹介します。
産後すぐ~1週間目
● 昼:産褥ニッパー/骨盤ベルト※/産褥サポーター
● 夜:産褥サポーター/産褥ニッパー
※骨盤ベルトは使用時期が指定されているものがあるので、商品の使用注意をよく読んでから使ってください。
産褥ニッパーや産褥サポーターは骨盤を緩やかに引き締め、子宮の収縮を助けるため、「悪露が早く終わる」「体型が戻りやすくなる」「尿漏れが減る」など、母体の回復につながります。
この時期は寝ていることが多いので、簡単に着脱できて体に負荷がかからず、着け心地が優しいものを選びましょう。
産後1週間~2週間
● 昼:ウエストニッパー/リフォームショーツ
● 夜:リフォームショーツ/産褥サポーター/産褥ニッパー
自宅に戻り体調が落ち着いてくる時期です。日中はウエストニッパーやリフォームショーツを取り入れ、お腹まわりやヒップラインをケアしていきましょう。締めつけがきついと体に負荷をかけてしまうので、寝ていても苦しくないものを選ぶといいですね。
産後2週間~
● 昼:ハードガードル/ソフトガードル/ウエストニッパー
● 夜:リフォームショーツ/産褥サポーター/産褥ニッパー
産後2週間以降は本格的に体型リフォームに取り組んでいきます。ウエスト周りから太ももまでの気になるところを中心に、より引き締め力が強い、ハードなガードルやニッパーへと切り替えていきましょう。
ただし、少しでも苦しく感じる場合や体調がよくないときは、すぐにソフトタイプに戻して様子をみてください。
産後の補正下着をつけるときの注意点は?
産後の補正下着をつけるときの注意点は、無理をして早い時期から着けないことです。出産直後から使用できる補正下着もありますが、まずは着用の前に子宮の回復具合を確認することが必要です。
産後はまだ悪露が落ち着いていないので、あまり強く引き締める補正下着は好ましくありません。
産褥サポーターなどは、早くつけることで体の回復に効果が出ますが、出産当日は体を休ませることを優先し、翌日以降に助産師にどんな補正下着なら着用できるかどうか確認してみましょう。
また、帝王切開で出産した場合は、お腹の引き締め効果があるショーツは傷口が傷むこともあるため、医師に着用する時期を相談すると安心です。
産後の下着は体調に合わせて着用しよう
出産後の体型戻しは、産後6ヶ月頃までが特に効果的といわれています。産後の補正下着は、体の回復が順調であれば早くから使うこともできますが、無理に着用するとかえって体に悪影響を与えることもあります。焦らずに体調に合わせて使用を開始しましょう。
体がしっかりと回復したら、軽いストレッチなどの運動も少しずつ取り入れてみるのも効果的です。体力の回復にも繋がるので、疲れすぎない程度からはじめてみるといいですね。
出産後しばらくは、おむつ替えや授乳など育児に追われて忙しい日が続きますが、産後の体にあった下着をつけて健康的に過ごせるといいですね。