妊婦のインフルエンザ!妊娠中のタミフルや予防接種は大丈夫?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年に山梨医科大学(現 山梨大学)医学部を卒業。板橋中央総合病院を経て、現在は沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターに勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救... 監修記事一覧へ

妊娠中は、お腹にいる赤ちゃんのことも考えると、体調を崩さないように気をつけたいもの。特に冬はインフルエンザが流行するので、自分や家族がかかってしまったらどうしよう…と心配な人も多いのではないでしょうか。今回は、妊婦さんがインフルエンザにかかったときの対処法や、胎児への影響、予防接種は受けていいのかなどについてご説明します。

妊婦はインフルエンザが重症化しやすいの?

注意

一般的に、インフルエンザウイルスに感染すると、38℃以上の発熱や頭痛、関節痛などの症状が見られますが、ほとんどの人は1~2週間ほどで自然に治ります。

しかし、妊婦さんは通常よりも体力や免疫力が下がっているため、インフルエンザにかかると重症化しやすく、肺炎などの合併症を引き起こすリスクが高まります(※1)。

日本産科婦人科学会のガイドラインや、世界保健機関(WHO)の発表によると、妊娠週数が進むにつれて、心肺機能の悪化など、重症化するリスクが高くなります(※1,2)。

次からは、妊娠中にインフルエンザにかからないための予防法や、万が一かかってしまった場合の治療法についてご説明していきます。

妊婦はインフルエンザの予防接種を受けられる?

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インフルエンザの重症化を予防する最も有効な方法は、インフルエンザワクチンの接種を受けることです。

しかし、「妊娠中に予防接種を受けてもいいの?」と不安になる人もいるかもしれませんね。結論からいうと、妊婦さんに対してもインフルエンザの予防接種が推奨されています(※1)。

感染症のワクチンには、病気の原因となる細菌やウイルスを生きたまま体内に注入する「生ワクチン」と、細菌やウイルスの毒性を完全になくし、免疫を作るのに必要な成分だけで作られた「不活化ワクチン」の2種類があります。

不活化ワクチンは、生ワクチンと違って病原性がないため、妊婦さんでも接種が可能です。インフルエンザワクチンもこの不活化ワクチンの一つであり、母体・胎児ともに悪影響を及ぼさないと考えられています(※1,3)。

卵アレルギーや鶏肉アレルギーがある妊婦さんは、ワクチンを受けることによって血圧が急激に下がるなどのアレルギー症状を起こす恐れがあるため、予防接種はおすすめできません(※2)。詳しくは、病院で医師に確認してみてください。

妊婦がインフルエンザの予防接種を受けるべき時期は?

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国立成育医療研究センターによると、日本で使用されるインフルエンザワクチンは、妊娠中のすべての時期において安全であるとされています(※4)。

インフルエンザの予防接種を受けたあと、効果が現れるまでに約2~3週間かかり、そのあと約3~4ヶ月間は感染を予防できます。

そのため、日本産科婦人科学会のガイドラインでは、妊娠週数を問わず、インフルエンザが流行する少し前の10~11月に予防接種を受けることを推奨しています(※1)。

ちなみに、妊娠中に予防接種を受けておくことで、生まれてくる赤ちゃんが生後6ヶ月までにインフルエンザにかかる確率が下がることがわかっています(※1)。

生後半年未満の乳児は、インフルエンザワクチンを打つことができないので、ママが予防接種を受けておくと、赤ちゃんの健康を守ることにつながります。

妊婦がインフルエンザにかかったら?タミフルは飲める?

インフルエンザ タミフル

妊婦さんがインフルエンザにかかった場合、妊娠していない患者さんと同様、「タミフル」や「リレンザ」などの治療薬を使うことが勧められています(※1)。

これらの薬には、インフルエンザウイルスの増殖を抑える効果があるため、それによって発熱する期間が1~2日ほど短くなり、重症化を予防することができます。

現在のところ、タミフルやリレンザを妊婦さんが服用したとしても、流産や先天異常が起きる頻度は、一般的な数字と変わらないとされています(※1,4)。

妊婦がインフルエンザにかかると、胎児への影響は?

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「妊娠初期にインフルエンザにかかると、胎児に神経管閉鎖障害や心奇形などを引き起こす」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。

ただし、これらの先天異常は、原因不明なことも多く、またインフルエンザウイルスによる直接的な影響というよりも、妊婦さんの高熱によるものではないか、という報告もあります(※1)。

妊娠中にインフルエンザにかかると、お腹の赤ちゃんへの影響が気になるところだとは思いますが、発症後に適切な治療を受ければ、奇形などのリスクは上昇しないという報告があります(※1)。まずは、1日でも早く治すことに専念してくださいね。

妊娠中はインフルエンザをしっかり予防しましょう

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前述のとおり、妊娠中のインフルエンザは重症化しやすいといわれているので、流行する前に予防接種を受けるようにしましょう。旦那さんや同居している家族も一緒にワクチン接種をすると安心です。

また、日常生活の中でも、栄養バランスの良い食事で体力をつける、うがいや手洗いをしっかりする、部屋の加湿に気をつけて乾燥させない、外出するときはマスクをつけるなど、ウイルス感染を防ぐための工夫をしましょう。

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