【赤ちゃんのテレビ】いつから?テレビが近い影響と対策を知りたい!

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

赤ちゃんと家で過ごしていると、ママやパパが見たいからとテレビをつけたり、家事の最中に赤ちゃんをあやすためにテレビやDVDの動画、スマートフォンなどを見せたりすることがありますよね。同時に、赤ちゃんのうちからテレビを見せてもいいのか、心配に思うママやパパも少なくありあせん。そこで今回は、赤ちゃんにテレビを見せてもいいのはいつからなのか、近い位置から見る影響とその対策などをご紹介します。

赤ちゃんにテレビを見せてもいい?

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赤ちゃんがテレビを見たからといって、すぐに悪影響があるわけではありません。しかし、1日2時間以上の長時間に渡ってテレビを見続けることで子供の心身の発達に影響を与える可能性があります。

そのため、2004年に日本小児科医会が「子どもとメディアの問題に対する提言」の中で、テレビの視聴はできるだけ控えるように呼びかけています(※1)。

乳児期からテレビを長時間見続けていると、外遊びや人と関わる機会が減少し、運動不足やコミュニケーション力の低下がみられるといわれています。

特に象徴機能(目の前にないことを記号に置き換えたり、想像したりする機能)が未発達な2歳以下の乳児の場合、長時間テレビを見せることでママやパパと顔を見て接することが減り、自分で考えるプロセスが減少するため、思考・理解・記憶力に遅れが出るようです。

しかし、これはテレビの直接的な影響というよりも、テレビをつけっぱなしにすることでコミュニケーションの機会が減って起きる問題だと考えられます。

赤ちゃんにテレビを見せてもいいのはいつから?

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前述の通り、日本小児科医会の提言によると、「赤ちゃんのテレビは2歳まで控える」としています(※1)。しかし、2歳まで全くテレビを見ないでいるのは難しいですよね。

夕飯を作らなければならないときに限って、赤ちゃんの機嫌が悪くなってしまったりして、どうしてもテレビに頼ってしまいたくなることは誰にでもあると思います。

そんなときは、最低限のルールとして、2歳までは1日のテレビ視聴時間を1~2時間以内と決めて利用しましょう。2歳以降はこれより少し伸ばしてもいいですが、視聴時間は決めておくようにしたいですね。

必要がないときや用事が済んだ後はテレビを消して、それ以外の時間はしっかり話しかけるなどして、たっぷりと遊んであげると良いですね。

絵本を読んだり、いつもより多く語りかけたり、一緒に体を動かして遊ぶなど、コミュニケーションの機会を増やすようにしましょう。

赤ちゃんがテレビを近い位置で見ると、どんな影響があるの?

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赤ちゃんがハイハイやあんよができる時期になると、テレビに近づいて見ようとすることが増えてきます。

赤ちゃんがテレビに近づくのは、明るい方や動くものに興味・関心を持ちやすいことが原因の一つです。めまぐるしく変化するテレビ画面に引き寄せられたり、好きなキャラクターや乗り物が画面に映って嬉しくなったりして、テレビに近づいてしまうこともあります。

ただし、月齢が低い赤ちゃんほど視力が発達していないため、よく見ようとしてテレビに近づいているケースもあります。

至近距離でテレビを見たからといって、すぐに目の発達に大きな悪影響を与えることはないといわれています。しかし、光の刺激が強い映像を見たり、至近距離で1時間以上見続けたりしたときに、全く影響がないかどうかはよくわかっていません。

テレビに近すぎると、テレビの光による刺激が強まり、一時的に気分が悪くなってしまうこともあるようです。

いずれにせよ、視力とテレビの関係を研究したデータがないので、近い位置でテレビを見るのはできるだけ避けた方が安心です。

赤ちゃんをテレビに近づけない対策は?ガードするにはどうすればいい?

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赤ちゃんにテレビを見せるときは、できればテレビから2m以上離して見せるようにしたいですね。そのためには、まず、テレビをつけているときになるべくママ・パパの近くで一緒に見せるようにしましょう。

あるいは、必ずママ・パパの目の届く範囲に赤ちゃんがいるようにして、テレビに近づきそうになったら、すぐに止められる距離にいてあげることが大切です。

また、声かけをして、テレビに近づかない習慣を赤ちゃんに身につけさせるのもおすすめです。言葉が話せない時期でも、「テレビは離れて見ようね」と声をかけ続けていると、次第に理解していきますよ。

たとえば、テレビ専用のイスを作り、テレビから離れたところに置いて、「テレビを見るときはここに座るんだよ」と教えてあげてみてください。

また、テレビを近くで見てしまうのを防ぐだけでなく、赤ちゃんがテレビを触ったり揺らしたりして、転倒してしまうのを防ぐために、ベビーゲートを使用するのもおすすめです。

赤ちゃんにテレビを見せるときの注意点は?

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前述の通り、赤ちゃんにテレビを見せるときは、時間を決めるようにしましょう。つけっぱなしにしていると、赤ちゃん自身がテレビを見ていなくても、一方的に流れてくる映像・言葉などによって家族のコミュニケーションの妨げになることもあります。

おもちゃで遊んでいるとき、授乳中やミルクを飲んでいるとき、食事をしているときは、それぞれに集中させるため、テレビは消しましょう。特に食事中にテレビを見せるのは避けてください。家族と団欒しながら楽しい空気を作ることで、食事への興味や食育につながるからです。

「おいしい?」「お腹いっぱいになった?」など、食事中も目を見て会話をすると、赤ちゃんの嬉しそうな表情もわかってきますよ。

また、赤ちゃんはママを見ているのに、ママがテレビに夢中になっていることもありますよね。赤ちゃんだからわからないと思っていても、赤ちゃんは自分に関心がないのではと敏感に感じてしまい、寂しがってぐずってしまうことがあります。

できるだけ赤ちゃんとコミュニケーションを取るように、メリハリをつけてテレビを見せる意識をしてくださいね。

赤ちゃんとテレビを見るときは、コミュニケーションを重視しよう

赤ちゃんにテレビを見せることについては賛否両論あり、いまだ意見がわかれるところでもあります。どんな状況であっても見せない方が良いという考えがあるのも事実です。

赤ちゃんにテレビを見せるときは、ママやパパがテレビを見せることによる赤ちゃんへのメリット・デメリットを十分に理解し、夫婦で話し合って方針を決めていきましょう。

テレビを絶対に見せないと強い意志をもって取り組むママやパパもいますが、あまりルールを決めすぎるとかえって育児疲れになるかもしれません。テレビに頼り切りの育児が問題ということであって、きちんと子供に愛情を注いでいれば、必ずしもテレビが悪影響になるわけではありません。

ただし、テレビではなく、人とのコミュニケーションが子供の心身の発達には重要です。ときにはテレビではなく音楽を聞かせてあげるなどしながら、適度にテレビと付き合っていけると良いですね。

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