帝王切開は痛いの?麻酔や抜糸、傷口の痛みはある?

帝王切開による出産件数は年々増えており、5人に1人は帝王切開での出産といわれます(※1)。帝王切開と聞くと、「陣痛を経験しないで済むから楽だ」「痛くないお産だ」などの偏見をもっている人も少なくありません。しかし、帝王切開は赤ちゃんや母体を守るために必要なお産の方法の一つで、自然分娩とは違った痛みが伴います。今回は帝王切開は痛いのか、麻酔や抜糸、術後の傷口の痛みなどについてご説明します。

そもそも帝王切開とは?

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帝王切開とは、さまざまな理由から経膣分娩ではリスクが高いと医師が判断した場合に選ばれる分娩方法です。逆子や微弱陣痛などが原因で、母体や胎児に悪影響があると判断されたときに選択されます。

帝王切開には、大きく分けて「予定帝王切開」と「緊急帝王切開」の2種類があります。手術の流れはほぼ同じですが、自然分娩が難しいとあらかじめわかっている場合に手術日を決めて実施されるのが予定帝王切開です。元々は自然分娩を予定していたものの、分娩前や分娩中に何らかのトラブルが起きたときに実施されるのが緊急帝王切開です。

帝王切開の流れは?痛いものなの?

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帝王切開は病院によって手順が異なりますが、おおまかな流れをご紹介します。

最初に剃毛・消毒をして準備をし、その後に下半身だけの局所麻酔か、場合によっては全身麻酔を行います。麻酔が効いたのを確認してから、お腹を切開します。切開後2〜3分ほどで赤ちゃんが生まれ、胎盤を取り出して子宮や周辺を洗浄。その後、傷口を溶ける糸で縫合したり、ホチキスのような医療用ステープラーと呼ばれる器具で傷口をふさいだりします。手術時間は合計1時間くらいで済みます。

麻酔が効いているので痛みはないと思われがちですが、手術前や手術中、手術後などそれぞれで痛いと感じるものもあります。以下で、帝王切開に伴う痛みを詳しく見ていきましょう。

帝王切開前の麻酔の痛みはある?

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帝王切開前の麻酔で、多少の痛みを伴います。下半身への局部麻酔は、腰のあたりにやや長い針を刺して薬を注入する必要があるからです。ただし、その痛みの感じ方は個人差があり、チクっと皮膚に針が刺さる程度の痛みだけで済んだという人もいれば、とても痛かったという人もいます。これは専門の麻酔科医がいるかどうかなど技術による差もあるようです。

麻酔を打つときの痛みに不安がある人は、局部麻酔の針を刺す前に皮膚麻酔をしてもらえる場合もあるので、かかりつけの医師に確認してみましょう。麻酔を打ってから5分もすれば効き始め、胸のあたりから下半身の感覚が鈍くなっていきます。

帝王切開の手術中にも痛みを感じる?

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局所麻酔をすると胸から足の先までの感覚がなくなるので、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。ただ、なかには赤ちゃんを子宮から取り出すときにお腹から引っ張り出される感覚があるという人もいます。また、体質によっては麻酔が効きにくい人もいて、切開時の痛みを感じるケースもあるようです。

麻酔が効いているか不安がある場合は、周囲のスタッフに相談しましょう。麻酔の効きが悪いと判断されれば、痛み止めや麻酔を増やすなどで対応してくれることもあります。

帝王切開後の抜糸の痛みはある?

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帝王切開後に、縫合した糸を抜く「抜糸」が必要になるケースがあります。溶ける糸を使っていれば抜糸の必要はありませんが、溶けない糸の場合は必要になります。縫い合わせていた糸を抜くと聞くと痛そうに思うかもしれませんが、ほとんど痛みはありません。少し引っ張られる感じがする程度です。

最近は溶ける糸を使って縫合することが多いので、抜糸に対して過度に不安を感じる必要はありませんよ。

帝王切開後の傷口の痛みはある?

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帝王切開後の傷口は、麻酔が切れた後に少しずつ痛みが出てきます。ジンジンするように痛く、熱が出ることもあります。また、赤ちゃんのいなくなった子宮を元の大きさに戻すために必要な子宮収縮、いわゆる後陣痛は帝王切開の場合にも起こります。そのため、産後しばらくは後陣痛の痛みを感じることになります。ただし、後陣痛については痛みが強いときには痛み止めを処方してもらえるので、担当の医師に相談してくださいね。

その後もしばらくの間は、お腹に力を入れることが難しく、思うように体を動かせなくなります。痛みが強いと体を動かすのが億劫になるかもしれませんが、産後はよく動いたほうが子宮の戻りも早いといわれているので、痛み止めを上手く使いながらできる範囲で体を動かして回復を早めていきましょう。


帝王切開の傷口は残るの?

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帝王切開の方法には「横に切る方法」と「縦に切る方法」の2通りあります。傷の治り方には個人差がありますが、一般的には横切りのほうが傷口が目立ちにくくなるといわれます。縦切りは視野を確保しやすいので赤ちゃんを取り出しやすく、手術時間が短くて済むメリットがある反面、傷口が目立ちやすいようです。

また、体質によりますが、傷口の皮膚がミミズ腫れのようにケロイド状に赤く盛り上がることもあります。予防のためのテープやクリームもあるので、傷口が気になるママは皮膚科に相談してみましょう。1年もすればほとんどの傷口は白っぽくなり、さらに年月が過ぎるごとに目立たなくなっていきますよ。

帝王切開は楽なお産ではない

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帝王切開のお産は楽だと思われがちですが、経膣分娩とは違った痛みや悩みが伴います。痛みの度合いや感じ方には個人差があるので、帝王切開について不安なことがあれば、かかりつけの産婦人科に相談するようにしましょう。どんな出産方法であっても大切な我が子を命がけで出産することに変わりはありません。

※1参考文献: 厚生労働省「平成22年度我が国の保健統計」

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