生まれたての赤ちゃんにおっぱいをあげるとき、初めて育児をするママは戸惑ったり不安に感じたりすることばかりですよね。そのなかでも「授乳時間」について悩みを持つママはたくさんいます。新生児の授乳時間はどのくらいがベストなのでしょうか。今回は、特に赤ちゃんの授乳時間が長いと感じるときの原因と対策についてまとめました。
新生児の授乳時間はどれくらいにすればいいの?
新生児と呼ばれる生後1ヶ月くらいまでの授乳時間は、左右のおっぱいを合わせて1回20〜30分が適切だといわれています。1回の授乳時間がこれより短いと赤ちゃんがお腹いっぱいにならず、これより長いと赤ちゃんが吸いながら寝てしまってしっかりとした母乳の量を吸えていない場合があります。
また、母乳は赤ちゃんが吸いはじめるとまず薄い状態で出て、しばらくすると栄養価の高い濃い状態になり、そして徐々にまた薄い状態に戻っていきますが、このサイクルが20前後のため適切な授乳時間が最長20〜30分とも考えられています。
新生児の授乳時間が長い原因は?
新生児期の授乳時間は長くても20分ということでしたが、なかには1回の授乳で20分以上おっぱいをくわえ飲み続ける赤ちゃんもいます。その原因としては、以下のようなことが考えられます。
何か不快なことがある
新生児期の赤ちゃんはおっぱいを飲めて嬉しいなどの「快」や、おむつが濡れていて嫌だなどの「不快」という感情が強く出ます。そして不快感があると泣いて表現するのですが、ちょうど授乳のときに不快な状態が重なっていると母乳を飲むことで不快感を解消しようとするため、授乳時間が長くなりやすいといわれています。
まだ上手に飲めない
赤ちゃんは母乳がなくなるまで飲み続けるのではなく、満腹感を得られるまで飲み続けるという特徴があります。新生児はまだ吸う力もなく、上手におっぱいを飲むことができません。そのため吸っても上手く飲み込めずにこぼしてしまい、満腹感が得られず、時間が長くなってしまうと考えられます。また胃腸などの消化器官も未発達なので、吐き戻してしまうことも。
母乳の出が悪い
何らかの原因で乳腺が詰まってしまい、母乳の出が悪いことも考えられます。吸っても十分な量が出てこないため、なかなかお腹いっぱいになりません。
母乳が足りない
母乳の量が足りていないと、上記同様、満腹感が得られずいつまでも飲んでいるという状態になります。赤ちゃんの体重の増加が1日20g、1週間で150g、1ヶ月で500g未満であれば、母乳が足りていない可能性があります。
新生児の授乳時間が長いときの対策は?
授乳時間が長い原因を突き止めることができたら、原因に合わせてそれぞれの対策をとっていくようにしましょう。
赤ちゃんの不快感を取り除く
まずは赤ちゃんが母乳を飲むのに集中できるよう、不快に感じる要素をできるだけ除いてあげることが大切です。汗をかいていないか、寒そうにしていないか、おむつが濡れていないかなどを授乳前にチェックしましょう。赤ちゃんもすっきりした状態になると、だらだらと飲むようなことはせず、スムーズに母乳を飲んでくれるかもしれません。
搾乳をして事前に母乳量を調整する
母乳の出が良すぎて、一度にたくさん口の中に入ってきてうまく飲み込めずにこぼしてしまっているようなら、授乳前に少し搾乳をしてみましょう。また、吐き戻すようであれば、こまめにゲップをさせてあげるのも有効です。
食生活を変える
乳腺が詰まっていて、母乳の出が悪いようであれば母乳がドロドロの状態になっている可能性があります。美味しい母乳はサラサラの状態なので、母乳の質を改善する必要があります。油っぽい食事や甘いものを我慢し、野菜や和食中心の栄養バランスの良い食事を心がけ、水分もたくさん摂取しましょう。赤ちゃんのためだけでなく、ママの乳腺炎も予防してくれますよ。
母乳量が足りているかを確認する
赤ちゃんが上手に乳首をくわえられるよう乳首の状態をチェックしておきましょう。抱っこの角度をいろいろ試すのもひとつの方法です。母乳が不足しているようなら、食生活を変えたりおっぱいマッサージで乳腺をやわらかくして母乳量を増やしてあげるのも効果的。それでも母乳の出がよくならないのであれば、母乳外来を訪ねてみるのもおすすめです。プロのマッサージを受けると驚くほど母乳の出が良くなることもありますよ。
初産の場合は産後なかなか母乳が出ないお母さんは多いものです。慣れるまでは大変ですが、乳首を吸わせていれば徐々に母乳量は増えてくるようになり、授乳時間も短くなってきます。諦めずに続けてみてくださいね。なかなかうまくいかず、赤ちゃんの体重が増えない場合はかかりつけ医や助産師さんに相談をして、ミルクを足すことなどを検討しましょう。
授乳に時間がかかる原因は、他にも!
上記でご紹介した原因以外に、「ママのぬくもりに安心している」ために授乳時間が長くなっている場合もあります。ママのぬくもりに包まれながらお腹がいっぱいになっていくのは、赤ちゃんにとって気持ちのいい時間です。だからこそ、ついおっぱいをくわえたままでいたくなるのです。そう思うとより愛おしく感じますよね。
幼い時期に「安心」という感情をしっかり知っておくことは赤ちゃんが成長していく過程での情緒安定にとてもいい影響を与えます。ママの体力に問題がなければ、短い授乳期間を一緒に楽しむのもいいですね。
授乳時間が長くかかるのも赤ちゃんの個性の一つ
母乳育児についてはついナイーブになりがちですが、正解はありません。ママが授乳に慣れ、赤ちゃんも母乳を飲むのに慣れてくれば自然と適した授乳時間になっていくことも多いものです。赤ちゃんの体重が順調に増えていればあまり心配せず、のびのびとした母乳育児ライフを送りましょう。
赤ちゃんが母乳を飲んで満腹感を得る量には個人差があります。体力があり、よく母乳を飲む赤ちゃんならどうしても授乳時間が長くなりがちなので、それもひとつの個性だととらえてくださいね。
赤ちゃんのリズムをつかむために、育児日記帳などに授乳頻度や時間を記録しておくのもおすすめですよ。