産後の骨盤矯正に効くストレッチ!自宅で寝ながらできる方法は?

監修専門家 マタニティ、婦人科系専門の施術家 湯川 優
湯川 優 累計6万件施術。妊産婦さんは年間3500件施術。柔道整復師(国家資格)取得後、大学院にて研究を行い、整形外科勤務を経て整体院開院。施術したアスリートが世界一や日本一に輝き、現在はマタニティを専門としな... 監修記事一覧へ

出産後に起きる体の不調は骨盤の歪みが影響していることが多いため、ストレッチなどで骨盤矯正を試みている人も多いのではないでしょうか。骨盤の歪みをそのままにしておくと体調を崩しやすくなるだけでなく、痩せにくいといった体型に関する悩みの原因になることも。そこで今回は、産後に骨盤矯正をする効果や、自宅で簡単にできる骨盤矯正を助けるストレッチ、ストレッチをするときの注意点についてご説明します。

産後に骨盤矯正が必要な理由は?

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妊娠中は「リラキシン」というホルモンが分泌されることによって、赤ちゃんが産道を通りやすいように骨盤の周りが緩められます。

その状態で、徐々に大きくなる子宮を支え続けていたり、分娩時に赤ちゃんが骨盤を通ってきたりするため、産後の骨盤はより大きく開いて歪みやすい状態になっています。

開いた骨盤は、産後3~4ヶ月かけて少しずつ縮みながら、ゆっくりと元の状態に戻ります。このとき、姿勢に気をつけず、ケアをしないまま放っておくと、骨盤が開いて歪んだ状態のまま固定されてしまうことも少なくありません。

骨盤が歪んでいると血の巡りが悪くなり、代謝が落ちて痩せにくい体になります。また、むくみや冷え、肩の凝り、腰の痛み、恥骨の痛みなどを併発しやすく、婦人科系のトラブルにつながることもあります。

産後の骨盤矯正に効果的なストレッチとは?

産後6ヶ月頃までは骨盤の開きを元に戻しやすく、脂肪も燃焼しやすい状態です。なので、このタイミングに、ストレッチなどで骨盤矯正をするのがおすすめです。あくまで子宮の回復を優先しながら、できる範囲で骨盤矯正を行いましょう。

ここでは、産後の骨盤矯正をサポートしてくれるストレッチの方法をご紹介します。立って行えるストレッチ、寝ながら行えるストレッチなど、様々なストレッチがあります。自分のやりやすいストレッチを選び、継続させていきましょう。

産後の骨盤矯正に効果的な立った姿勢で行うストレッチ

1. 骨盤回し

フラフープの要領で腰を回すだけの簡単ストレッチです。骨盤が歪んでいると腰がスムーズに回らないので、骨盤が歪んでいるかのチェックにもなります。腰痛防止にも効果的ですよ。

骨盤矯正 ストレッチ イラスト

  1. つま先はまっすぐ前に向けて、両足を肩幅に広げて立ち、腰に手をあてる。お尻の穴をぎゅっと締める
  2. 視線はまっすぐ前を向き、上半身は固定したまま時計回りに腰を回す
  3. 時計回りで30回行う
  4. 反時計回りで30回行う

産後の骨盤矯正に効果的な寝ながら行うストレッチ

2. ひざ寄せストレッチ

骨盤周りの筋肉バランスを整えるストレッチです。息を吐きながら行うと骨盤周りが緩みやすくなるので、動きに合わせてゆっくり深呼吸をしましょう。深呼吸はリラックス効果があり、寝る前にもおすすめです。

骨盤矯正 ストレッチ イラスト

  1. 仰向けに寝た状態で、息を吐きながら片方のひざを曲げて胸の方に引き寄せる
  2. 息を吐ききり、ひざが胸についたら息を吸いながらひざを元に戻す
  3. 反対側も同様に行う。交互に3〜5セット行う

3. 骨盤組み直しストレッチ

骨盤と連動している股関節を回して柔軟にし、骨盤の左右のバランスを整えます。ひざ寄せストレッチとセットで行うと、より高い効果が期待できます。

骨盤矯正 ストレッチ イラスト

  1. 仰向けに寝て両手をお腹の上に置き、お尻の穴をぎゅっと締める意識をする
  2. 両足を少し浮かせ、自転車を漕ぐように、片足を空中でゆっくり20回ほど回す
  3. 反対の足も同様に行う

4. 簡単骨盤ストレッチ

楽にできる方法なので、就寝前や赤ちゃんと一緒にお昼寝するときなどに行ってみましょう。
修正 簡単骨盤矯正ストレッチ

  1. 仰向けに寝て、片方の足を伸ばす
  2. 伸ばしていない方の足の膝を曲げ、足の裏を床につける
  3. 2の足を内側にパタンと倒し、5秒間キープする
  4. ゆっくり元の位置に戻す
  5. 1~4を左右交互に、3~5セット行う

5. 骨盤底筋ストレッチ(産後2ヶ月以降)

骨盤底筋を鍛えると、くしゃみなどによる尿漏れを予防することができます。産後は尿漏れが起きやすいので、気になっている人はぜひ試してみてください。

また、今は症状がなくても、加齢とともに骨盤底筋は弱くなりやすいもの。産後に限らず、ストレッチを習慣化するのがおすすめです。

骨盤矯正 ストレッチ イラスト

  1. 立った姿勢でひざにタオルやクッションをはさむ。お尻の穴をぎゅっと締める
  2. タオルやクッションを押しつぶすようにかかとをつけて、つま先を90度以上開く
  3. 5秒ほどかけて屈伸を行う
  4. 屈伸を30回繰り返す

※このストレッチは、産後2ヶ月以降に行うようにしてください。

産後に骨盤矯正のストレッチをするときの注意点は?

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骨盤矯正のストレッチは、産後すぐにはじめてもかまいません。ただ、産後1ヶ月は、悪露が出たり貧血気味だったりと、出産の影響が体に残っています。

また、慣れない育児で疲れている時期でもあるので、まずは体調や生活を整えることを優先してくださいね。

まだ動けないうちは、産後リフォームのための産褥ニッパーや骨盤ベルトを活用しましょう。緩やかな力で、子宮の回復や骨盤矯正をサポートしてくれます。

産後の腰痛や恥骨痛がひどいときは、産後すぐから骨盤矯正をしてもらえる整体もあります。産後ママの骨盤矯正を中心に行っている整体を探すと安心ですね。

産後の骨盤矯正ストレッチは生活に取り入れられるものから

赤ちゃんのお世話で忙しいこともあり、産後のストレッチは、好きなときにできるとは限りませんよね。

今回の記事では、赤ちゃんのお世話をしながらでも気軽に、短時間でできるストレッチをご紹介したので、生活に取り入れられるものから始めてみましょう。

今回ご紹介したストレッチは骨盤矯正によい影響を与えるものですが、効果を実感するまでには時間がかかります。また、妊娠中に運動らしい運動ができなかった人は筋肉痛になるかもしれません。

産後にストレッチをしたせいで体の負担が大きくなるのは本末転倒なので、無理のない範囲で行うようにしましょう。

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