妊娠を待ち望んできた人にとって、妊娠検査薬で陽性反応が出るのはとても喜ばしいことです。しかし、いざ陽性反応が出ると、「いつ病院に行けばいいのかな?」と悩む人もいるかもしれません。今回は、妊娠検査薬で陽性反応が出た後、病院に行くタイミングはいつ頃かや、病院で検査を受ける時期などについてご説明します。
妊娠検査薬で陽性反応が出る仕組みは?
妊娠しているかどうかを調べるとき、多くの人は、まず市販の妊娠検査薬を使います。妊娠検査薬は、受精卵が着床して絨毛から分泌される「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンを検知して妊娠を判断します。
着床(妊娠)後、尿中・血液中のhCG濃度は徐々に増加していき、一般的には妊娠5週に入る頃に、妊娠検査薬が反応します。
hCGホルモンの分泌量が少ない妊娠超初期(妊娠0週0日〜4週6日)の段階では、妊娠していても陽性反応が出ない場合もあるので、正確な結果を得るために、妊娠検査薬は妊娠5週以降、つまり「生理予定日から1週間後以降」に使用しましょう。
妊娠検査薬の陽性反応後、病院に行くタイミングは?
生理予定日から1週間経っても生理が来ず、妊娠検査薬を使って陽性反応が出たら、できるだけ早く産婦人科を受診しましょう。
妊娠週数は、最後に生理が来た日を「妊娠0週0日」とカウントします。つまり、妊娠が成立している場合、生理予定日から1週間後は、およそ妊娠5週目にあたります。
この時期には、子宮内で赤ちゃんの元になる「胎芽」と呼ばれる細胞が形作られ、超音波検査(エコー検査)では胎芽を覆う「胎嚢」という袋を確認することができます。妊娠6週頃には、超音波検査で赤ちゃんの心拍を確認することができ、胎嚢と同じく病院での妊娠判定に用いられます。
ただし、着床時期には個人差があるため、妊娠7週以降に胎嚢や心拍確認できる人もいます。
そのため、妊娠検査薬で陽性反応が出てすぐ病院を受診しても、なかには数日空けて再度受診するようにいわれる人もいます。
妊娠検査薬を早く使って陽性が出たら?
妊娠を望んでいる人は、はやる気持ちを抑えきれず、生理予定日から1週間経つ前に妊娠検査薬を使ってしまうこともあるでしょう。これは俗称で、「フライング検査」と呼ばれています。
しかし、妊娠5週未満でhCG濃度が十分に増加していない時期にフライング検査をしても、妊娠検査薬の判定窓に現れる線が薄く、陽性かどうか判断がつかないこともあります。また、いわゆる「生化学的妊娠(化学流産)」の場合、妊娠が成立していないのに、一時的にhCGホルモンが分泌され、陽性反応を示してしまうことがあります。
このようなことから、妊娠検査薬をフライングで試して「陽性反応が出た」と思って病院に行っても、100%妊娠しているかどうかを判断することは難しく、再受診が必要になる可能性も十分にあります。
「早く妊娠を確かめたい」という気持ちは当然ですが、二度手間にならないためにも、生理予定日の1週間後に妊娠検査薬を使い、はっきりと陽性反応が出てから、産婦人科を受診することをおすすめします。
妊娠検査薬の陽性反応後、病院に行くタイミングは遅くてもいい?
生理予定日の1週間後に妊娠検査薬で陽性反応が出たら、妊娠している可能性が高いといえます。しかし、正常な妊娠以外のケースでも高いhCG値が出ることはあるので、陽性反応が出たからといって安心して放っておかず、早めに病院を受診してください。
例えば、発育した受精卵が子宮内膜以外の場所に着床してしまう「異所性妊娠(子宮外妊娠)」の可能性もあります。
異所性妊娠は放っておくと大量出血や感染症などを引き起こして命にかかわるケースもあり、病院での医療的な処置が必要です。
市販の妊娠検査薬だけでは子宮内の状態までは分からないので、病院へ行くタイミングは遅らせず、陽性反応が出たらすぐに病院を受診してくださいね。
妊娠検査薬で陽性が出たら早めに病院へ
妊娠検査薬の精度は向上しているので、適切なタイミングに使って陽性反応があれば、妊娠の可能性は高いといえます。
ただ、この段階では「体内のhCG分泌量が増えている」というだけで、お腹の赤ちゃんがどうなっているかまではわかりません。妊娠検査薬で陽性反応が出た後は、できるだけ早く産婦人科を受診しましょう。
フライング検査をすること自体に問題はありませんが、精度が高くないということは覚えておいてください。フライングで陰性が出ても、生理予定日を1週間過ぎて生理が来ない場合は、もう一度妊娠検査薬を試してくださいね。