赤ちゃんが生後5ヶ月を迎えると、生活リズムもだいぶ整い、少しずつ育児が楽になってきますよね。一方で、寝返りや手足の運動量が増えたり、離乳食の練習が始まったりするので、また新たなステップを迎えることになります。今回は、生後5ヶ月の赤ちゃんの体重や授乳間隔、育児のポイントをご紹介します。
生後5ヶ月の赤ちゃんの身長や体重は?
厚生労働省の示した成長曲線によると、生後5ヶ月の赤ちゃんの身長や体重は、身長60.1~70.4cm、体重5.74~9.20kgで、男女差や個人差があります(※1)。
発育曲線の枠はあくまでも目安なので、発育曲線の線にそって身長・体重が増えているかどうかが大切ですよ。
この時期になると、体重があまり増えないと感じることもあるかもしれません。体重が増えないのは、寝返りを始めたり手足を頻繁に動かすようになったりして運動量が増加したことや、母乳の分泌が減ったり遊び飲みが増えたりして、授乳回数が少なくなったことが要因として考えられます。
機嫌がよく、排便回数も十分であれば、特に心配する必要はありませんが、体重の変化には注視していきましょう。
生後5ヶ月の赤ちゃんの身長・体重(厚生労働省の調査による身体発育値より)
● 男児 身長:61.9~70.4cm 体重:6.10~9.20kg
● 女児 身長:60.1~68.7cm 体重:5.74~8.67kg
生後5ヶ月の赤ちゃんの体重が増えないときの対処法
● 授乳時に集中できるようにテレビや音楽などは消す
● いつもより長めに母乳を吸わせる
● ミルクを今より少し足す
● ママのストレスが原因で母乳が出ない場合は休養をとり母乳の分泌を促す
● 体重が急に減った場合は医師や保健師に相談をする
生後5ヶ月の成長や育児のポイントは?
生後5ヶ月の赤ちゃんは、ほとんど首がすわり、背骨もしっかりしてくるので、仰向けで寝たときに両手足を持ち上げる仕草がみられたり、寝返りが安定したりします。早い子だと、両脇を支えてお座りの姿勢がとれることもあるので、ベビーチェアを検討し始める時期です。
まだ色々な物を口に入れて舐めてしまうこともありますが、物に触れることで個体を識別する力が備わってきます。自我が芽生え始め、感情表現が豊かになると同時に人見知りが始まる子も出てきます。
生後5ヶ月の赤ちゃんの成長
● 両眼視ができるようになる
● 首や胸、腕に筋肉がついてくる
● 寝返りをし始める
● 足を持ち上げて触る
● 興味のあるものに手を伸ばしてつかむ
● 興味のあるものを触って口に入れる
● 笑ったり怒ったりなど感情表現が豊かになる
● 人見知りがはじまる
● 喃語の種類や頻度が増える
生後5ヶ月の育児のポイント
● 寝返りができて行動範囲が広がるので、床に家電のコードなど危険物がないか注意する
● ソファなどに寝かせた隙に寝返りをして落ちることがあるので、目を離さない
● 大人の食事に興味を示していれば、10倍粥を与えるなど、離乳食の準備を少しずつ始める
● 見慣れない人と会って急に泣き出したり、機嫌が悪くなったりしたときは、ママが優しく「大丈夫だよ」と声をかけてあげる
生後5ヶ月の赤ちゃんの授乳間隔や量は?
生後5ヶ月頃の赤ちゃんには、4時間ごとを目安に母乳やミルクをあげましょう。毎日決まった時間に与えることで、生活リズムも整っていきます。
母乳は好きなだけ飲ませ、ミルクだけの場合は、1回180~200mlほど与えましょう。
まとまった量を飲めるようになるので、授乳が短時間で終わることが増えてきます。また、夜は5~6時間寝続けることもあり、夜中の授乳回数も減っていきます。
ミルクや母乳以外の水分補給が気になる時期ですが、母乳やミルクで足りていれば無理に飲ませる必要はありません。お腹がいっぱいで喉が渇いてそうなときは、麦茶や湯冷ましを少量与えてみてもいいですね。
生後5ヶ月の赤ちゃんの離乳食の準備とは?
生後5ヶ月の赤ちゃんは、早い子だと離乳食を少しずつ始める子もいます。基本的には、生後5~6ヶ月頃に始めるのが目安なので、授乳や生活のリズムが整ってきたら始めてみましょう。
離乳食は進み具合に個人差があるので、嫌がったら無理強いせず、じっくり進めることが大切ですよ。
離乳食を始める目安と進め方
● 首・腰がきちんとすわっている
● 口にスプーンを入れても舌で押し出さなくなる
● 最初は1日1回の10倍粥を1週間続けてみる
● 新しい食材を与えるときは、赤ちゃんの様子が急変したときに迅速な対応ができるように午前中や小児科が開いている時間帯に行う
生後5ヶ月の赤ちゃんの遊びやおもちゃは?
生後5ヶ月頃の赤ちゃんは、物を識別する力が備わり、人や周囲への好奇心や探究心が増していきます。児童館や子育て広場などの公共施設に連れて行って、同世代の赤ちゃん同士で交流させたり、広い場所でのびのびさせたりすることも大きな刺激になりますよ。
この時期は体をねじるような動きから寝返りをするので、赤ちゃんの動きに合わせてくるんと寝返りさせるような運動を室内で行うのもおすすめです。ママの反応に合わせて声を上げて笑うことも増えます。
話しかけたり、くすぐったりして、積極的にコミュニケーションをとりましょう。
生後5ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間は?
生後5ヶ月頃の赤ちゃんの1日の睡眠時間はトータルで15時間程度です。夜にまとめて眠るようになり、1日の生活リズムができ始めます。
睡眠中は、脳や体の成長に影響を及ぼすといわれている「成長ホルモン」が集中的に分泌されるため、しっかり寝かせることが重要になります(※2)。
パパの帰りを待って寝るのが遅くなるという家庭もありますが、赤ちゃんの成長を第一に考えて十分な睡眠をとらせてあげてくださいね。
生後5ヶ月頃から夜泣きが始まるの?
生後5ヶ月頃は夜泣きが始まることが多く、1晩に2~3回泣くという赤ちゃんもいます。空腹、のどの渇き、おむつの汚れ、室温などをケアしても泣き止まないと、ママやパパは悩まされてしまいます。
夜泣きの対策としては、起床、就寝、お散歩、お風呂などを毎日同じ時間帯に行い、朝は太陽の光を浴びる、夜は部屋を暗くするといったように生活リズムを整えるのが効果的といわれています。
夜泣きは成長の一環であり、いつかはおさまるので、気長に付き合う気持ちでいられるといいですね。
生後5ヶ月の赤ちゃんが寝返りをし始めたら…
個人差はありますが、生後5ヶ月になると寝返りをし始め、体を自由に転がして動けるようになり、周囲に対する関心がますます高まってきます。
厚着をする冬は寝返りがしにくかったり、うつ伏せの姿勢を嫌がる赤ちゃんもいたりするので、なかなか始めないからといって焦らずに見守ってあげてください。薄着にしてあげると赤ちゃんの寝返りを手助けしてあげられることもありますよ。
寝返りを始めると、赤ちゃんが知らぬ間にうつ伏せで寝ていることがあります。うつ伏せの状態から仰向けに戻ることができず、窒息などの危険が伴うだけでなく、SIDS(乳児突然死症候群)を引き起こす危険性が高まるともいわれています。
日本では年間100名ほどの赤ちゃんがSIDSで亡くなっていて、乳児期の死亡原因としては第3位です(※3)。完全に予防できるわけではありませんが、寝返りを始めたら赤ちゃんの様子をこまめに観察することが大切です。
生後5ヶ月頃は赤ちゃんの安全に注意を払って
生後5ヶ月になると、行動範囲の広がりや、離乳食のスタートなどもあり、赤ちゃんからますます目が離せなくなります。家の中にいるときも、こまめに赤ちゃんの様子をみることが大切です。
児童館などでは、乳児向けのプログラムも行われています。ベビーマッサージやベビーヨガなど、ママと赤ちゃんの気分転換に参加してみるのもおすすめですよ。