妊娠初期の胃痛がひどい!つわりが原因?対策は?

監修専門家 看護師・助産師 岡 美雪
岡 美雪 看護師・助産師を免許を取得後、未熟児病棟、脳神経外科病棟、産科病棟で医療業務に従事。その後、医療現場での経験を活かして、青年海外協力隊の看護職としてアフリカに2年間駐在し、現地の医療技術向上に貢献。日... 監修記事一覧へ

妊娠初期の胃痛は、妊娠前から胃炎を抱えている人でなくても、誰にでも起きやすい症状です。胃の痛みのほか、下痢や便秘といった症状がでてくることもあります。今回は、妊娠初期の胃痛について、症状や対策、つわりとの関係などをまとめました。

妊娠初期に胃痛が起こる原因は?つわりと関係ある?

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妊娠初期症状として、胃痛を感じる妊婦さんは少なくありません。ホルモンバランスの変化や妊娠によるストレスによって胃痛の症状が見られることもあり、つわりの主な症状の一つです。

つわりは早い人だと妊娠検査薬で確認できる前の妊娠超初期から始まることもあるので、胃痛が妊娠の最初のサインになることもありえます。

妊娠初期の胃痛は、具体的には次のような原因から起こります。

胃腸の働きが弱まる

妊娠すると、体のホルモンバランスは大きく変化します。とりわけ胃痛に影響を与えているのは、プロゲステロンという黄体ホルモンです。

プロゲステロンは、子宮の収縮を和らげて、子宮が大きくなるのを助けるホルモンですが、これが胃腸に影響を与えて、働きを弱めることがわかっています(※1)。その結果、食べ物が通常より長く胃の中に停まるようになり、消化不良や胃もたれが起きやすくなります。

また妊娠中は下部食道括約筋の圧力が低くなることで、「逆流性食道炎」という、胃酸が逆流する症状が起こりやすくなります(※1)。

胃酸の調整機能が乱れる

胃は自律神経に大きく影響を受けます。自律神経は「交感神経」と「副交感神経」がシーソーのように揺れながらバランスをとっていますが、妊娠によるホルモンの変化やストレスが原因で、どちらか一方に振れやすくなります。

交感神経が優位になると胃液の分泌が低下し、胃もたれや消化不良を起こしやすくなり、反対に副交感神経が優位になると胃液が過剰(胃酸過多)になります。そのため、どちらにバランスが傾いても胃が荒れてしまい、胃痛や胸やけを起しやすくなるのです。

妊娠初期の胃痛にはどんな症状がある?

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妊娠初期の胃痛にも様々な症状があります。我慢できない痛みのときには、内科や産婦人科を受診しましょう。

胃が締めつけられる

胃をギューっと締めつけられるような痛みを感じて、身動きが取れなくなるほどに痛むこともあります。

キリキリ・チクチク痛む

自律神経のバランスが崩れると、胃にキリキリ・チクチクした痛みを感じます。妊娠超初期の着床後すぐの時期にチクチクした軽い痛みを感じて妊娠に気づいたという人も。

嘔吐しすぎて痛む

ひどいつわりの症状があると、1日に何度も吐いてしまうということもありますよね。胃酸が何度も胃から食道を通って吐き出されていると、食道が弱ったり胃自体が胃酸過多になったりして、胃の働きが鈍ることで痛みを感じることも多いようです。

食べると痛む

妊娠によってホルモンバランスが変化し、食欲がなくなる妊婦さんも少なくありません。そのため、空腹である時間が長くなり胃が荒れた状態になることも。そんな胃の状態で食事を摂ると、うまく消化できずに胃痛につながってしまいます。

妊娠初期の胃痛対策は?

夫婦 食事

妊娠初期の胃痛対策で大切なのは、胃腸に優しい食べ方や飲み方をすることです。具体的には次のようなことを試してみてくださいね。

よく噛んで、ゆっくりと食べる

噛むことで唾液の分泌がよくなり消化されやすくなります。よく噛んで食べることで満腹感も得ることができ、食べ過ぎを防げますよ。

食事は何回かに分けて少しずつ

一度に食べ過ぎると、胃酸が増えて胃痛や胸やけの原因になります。胃の負担を軽くするために、少量の食事を何回かに分けて食べましょう。

食事と飲み物は別々に

食事のときに水分を多く摂取すると、消化液が薄められるため、より消化が遅くなります。また、消化が終わる食後1時間後くらいに水分を多く摂ると、胃酸を薄め、胃酸過多による胃痛、胸やけを抑えることができますよ。

胃痛を和らげる効果がある食材を食べる

おすすめは、胃の粘膜を守るはたらきのあるヨーグルトや、消化を助ける栄養素が多く含まれているうえに、食物繊維が豊富で便秘を解消してくれるキャベツやリンゴ、胃酸の分泌を正常化してくれる梅干しです。

反対に避けた方がよい食材は、唐辛子や胡椒などの刺激物やカフェインなどで、胃を刺激して胃酸が出やすくなります。

食後30分~2時間は横にならない

体を横にすると胃酸が上がってきて、のどや食道が荒れて逆流性食道炎を起こすことがあります。できれば食後30分~2時間は横にならないようにしましょう。どうしても横になりたいときは、上体をいつもより高くすると食べ物や胃酸の逆流を防げますよ。

おなかを温める

腹巻をしたり、カイロをおなかにあてたりしておなかを温めましょう。温かい飲み物をゆっくり飲むのも効果的です。腹帯を活用するのもいいですね。

鍼灸やツボ押し

自律神経の乱れを整え、胃腸に良いといわれる鍼灸やツボ押しもあります。かかりつけの産婦人科の医師に許可をもらい、専門の鍼灸院に相談してみてください。

妊娠初期の胃痛が流産につながることは?

子宮 痛み 癒着

妊娠初期の段階で胃痛など、おなか周りが痛むと赤ちゃんのことが心配になりますよね。特に妊娠初期は流産の確率が高いこともあり、不安に思う妊婦さんも少なくありません。基本的にはつわりの一つの症状なので、胃痛が原因で流産につながることはありません。

ただし、胃よりも下の子宮近くに激しい痛みを感じたり、性器からの大量に出血し、それが鮮血の状態であれば、何か異変が起きている可能性もあるので、病院を受診してください。

妊娠初期に胃痛がひどいときは、産婦人科医に相談しよう

病院 相談 女性 医者

今回ご紹介したような対策方法を取り入れると、痛みを和らげることができます。しかし妊娠中は、つわりで食べられるものが少なくなったり、胃をいたわる食生活はなかなか難しいかもしれません。

どうしても胃痛が治まらない妊婦さんやほとんど食べることができない、食べても吐いてしまうという妊婦さんは、かかりつけの産婦人科医に相談してくださいね。妊娠に影響のない胃薬もあるので、無理せず胃痛を改善していきましょう。

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