妊娠中であることがひと目で分かるマタニティマーク。妊婦さんがバッグにつけているのを見たり、街中のポスターや電車の優先席で目にしたりして、妊娠前から意識をしていたという人も多いのではないでしょうか。でも、いざ自分が妊娠すると、マタニティマークをどうやって入手するのか、いつからつけるべきなのかなど、疑問に感じることもありますよね。今回はマタニティマークについて、配布場所や種類、つける時期についてご紹介します。
マタニティマークとは?目的は?
出典: www.mhlw.go.jp
マタニティマークとは、厚生労働省が推進する国民運動計画「健やか親子21」の一環で、「妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保」を目的として選定されたマークです(※1)。
妊娠初期は、まだお腹の膨らみがそれほど目立たず、外見からは妊婦と判断されにくいもの。そんな時期にマタニティマークを携帯することで、周囲の人たちに妊婦だと気づいてもらい、必要に応じて公共交通機関で席を譲ってもらったり、飲食店で優先的に禁煙席に案内してもったりすることができます。
また、外出先で急病に襲われたときでも、救急隊がいち早く妊婦だと気づき、適切に処置することができます。
マタニティマークのデザインは、公募で決まったもので、ピンクのハート型の中にママと赤ちゃんの絵が描かれています。
マタニティキーホルダーやマタニティストラップとも呼ぶの?
マタニティマークというと、妊婦さんのバッグにつけるイメージが強いですが、マーク自体は、電車・バスの優先席や車内ポスター、産院、役所といったあらゆる場所で使われています。
妊婦さんが身につけるタイプのものは、マタニティストラップやマタニティキーホルダーと呼んで区別することもあります。
マタニティマークはどこでもらえるの?配布場所は?

キーホルダーやストラップタイプのマタニティマークは、無料でもらえるものが多くあります。配布場所はいくつかあるので、受け取りやすい場所を選んでくださいね。
自治体の窓口
多くの自治体では、母子手帳交付時にマタニティマークを配布しています。妊娠届出書を役所の窓口に提出して母子手帳をもらうときに確認してみましょう。
駅の事務室
マタニティマークの趣旨に賛同した首都圏の鉄道事業者は、妊産婦とその家族などを対象にチェーンタイプのマタニティマークを無料で配布しています(※2)。
配布状況は駅によって異なるので、一度最寄り駅で確認してみましょう。一部の鉄道会社では、マークの悪用を防ぐために母子手帳の確認を求められることもあります。
空港のカウンター
JALやANAといった大手航空会社では、国内線を利用する妊婦を対象に、マタニティマークタグを配布しています(※3,4)。それぞれの航空会社のカウンターで配布されているので、チェックイン時に確認してみてくださいね。
航空会社のロゴや飛行機のイラストが描かれているので、良い記念にもなりますよ。
市販品を購入する
反射素材やハート型のものなど、自治体などから配布されるマタニティマークとは違う、オリジナルのマタニティマークも販売されています。チェーンやストラップの部分の素材も様々なので、使い方や好みによって選んでみてくださいね。
マタニティマークに種類はあるの?

マタニティマークは、厚生労働省が発表したデザインのものが一般的で、広く普及しています。しかしこのデザインは、営利を目的にしなければ、基本的には自由に使用することができるので(※5)、違うデザインのマークも配布・販売されていますよ。
なかでも、ミッキーやミニーがデザインされたディズニーのマタニティマークは人気があるようです。
また、妊婦さんに馴染みがあるキーホルダーやストラップタイプ以外にも、シールやバッジといったアイテムも配布・販売されています。
マタニティマークはいつからつけるの?

お腹の中の赤ちゃんとママの安全を守るために、妊娠がわかったらできるだけ早くマタニティマークをつけるようにしましょう。
お腹のふくらみが目立たない妊娠初期もマタニティマークをつけていれば妊婦さんだと気づいてもらえるので、電車やバスの車内が混雑して立っているのが危険なときに席を譲ってもらえることもあります。
また、つわりが辛い時期や体調が不安定なとき、外出先や電車・バスの中で具合が悪くなった場合にも、マタニティマークをつけていると安心ですね。
妊娠中期以降は、お腹の膨らみが目立ってきますが、コートやゆったりとした服を着ているときは、妊婦さんと気づかれないこともあります。また、後ろ姿からは妊婦さんだとわかりにくいものなので、妊娠中期や後期に入っても、マタニティマークをつけ続けていると安心ですよ。
マタニティマークをつけると危険なの?

厚生労働省がマタニティマークを発表してから約10年が経ちました。多くの妊婦さんがバッグにつけて活用している一方で、最近では、「マタニティマークをつけるのが不安」「マタニティマークはつけたくない」という妊婦さんの声も聞かれます。
背景としては、マタニティマークをつけていることで、「お腹を蹴られた」「にらまれた」「嫌味を言われた」といった噂がネットを中心に広まったことが考えられます。こういった噂が事実かどうかはわかりませんが、マタニティマークを見て快く思わない人もいるかもしれません。
たとえば、公共交通機関である電車やバスには、不妊で悩んでいる女性や、持病を抱えている人も乗っています。このような人たちにとってマタニティマークは、「妊婦だけを特別扱いしている」「妊婦だということを自慢している」といったように捉えられてしまうのかもしれませんね。
しかし、妊娠初期は赤ちゃんの成長においても母体にとっても大切な時期です。つけることをためらってしまうこともあるかもしれませんが、外出時はできるだけマタニティマークをつけることをおすすめします。
マタニティマークをつけるときの注意点や心得は?

マタニティマークをつけているからといって、「電車やバスで席を譲ってもらうのは当たり前」と考えてはいけません。
妊娠中に電車やバスに乗るときは、混雑している時間帯を避けたり、空いている車両を選んだりしと、まずは自分でできる工夫をしてみましょう。仕事を続けている妊婦さんは、勤務先に相談すれば通勤ラッシュを避けた時間帯に出社・退社できることもあります。
どうしても混んでいる電車やバスに乗らなくてはいけないときは、マタニティマークを目立つ場所につけ、席を譲ってもらえた際には、必ず相手に感謝の言葉を伝えてから座るようにしましょう。
電車やバスといった公共交通機関には、様々な人たちが乗車しています。妊娠している・していないに関わらず、周囲を思いやれる心を持てるといいですね。
また、そのときそのときの自分の体調をしっかり把握して、つわりやお腹の張りなどの症状があるときは無理をせず、電車やバスに乗らないという選択をすることも大切です。
「ちょっとくらい無理をしてもマタニティマークをつけているから周りの人が助けてくれるだろう」といった考えが危険を招くこともあるので、気をつけましょう。
マタニティマークをつけて安全な妊娠生活を送ろう
マタニティマークをもらうと、妊娠したんだなという実感がわき、赤ちゃんに会える日がより一層楽しみになりますよね。
お腹の膨らみが目立たない妊娠初期は、周囲の人から気づいてもらいにくいうえに、つわりで気分が悪くなることも多く、不安な気持ちになりやすい時期です。
そんな時期だからこそ、ママと赤ちゃんのお守りとしてマタニティマークを身につけて、安心・安全な妊娠生活を過ごしていけるといいですね。