妊娠初期は食欲が増す?減る?旺盛なとき・不振なときの対策は?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠初期は、ホルモンバランスの変化により、つわりに悩まされる妊婦さんがたくさんいます。胸がムカムカしたり、匂いに敏感になったり、人によって症状は様々で、食欲にも大きく影響します。また、妊娠超初期にも食欲が旺盛になったり、逆に食欲不振になったりという症状がみられることもあります。今回は妊娠初期の食欲について、食欲旺盛になった・食欲不振になったときの原因や対策をご紹介します。

妊娠初期の食欲はつわりが影響する?

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つわりは、妊娠初期に現れる代表的な生理現象で、妊婦さんの半数以上にみられます。主に吐き気や嘔吐などの消化器系の不快症状が現れますが、ほかにも次のような症状が多く起こります。

  • ● 体がだるい、眠い
  • ● 腰痛や頭痛、腹痛が起きる
  • ● 便秘、下痢になる
  • ● 味覚、嗅覚が変わる
  • ● 基礎体温が高く、微熱気味になる

妊娠初期は、このようなつわりの症状に影響されて、食欲不振になったり、反対に常に何かを食べていないと気持ち悪くて食欲旺盛になったりします。

妊娠初期に食欲が変化する原因は?

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妊娠初期は吐き気や嘔吐で気持ち悪くなり、何も食べられない妊婦さんが多いですが、全員が食欲不振になるわけではありません。

前述のように、常に何かを食べていないと吐き気を感じる人や、特定の食品だけを食べたくなる人など、食欲に関しても様々な症状が現れます。

つわり症状を引き起こす原因は、まだはっきりとは解明されていません。

妊娠すると分泌される「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンが増えて脳の嘔吐中枢が刺激されることにより、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が増加して胃腸の機能が低下するから、という説もあります。

妊娠超初期に食欲の変化で妊娠に気づくこともある?

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つわりを感じる時期は、早い妊婦さんだと妊娠5週頃です(※1)。つわりの症状が出る前の妊娠超初期(妊娠3~4週頃)に、食欲がいつもと違うと思って妊娠に気づいたという人もいます。

妊娠検査薬で判定をする前に、味覚が変わったり吐き気がして食欲不振になったりしたら、妊娠のサインかもしれません。

妊娠初期に食欲旺盛になる理由は?

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妊娠すると赤ちゃんの成長を促すために、体が脂肪を溜めこもうとして食欲が増します。そのため、普段よりも食欲旺盛になるのは自然なことです。

また、胃の中に何か入っていないと気持ちが悪くなり、絶えず何かを食べていないと気分がすぐれない「食べつわり」と呼ばれる症状が出る妊婦さんもいて、その場合も、食欲旺盛になるのはある程度仕方ないことと言えます。

妊娠初期に食欲旺盛なときの対策は?

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妊娠初期に食欲旺盛になることは、適度であれば問題ありません。しかし、妊娠中期、後期になってからも食欲にまかせて食べ続けると急激に体重が増加してしまうので、妊娠初期のころからきちんと食べる量や内容をコントロールして、食べ過ぎないように習慣づけておきたいですね。

以下で、妊娠初期に食べ過ぎないための対策をいくつかご紹介します。

少しずつ数回に分けて、よく噛んで食べる

一度にたくさん食べるのではなく少量を数回に分けて食べることで食欲を抑えることができます。また、よく噛んで食べることも食欲を抑える効果がありますよ。

野菜から食べる

野菜から食べるようにすると、食べる量を抑えることができます。妊娠中は便秘になりやすいので野菜をたくさん食べるようにするとその改善にも役立ちますね。豆腐など大豆類も積極的にとりましょう。

飴、ゼリー、グミなどを食べる

お腹が空いたときに、飴や小さいゼリー、グミなどを食べると食欲が落ち着きます。ノンシュガーやゼロカロリーのものを選ぶようにしましょう。

ゼリーはそのまま食べるより凍らせて食べると、より満足感がありますよ。つわり中でもさっぱりしていて食べやすいのでおすすめです。

趣味や仕事に集中する

趣味や仕事に没頭すると、一時的に食べたい欲求を抑えることができます。

食欲旺盛だからといって、食べる量を増やしてしまうと、その分体重となってかえってきます。体重が増え過ぎると、妊娠中期以降に妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などのトラブルの原因になったり、難産になったり、赤ちゃんやママの体に悪影響を及ぼしてしまいます。

上手に食欲をコントロールし、体重管理をしていきましょう。

妊娠初期に食欲不振になる原因は?

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妊娠初期に食欲がなくなる原因は、主につわりによる吐き気や嘔吐、胃痛です。症状も食欲不振でムカムカを感じる程度から、水も受け付けず日常生活に支障が出るほどひどい症状まで個人差があります。

早い人だと、妊娠超初期である妊娠4週頃から食欲不振になることもあり、一般的に妊娠8〜10週頃にピークを迎え、16週頃から徐々に落ち着いていくことが多いとされます。

また、つわりは1日の中で波があるケースも多く、朝起きたときや夕方といった特定の時間帯に気持ち悪さが特にひどく、そのときは食欲不振で何も口にできないという人もいます。

妊娠初期に食欲不振になったら、どうしたらいい?

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妊娠初期に食欲不振の状態でも赤ちゃんの成長には影響しないといわれているため、あまり心配する必要はありません。ただ、ママ自身の栄養失調や脱水症状には注意が必要なので、次のような対策をとっていきましょう。

無理をせず食べられるものだけでも食べる

食欲不振のときは何も食べる気が起こらず、無理をして食べても気持ち悪くなったり嘔吐してしまったりします。食べられるときに食べられるものを食べるようにしましょう。

つわりの間は食欲不振でも、○○なら食べたい、○○なら食べられるといったように、特定のものだけを食べたくなる妊婦さんも多くいます。

脱水症状を防ぐために、水やお茶など飲み物は意識的に飲むようにして、どうしても飲めないというときは、小さな氷を舐めるようにしましょう。

食べやすいものを食べる

例えば、うどんや茶碗蒸し、お茶漬け、一口大のおにぎりなど、さらっと食べられるものがおすすめです。それらも無理な場合は、ジュース、飴、ゼリーなどで糖分を摂取し、エネルギーを補給しましょう。

アイスクリームやシャーベットなど冷たいものは食べやすいですが、食べ過ぎるとお腹を壊したり、体が冷えたりしてしまうので注意してください。

「食欲不振でも炭酸水は飲みやすかった!」という体験談も多くあります。

仕事や趣味に集中する

食欲が旺盛になるときと同じですが、仕事や趣味に集中することで、食欲不振のときのムカムカや吐き気が抑えられます。何か食べられるものを口に入れたあと、没頭する時間をつくるのも一つの対策です。

無理して食べる必要はありませんが、水分はしっかり取って水分不足にならないように気をつけましょう。

妊娠初期からできるだけ食欲のコントロールをしよう

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妊娠初期は、体重管理にそれほど神経質になる必要はないので、つわりが落ち着いた頃から本格的に管理していくようにしましょう(※1)。

とはいえ、妊娠初期からの食べ過ぎで体重が増え過ぎるとその後、妊娠中期、後期の管理が大変になります。また、水分も受けつけないほど食欲不振の日が続くときは、妊娠悪阻で入院しなければいけない場合もあります。

あまりにも体重の増減が激しいときは、産婦人科を受診して医師の指示に従うようにしましょう。
妊娠初期から食欲をコントロールする習慣をつけて、これから続く妊娠生活を健康的に送っていけるといですね。

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