生後2~3ヶ月の赤ちゃんを持つママは、赤ちゃんが目の前で自分の手を動かしながら、じっと眺めている姿を見たことがあるのではないでしょうか。これは、「ハンドリガード」と呼ばれる行動です。赤ちゃんは、ハンドリガードによって自分の手を動かす感覚を覚えていきます。今回は、赤ちゃんのハンドリガードについて、どんな意味があるのか、いつからいつまで行うのか、しない子はいるのかをご紹介します。
ハンドリガードとは?
ハンドリガードとは、赤ちゃんが自分の手を顔の前にかざして、じっと見つめる行動のことをいいます。リガード(regard)は、英語で「~をじっと見る」という意味です。
新生児の頃はほとんど目が見えていない赤ちゃんも、生後1ヶ月頃から周囲のものが少しずつ見えるようになってきます。
また、自分に手というものがあって自分の意思で動かせることを発見します。赤ちゃんが不思議そうな表情で手をじっと見つめたり、動かしたり、しゃぶったりしていたら、ハンドリガードが始まったサインかもしれません。
ハンドリガードは、目で見ることと手を動かす運動の関係性を自分で感じながら認識を深める行動とされています。視覚や触覚が発達してきた証拠なので、赤ちゃんの成長の一つとして記録に残しておきましょう。
手だけではなく、自分の足をじっと見つめる「フットリガード」をする赤ちゃんもいますよ。
ハンドリガードはいつからいつまでやるの?
ハンドリガードが始まるのは、生後2~3ヶ月頃が一般的です。それまでは、1日をほとんど寝て過ごしていた赤ちゃんも、この時期になると日中に起きている時間が少しずつ長くなります。
ベッドやマットの上で仰向けになっているときに、目の前に手をもってきて動かしたり、くわえてみたり、交差させたりして、ハンドリガードの反応をします。
ハンドリガードは一定期間続きますが、生後4ヶ月を過ぎた頃におさまってくることがほとんどです。
ただし、赤ちゃんの成長には個人差があるので、ハンドリガードを生後4ヶ月頃から始める赤ちゃんや、生後6ヶ月以降も続けている赤ちゃんもいます。ハンドリガードをなかなか始めなかったり、ずっと続けていたりしても、異常があるわけではないので心配しないでくださいね。
ハンドリガードで利き手がわかるの?
ハンドリガードでは、両手を同時に動かしたり見たりするだけでなく、片方の手をじっと見つめる、両手を交互に見つめるといった動きもみられます。片方の手ばかりでハンドリガードをしていると、その手が利き手なのではと考えるママもいますよね。
しかし、ハンドリガードをするほうの手が利き手かどうかについては、科学的な根拠はありません。利き手が決まるのは、ボールをつかんだり投げたりする行動が増える3~4歳を過ぎた頃なので、赤ちゃんがハンドリガードをする時期には、まだ利き手は決まっていないといわれています。
左右どちらの手でハンドリガードするかは、赤ちゃんの気分や向き癖にも影響されます。
ハンドリガードをしない赤ちゃんもいるの?成長に問題はない?
「うちの子はハンドリガードをしないみたいだけど…」と、不安に感じているママもいるかもしれませんね。しかし、ハンドリガードをしない赤ちゃんもいるので、あまり気にしすぎないようにしましょう。普段から、ものをつかんだり指をしゃぶったりといった行動が見られていれば、特に問題はありませんよ。
万が一、赤ちゃんの成長に問題があったとしたら、「ハンドリガードをしない」以外にもなんらかのサインが現れるはずです。心配な場合は、乳児健診や小児科に行ったときに、医師や保健師に聞いてみるといいでしょう。
赤ちゃんがハンドリガードをする期間は短いため、うっかり見逃してしまうこともあります。指しゃぶりや動くおもちゃを目で追うようになったら、そろそろハンドリガードを始める時期かもと思って、赤ちゃんの動きをよく観察してみてくださいね。
ハンドリガードは赤ちゃんの成長の証
ハンドリガードは、赤ちゃんが、自分の体を動かせることを知り、目に見えるものが増え、ものに興味を持つといった成長の証です。ハンドリガードをしている姿を見たときは、写真や動画におさめて記念に残しておけるといいですね。
赤ちゃんの成長のスピードには個人差があるので、ハンドリガードを始める時期が遅かったり、ハンドリガードをしなかったりしても、乳児健診で特に指摘されなければ問題はありません。
この時期の赤ちゃんの日々の成長を楽しみながら、しっかりと見守ってあげてくださいね。