赤ちゃんの歯磨きはいつから?歯ブラシは必要?回数や時間は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

赤ちゃんの歯が生え始めると、ずいぶん成長したなと実感しますよね。一方で、「大切な歯が虫歯になってしまったら…」と不安を感じるママもいるのではないでしょうか。赤ちゃんの歯磨きをしたいけれど、まだ数本しか生えていないので、どのように磨いたらいいのか迷ってしまうことも。そこで今回は、赤ちゃんの歯磨きはいつから始めればいいのか、歯ブラシは必要なのか、磨くときのポイントなどについてご紹介します。

赤ちゃんの歯磨きはいつから?

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赤ちゃんの歯は、生後6~8ヶ月頃から生え始めることが多く、2~3歳で全ての乳歯が生え揃います。ただし、歯が生え始める時期には個人差があり、生後2ヶ月で生え始める子もいれば、生後9ヶ月を過ぎても生えてこない子もいます(※1)。

赤ちゃんの歯が生えてきたら、歯磨きを始めましょう。最初は歯ブラシは使わず、ガーゼや綿棒を使って歯を拭くことからスタートします。

ここでは、赤ちゃんの歯の生える時期別に歯磨きの方法をご紹介します。

生後6・7・8ヶ月頃の歯磨き

一般的に赤ちゃんの歯は、最初に下の前歯2本が生えてきますが、それが生後6〜8ヶ月頃です。

下の前歯は唾液によって自浄されるため、生え始めの時期は歯ブラシでゴシゴシと磨く必要はないでしょう。ガーゼで拭くくらいで問題ありません(※2)。

また、離乳食をスタートしていない時期であれば、食べカスも残りにくいので、歯磨きをしないとすぐに虫歯になるということもありません。

この時期は、歯をしっかり磨くというよりも、「歯磨きに慣れさせる」ことが大切です。口の中を他人に触られるのは、赤ちゃんも不快に感じるもの。

赤ちゃんを膝の上に仰向けに寝かせて、ママが口の中を見ることから始めましょう。その姿勢に慣れてきたら、清潔なガーゼや綿棒を口の中に入れて、1日に1~2回程度、歯を拭いてあげてください。

生後9・10・11ヶ月頃の歯磨き

下の前歯2本が生えると、次に上の前歯が生えてきます。個人差がありますが、それが生後9〜11ヶ月頃です。上の前歯が4本生え揃う頃を目安に、歯ブラシを使い始めるといいでしょう。

この時期になると、離乳食も進んでくるので、歯に食べカスが残りやすくなります。下の前歯に比べて上の前歯は唾液が届きにくく、ガーゼ磨きだけでは汚れが取れにくいことも、歯ブラシ磨きが必要になる理由の一つです。

歯ブラシを使うときは、いきなり磨くのではなく、まずは歯ブラシの感触に慣れされるようにしましょう。ヘッド部分は小さくて、毛先が丸く、やわらかいものがおすすめです(※2)。

1歳半を過ぎる頃には、自分で歯ブラシを握って口の中に入れられるようになりますが、生後9〜11ヶ月頃は、ママやパパの膝の上に寝かせて磨いてあげるようにしましょう。

赤ちゃんにも歯磨きが必要な理由は?

赤ちゃんの歯も、大人と同じように虫歯になります。乳歯が生え始めると、虫歯の原因となる「ミュータンス連鎖球菌」が常在菌として成育し始めます。ミュータンス連鎖球菌は糖分を利用して酸を作り、歯の表面にあるエナメル質を溶かします(※3)。

口の中に食べカスやミルクが残っていると、糖分(乳糖)を分解することによって、ミュータンス連鎖球菌が活発に働いて虫歯になりやすくなります。そのため、赤ちゃんのうちから歯磨きをして歯を守ってあげることが大切です。

赤ちゃんの歯磨きの回数や時間は?

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大人は食事のたびに歯を磨く人もいますが、赤ちゃんは1日に1〜2回の歯磨きでかまいません。離乳食がスタートする前は、1日1回でいいので、赤ちゃんの機嫌が良いときや、時間に余裕があるときにガーゼや綿棒で磨いてあげましょう。

離乳食が始まったら、できるだけ食後の歯磨きを習慣づけます。歯磨きができないときは、白湯を飲ませてあげると、口の中がすっきりしますよ。

最初は1本あたり5秒くらいかけて磨けば十分です。寝ている間は唾液の量が減って虫歯になりやすいので、寝る前の歯磨きを習慣づけることが大切です。

赤ちゃんが歯磨きを嫌がるときはどうしたらいいの?

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1歳頃までは、上唇の裏側から上前歯の歯茎へと伸びる上唇小帯が歯に近い場所に付着しているので、この部分を歯ブラシで磨くと、痛がったり出血したりして歯磨き嫌いになってしまうことも(※2)。歯ブラシが上唇小帯にあたらないように気をつけながら磨くようにしましょう。

歯磨きを嫌がるときは、無理強いをせず、楽しく歯磨きできるように根気強く促してあげてください。赤ちゃんの好きなキャラクターや絵柄が入った歯ブラシを使ったり、歯磨きが楽しくなるような絵本や動画を見せてから磨いてあげたりするのもいいですね。

何をしても歯磨きを嫌がる赤ちゃんには、歯科でキシリトールやフッ化物塗布の治療を受けることもできます。不安があれば一度歯科医に相談してみてくださいね。

赤ちゃんの歯磨きを習慣づけて歯を守ろう

赤ちゃんは、歯が生える時期も違えば、歯磨きを好きになるか嫌がるかもそれぞれです。

しかし、赤ちゃんの頃から歯磨きの習慣をつけておくことは、その後の虫歯予防にも大きく影響します。日頃から授乳のときなどに赤ちゃんの口の中をチェックしておき、歯磨きを始めるタイミングを考えてみてくださいね。

ママやパパの膝の上で歯磨きをすることは、親子のスキンシップにもつながります。歯磨きの後は、たくさん褒めてあげて、赤ちゃんが「歯磨きは楽しい」と思えるようになるといいですね。

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