妊娠中はカフェインを控えなくてはいけないと聞いて、日々の飲み物に悩む妊婦さんも多いのではないでしょうか。ほうじ茶や抹茶は、コーヒーや紅茶に比べてカフェインが少ないイメージが強いかもしれませんが、お茶の種類や使用する茶葉の量によってカフェイン含有量が異なるため、注意が必要です。
そこで今回は、ほうじ茶、抹茶、麦茶について、妊娠中に飲めるのか、カフェイン含有量、1日に飲んでもいい量、飲むときの注意点をご紹介します。
妊娠中にカフェインを控える理由は?どれくらい飲んでいいの?
「妊娠中、カフェインは控えるように」と聞くけれど、なぜ飲んではいけないかよくわからないという妊婦さんも多いですよね。
妊娠中にカフェインを摂り過ぎると、胎児の発育に影響が及ぶ可能性が指摘されています。そこで内閣府の食品安全委員会は、カフェイン摂取量をゼロにする必要はないものの、妊娠中はいつも以上にカフェインの摂り過ぎに気をつけるように注意喚起をしています(※1)。
カフェインが健康に及ぼす影響は個人差が大きいため、正確に評価することは難しく、日本ではカフェインを1日に摂取できる許容量が設定されていません。
ただ、世界保健機関(WHO)は、妊婦さんはコーヒーの摂取量を1日3〜4杯(カフェイン量として約300mg)までにするべきとしています(※2)。欧州食品安全機関(EFSA)は、カフェイン量として1日200mg以下であれば、赤ちゃんに健康リスクは生じないとしています(※2)。
国や機関によって許容量に違いがあり、妊娠中のカフェイン摂取はどこまでが安全でどこからが危険なのかがはっきりとしていませんが、摂り過ぎには注意をするに越したことはないでしょう。
妊娠中はほうじ茶を飲んでもいいの?
香ばしい香りで食事にもよくあう「ほうじ茶」。くせがないので、つわりや体調不良のときにも飲みやすい、と感じる妊婦さんも多いかもしれませんね。
ほうじ茶のカフェイン含有量は?
90℃のお湯650mLで茶葉15gを30秒ほど浸出させたほうじ茶100mLには、約20mgのカフェインが含まれています(※3)。
妊婦は1日にほうじ茶をどれくらい飲める?
前述のような方法で浸出したほうじ茶100mLあたりには、約20mgのカフェインが含まれています。ただし、浸出するときのお湯の量が少なかったり、浸出時間が長かったりすると、カフェイン含有量は多くなるので、1日1〜2杯にとどめておくと安心でしょう。
妊娠中は抹茶を飲んでもいいの?
そもそも抹茶とは、緑茶の一種である碾茶(甜茶)を挽いた粉末状のものです。お湯を加えて攪拌すると、茶道の場で飲むような飲料となります。また、お菓子作りなどにも用いられます。
抹茶のカフェイン含有量は?
抹茶の粉末には100gあたり、3,200mg(3.2g)のカフェインが含まれています(※3)。好みや作法によって違いはありますが、1杯の抹茶を立てる場合、70mlのお湯に対して約1.5gの抹茶を使用するため、カフェインは約48mg含まれているということになります。
妊婦は1日に抹茶をどれくらい飲める?
使用する抹茶の量が少しでも多いと、カフェイン量が多くなってしまいます。抹茶は1杯程度にとどめておくと安心です。また抹茶は煎茶に比べて苦味が強く、妊娠中の体調によっては刺激が大きいので、あまり飲みすぎないようにしましょう。
妊娠中は麦茶をどれくらい飲んでもいいの?注意点は?
麦茶はカフェインを含まないので、妊娠中も量を気にせず飲むことができます。食物繊維やミネラルが含まれているので、栄養補給にもなりますよ。
ただし、ハトムギを濃く抽出した「はと麦茶」だけで水分補給をするようなことは避けておくと安心です。ハトムギの種子から抽出したエキスには、子宮収縮を促進する可能性があるため、今のところ妊婦さんへの安全性がはっきりとしていません(※4)。
一般的な麦茶にハトムギが少量含まれるような場合は全く問題がないとされていますが、飲みすぎないように気をつけておくとよいでしょう(※5)。
また、麦茶を飲むときは冷えに注意してください。
妊娠中に体が冷えると、お腹が張りやすくなったり、むくみやすくなったりするので、麦茶であっても、できるだけ常温かホットにして飲むようにしましょう。
妊娠中に飲んでもいい飲み物を知っておこう
今回ご紹介したように、ほうじ茶や抹茶にはカフェインが含まれているので、飲み過ぎには注意しましょう。
麦茶はカフェインゼロでミネラルが豊富なので、冷えに気をつければ、妊娠中におすすめの飲み物ですよ。
麦茶のようなノンカフェインのお茶や妊娠中にも安心して飲めるハーブティーも取り入れながら、妊娠中もお茶を楽しんでくださいね。