【妊娠検査薬の本当に正しい使い方】誤診・失敗しないためのコツは?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

「もしかして妊娠したかも?」と思ったときに必要なのが「妊娠検査薬」。しかしいざ妊娠検査薬を使いたくても、日頃使っているものではないので、使い方がよくわからないという人も多いのではないでしょうか。使用方法を間違えると正しく判定できずに、慌ててしまうことも。今回は、妊娠検査薬の使い方や判定の見方、失敗しないコツについてご説明します。

妊娠検査薬とは?どんな仕組み?

妊娠検査薬 イメージ

妊娠検査薬は、妊娠すると体内で分泌されるhCG(human Chorionic Gonadotropin:ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)を検出して妊娠判定するための道具です。

hCGは尿から検出できるため、妊娠検査薬は尿を使って判定する仕組みになっています。

市販されている検査薬の種類で若干の違いはありますが、多くはhCG濃度が50mIU/mL以上に達していれば妊娠していることを示す「陽性」反応が現れ、妊娠していなければ反応が見られず「陰性」と判定されます。

妊娠検査薬はいつから使える?

スケジュール いつから カレンダー

薬局などで販売されている一般的な妊娠検査薬は、生理開始予定日の1週間後から使えます。

hCGの分泌量は着床したタイミングや受精卵の成長スピードによっても違ってきますが、生理開始予定日の1週間後には基本的に規定量に達していることから、この目安となっています。

これより前に検査することを「フライング」と呼びますが、正確性が下がるので注意してください。本当は妊娠しているのに、hCGの分泌が規定量に達しておらず、陰性反応が出る可能性もあります。

妊娠検査薬の正しい使い方は?

妊娠検査薬 使い方

妊娠検査薬の使い方は簡単。妊娠検査薬に尿をかけて待つだけです。

ただし正しく使わないと、事実と異なる結果が出てしまう可能性もあります。下記に一般的な手順をご紹介するので、取扱説明書と合わせて参考にしながら、検査を行ってみてくださいね。

1. 妊娠検査薬に尿をかける

健康診断の尿検査とは違い、妊娠検査薬はどんな時間帯の尿でも検査ができます。取扱説明書を読み、妊娠検査薬の該当部位に尿をかけてください。

妊娠検査薬の種類によって尿をかける秒数が異なるので、そちらも取扱説明書で確認しましょう。

2. 水平に置いて1分ほど待つ

正しく判定ができるように、尿をかけた妊娠検査薬は水平な場所に置きましょう。ガタガタしていたり、斜めになったりしている場所には置かないでくださいね。

衛生面を考えて、キャップがあれば装着しておくといいでしょう。判定は、だいたい1分ほどで出ます。

3. 検査薬の反応を見る

妊娠検査薬には、検査が終わったことを示す「終了窓」と、陰性・陽性の判定が出る「判定窓」があります。終了窓に印が出た段階で、判定窓をチェックしましょう

妊娠検査薬の判定の見方は?

妊娠検査薬 陽性反応 イメージ

妊娠検査薬の判定は、判定窓に線が現れるかどうかで行います。

上の写真はイメージですが、一般的には、判定窓にはっきりと棒状の線が現れたら陽性です。陰性の場合は何も現れません。

このとき、検査が終了したことを表す「終了窓」と「判定窓」を間違えないようにしてくださいね。

薄っすらと線が現れている程度だと陽性と確定するのは難しいので、数日後に再検査を行いましょう。

妊娠検査薬の使い方を失敗しないコツは?

スケジュール 手帳

妊娠しているのではないかと期待すると、つい気持ちがソワソワしますが、妊娠検査薬で失敗しないためには、検査時期を待って正しく利用することが大切です。

妊娠検査薬で失敗するケースのほとんどが、妊娠の判定可能時期より前にフライングで検査をしたケース。「陰性だと思ったら、結局生理が来なくて妊娠が判明した」という人も多いものです。

たとえ妊娠していても、hCGが基準値に達しなければ陽性反応は現れません。気持ちは焦りますが、使用上の注意をしっかり守って、正しいタイミングで検査してくださいね。

一般的な妊娠検査薬の使い方に当てはまらない商品も

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妊娠判定をするのに、生理開始予定日の1週間後まで待てないという人もいると思います。しかし妊娠検査薬を使う時期を早めると、前述のとおり正しく妊娠判定できない可能性が高まります。

そこで、早く妊娠判定をしたい人のために「早期妊娠検査薬」という妊娠検査薬があります。これは一般の妊娠検査薬よりもhCGの感度が高く、尿中のhCGが50mIU/mL以下でも陽性反応が現れるものです。妊娠していれば、生理予定日の3~4日前から陽性反応が出るとされています。

ただし、着床日や排卵日がずれていると、妊娠しているのに早期妊娠検査薬では陰性反応が出ることもあります。早期妊娠検査薬で陰性が出ても生理が遅れている場合には、生理開始予定日の1週間後に改めて、一般的な妊娠検査薬で検査を行ってください。

また、早期妊娠検査薬は日本ではあまり流通していない商品です。通販などで購入することはできるようですが、値段が高額になることもあるので、購入したい場合は注意してくださいね。

妊娠検査薬は正しい使い方を守ろう

妊活中のカップルは特に、早く妊娠を確認したいと焦ってしまうもの。しかし何度も言うように、焦りは禁物です。正しい使い方を守りましょう。

また、妊娠検査薬で陽性反応があれば、早めに産婦人科を受診してください。産婦人科で検査をし、子宮内に胎嚢が確認できた時点で、正式に「妊娠」の判定がされますよ。

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