妊娠初期に現れるマイナートラブルの一つが「眠りつわり」。耳にしたことがない人もいると思いますが、妊娠初期にとにかく眠くなっていたら眠りつわりの可能性があります。
今回は眠りつわりとはどういうものか、妊娠初期に眠いときの対策についてもご説明します。
眠りつわりとは?どんな症状が現れる?
眠りつわり」とは、正式な医学用語ではありませんが、妊娠初期に起こることがある「寝ても寝ても一日中眠気が続く症状」のことをいいます。
眠りつわりでは、眠気に伴って「体がだるく感じる」「頭がボーっとして判断力がなくなる」「記憶力が低下する」などの症状も見られます。
日中、常に眠くてだるい程度の軽い症状の人もいれば、仕事や日常生活にも支障をきたすほど強烈な眠気に襲われる重い症状の人もいます。
妊娠初期に眠りつわりが起こる原因は?
妊娠初期の眠りつわりの原因は、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンが影響しているのではないかと考えられています。
妊娠すると「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンが分泌され、それがプロゲステロンの分泌も促します。
プロゲステロンには体温を上げ、眠気を促す作用もあるので、プロゲステロンが増える妊娠初期は人によっては「いつも眠い」という状態になります。
眠りつわりはいつまで続く?妊娠初期以降も続く?
眠りつわりは、胎盤ができあがり、プロゲステロンの分泌量が減少しはじめる妊娠12〜16週頃には落ち着くのが一般的と言われています。
しかし、いつまで続くかは個人差があり、妊娠16週を過ぎても続く人はいます。妊娠中は疲れやすくなっているので、妊娠中期や妊娠後期までずっと眠気やだるさが続くこともあります。
眠りつわりの対策は?
眠りつわりが出るととにかく眠くなります。根本的な解消法はないので、眠気と上手に付き合っていくしかありません。以下のような対策方法があるので、できることから実践してみましょう。
対策1. とにかく寝る
「眠い」のはすなわち「休息のサイン」です。寝ても寝ても眠いなら、昼でも夜でも関係なく思い切って寝続けてみましょう。休日はあまり予定を入れずに、ゆっくりと休んでくださいね。
仕事のある人は10分ほど仮眠をするだけでも眠気はやわらぐので、休憩をもらってゆっくりできる場所を探しましょう。
対策2. 体を動かす
眠いときには、軽く体を動かしてみましょう。妊娠初期はまだ体調も安定していないので無理は禁物ですが、朝の涼しいうちに散歩する、軽いストレッチで体を動かすなど、軽めの運動に取り組んでみるといいですよ。
外を歩いたり、近くにお出かけしたりすると気も紛れるので眠気が気にならなくなりますよ。
対策3. ガムを噛む
仕事中や運転中など、どうしても眠れないこともあります。そんなときはガムを噛むと眠気がやわらぎますよ。口を動かすのは眠気対策におすすめです。
ただ、妊娠中は虫歯になりやすいので、糖分の少ないキシリトールガムがおすすめです。
対策4. 誰かと一緒に過ごす
1人でいると眠気も強くなるので、できるだけ友達や家族と一緒にいて話をしましょう。声を出すと眠くなりにくいですよ。
対策5. 手や耳をマッサージする
手や耳には眠気を抑えるツボがあります。中指の爪の生え際あたりで親指側にある「中衝(ちゅうしょう)」というツボは気軽に押せます。
耳にもたくさんのツボがあるので上や下に引っ張ったり、もみこんだりするだけでもすっきりしますよ。
眠りつわりは周囲に理解してもらおう
眠りつわりの症状が重いと、外出中や家事をしているときにあまりの眠さで倒れこんでしまうことも。やらなければならないこともできないほど、眠気が強く出る人も多くいます。
事情を知らない人からは「怠けている」とあらぬ疑いをもたれてしまうこともあるので、周囲の人に仕方のない症状であることを伝えることも大切です。できる限りゆっくりと休んで、体調を最優先にしてくださいね。