赤ちゃんの目が見える時期はいつから?新生児の視力は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

生まれてすぐの赤ちゃんは視覚が未発達で「あまり見えていない」という話をよく聞きますよね。生後間もない赤ちゃんは一体どんな風に見えていて、いつ頃からはっきり見え始めるのでしょうか?今回は赤ちゃんの視力について、いつから目が見えるのか、月齢別の視力、視力が発達していくうえでの注意点をご説明します。

赤ちゃんの目が見える時期はいつから?新生児期は?

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新生児は「目が見えていない」といわれることがありますが、まったく見えていないわけではありません。生後間もない赤ちゃんもわずかですが目が見えていて、視力は0.01~0.02ほど。「まぶしい」「暗い」といった明暗を認識することができます。

この時期に認識できる色は、黒・白・グレーのみで、両目の焦点を定める能力が備わっていないことから、目的もなく眼球を動かしていることがほとんどです。

徐々に、1点を見つめる「固視」を始めて、ママやパパの髪の生え際あたりを注目することが多くなります。これは、黒い髪が新生児にとっては認識しやすいためだといわれています。

赤ちゃんの視力はどれくらい?いつからはっきり見えるようになる?

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赤ちゃんの視力は成長するにつれて発達し、少しずつ色々なものを認識できるようになります。前述の通り、新生児期は明暗だけを認識し、生後3~4ヶ月頃になると、はっきりと「何かを認識できる」ようになります。

ここでは、1歳までの赤ちゃんの視力や視覚がどのように発達していくのか、月齢別にご紹介します。

生後1・2ヶ月頃の赤ちゃんの視力

● 視力:0.01~0.02

目から20~50cmくらいのものをじっとみつめます。ママやパパの顔を近づけて、しっかり見せてあげましょう。

生後2ヶ月頃になると、徐々にものや色を認識できるようになっていきます。目の前でゆっくりおもちゃを動かすと目で追う「追視」のような動きをはじめます。

生後3〜5ヶ月頃の赤ちゃんの視力

● 視力:0.04~0.08

はっきりと「追視」をするようになります。生後3ヶ月頃から両目を連動させて焦点を定めるようになり、ママやパパの口元が笑っているかどうかを判別したり、人間の形をぼんやりと認識したりします。

生後4~5ヶ月頃になると、奥行きが少しずつ分かるようになり、目と手が連動して発達するようになります。

「赤」の色を認識しはじめ、そこから徐々に他の色が分かるようになっていきます。はっきりとした色や形のおもちゃは認識しやすいので、赤ちゃんの反応しやすいおもちゃでいっぱい遊んで刺激を与えてあげましょう。

生後6ヶ月頃の赤ちゃんの視力

● 視力:0.1くらい

奥行きや距離感がつかめるようになってきます。それまでは周囲の人を声や気配、においで判断しますが、顔を覚えてしっかりと区別をつけられるようになります。ママやパパと他の人の区別がつくので、人見知りがはじまる赤ちゃんもいます。

お座りができるようになると、寝ていた頃と景色も変わって視野が広がり、様々なものに興味を持ちはじめます。

1歳頃からの視力・視覚

● 視力:0.2~0.25

この時期になると、パンくずなど細かいものまで見えるようになります。上下左右や奥行など、空間を立体で把握できるようになることで、行動の幅も広がっていきますよ。また、ボディイメージ(自分の体がどう動いているかを把握する能力)もしっかりとついてきます。

1歳以降は視力が急速に発達し、3歳頃にかけて1.0ほどまで上がります。脳への刺激は視力の発達に良い影響を与えるので、子供の興味のあるものにたくさん触れさせてあげましょう。

赤ちゃんの視力の発達で気をつける点は?

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赤ちゃんの視力は3歳頃まで発達し続け、 6~7歳くらいで安定するといわれています。ここでは、成長過程で気をつけることや、成長中に気にしておきたい変化などについてご紹介します。

テレビやスマホの見せすぎに注意

赤ちゃんをあやすためだからといって、テレビやスマホ、DVDなどで長時間映像を見せることは控えましょう。

幼いうちからテレビやスマホ、ゲームのような近くを見ることが増え、遠くのものを見る機会が減ったことで、昔に比べて子供の視力が低下しているといわれています(※1)。

赤ちゃんの視力が大きくなったときに落ちないようにするためにも、テレビやスマホを見せる時間について、いまのうちからしっかりとルールを決めるようにしましょう。

見方がおかしいときは要注意

赤ちゃんの成長過程で、斜視や弱視といった目の病気になることもあります。

片方の目だけが目標物と違う方を向いていたり、光が黒目に入らなかったりするときは、斜視の可能性があります。1歳半頃にみられる場合は手術が必要になるケースも。

また、赤ちゃんがものを見るときに異常に近づいたり、片目を隠して目の前でおもちゃを見せたときに反応が違ったりする場合には、弱視の可能性があります。

いずれも乳児健診でチェックしてもらえるため早期発見されやすいですが、普段の生活で気になる点があれば相談してみましょう。

赤ちゃんの目がはっきり見えるようになるまで、ゆっくり見守ろう

赤ちゃんの目が少しずつ見えるようになると、親子のコミュニケーションもより楽しくなります。人の顔や景色をたくさん見せてあげることで、赤ちゃんの中の世界がどんどん広がり、感性や情緒にも良い影響を与えるので、赤ちゃんの成長に合わせて様々なものを見せてあげましょう。

視覚をはじめ、聴覚や触覚など五感を使って脳を刺激すると、赤ちゃんはどんどん成長していきます。赤ちゃんの目がはっきりと見えないうちでも、声やにおい、感触でママやパパを認識していくので、色々なものに触れさせて、たくさん話しかけてあげてくださいね。


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