帝王切開で出産するとなると、「陣痛がなくても母親としての自覚は出るのかな」「産後に傷が開くことはないかな」など、いろいろと心配事が出てきますよね。また、「次の子はいつ妊娠できるのか」「二人目は経腟分娩できるのか」という疑問を持つ人も多いようです。今回は帝王切開後の次の子の妊娠・出産について、時期や分娩方法をご紹介します。
そもそも帝王切開とは?
帝王切開とは、出産時にお腹と子宮を切り開き、赤ちゃんを取り出す分娩方法です。一般的に、経腟分娩(腟から赤ちゃんを産む分娩)が難しいと判断された場合に行われます。
全分娩における帝王切開の割合は増加傾向にあり、厚生労働省のデータによると、1984年時点で10%以下だった「一般病院における帝王切開の割合」は、2008年には23.3%にまで上がっています(※1)。
帝王切開後の次の子の妊娠は?どう指導されるの?
帝王切開で出産し、次の子の妊娠を望む場合、「次の妊娠時期」や「次の子の分娩方法」について、医師から注意事項を指導されることがあります。
指導の内容は、母体の状態によって違います。病院や医師によっても方針が異なるため、不明なことがあるときは、医師に確認しましょう。
ここからは、帝王切開後の妊娠について、実際に指導されやすい内容をご紹介します。
帝王切開後の二人目の妊娠タイミングは?
出産後は子宮の回復期間を十分に取ることが必要で、これは経腟分娩に限らず、帝王切開の場合も同じです。
帝王切開では、お腹と子宮を切開し、その傷の部分が周りの子宮壁より薄くなるので、二人目以降の妊娠・出産時に子宮破裂を起こすリスクが高まります。二人目以降の妊娠に向けて子宮が回復するのを待つために、一般的に「次の妊娠まで最低1年は期間をあけるように」と言われることが多いようです。
上の子を母乳育児で育てていると、生理が再開するまで時間がかかることもありますが、生理が来なくても排卵をしている可能性はあります。次の妊娠を望まない時期であれば、万が一のことを考えて、常に避妊をすることが大切です。
「生理が再開していないし大丈夫かな」「授乳中は妊娠しにくいから避妊しなくてもいいか」と避妊せずに性行為に至ると、妊娠することがあるため注意してくださいね。
帝王切開後の中絶手術は子宮の傷を痛める危険性が高いといわれていて、産後すぐの予期しない妊娠に、不安や悩みを抱えるママも少なくありません。
帝王切開をしたら二人目の出産は経腟分娩できないの?
一般的に、一人目の子が帝王切開だった場合は子宮破裂などのリスクを考慮し、二人目も帝王切開での出産を勧められます。しかし、帝王切開をしたら次の出産時も必ず帝王切開になるというわけではありません。
二人目以降の分娩方法は、前回の帝王切開の経緯や術後の経過を元に決められます。次回の出産方法に経腟分娩を希望しているママは、医師に相談してみましょう。
帝王切開後の次の子はVBACでも大丈夫?
帝王切開で出産したママが、二人目以降に経腟分娩を選択することをVBAC(Vaginal Birth After Cesarean/ブイバック)といいます。しかし、VBACには子宮破裂のリスクがあります。
前述の通り、帝王切開をすると傷口部分の子宮壁が薄くなっているため、次の妊娠では、大きくなった子宮が収縮した際に破れてしまう危険があるのです。
この理由により、一般的には二人目以降も帝王切開を勧められます。「どうしても次は経腟分娩がしたい」という場合は、VBACに対応できる設備が整った病院と、VBACの経験がある医師のもとでの出産を選び、どんなリスクが伴うか事前にしっかり話し合っておきましょう。
帝王切開後の次の子の妊娠は医師に相談を
帝王切開か経腟分娩かに関わらず、次の子の妊娠を望むときは、いつ妊娠して、どのように出産するかを考えておくことが大切です。特に、帝王切開後の次の妊娠や出産には、ママの体調や時期によってリスクが伴うこともあるので、これから家族をどう築いていくのかについて、パパともぜひ話し合ってみてくださいね。
次の妊娠について分からないことや不安なことがあるときは、産婦人科の医師に相談してみましょう。
不安や疑問を解消して、次の子の出産に向けて前向きに進んでいけるといいですね。