赤ちゃんの授乳方法の一つに「縦抱き授乳」がありますが、首がまだすわっていない状態の新生児でもしていいのか迷いますよね。新生児の赤ちゃんに授乳するときは、まだ心地よく飲ませられる位置や赤ちゃんが飲みやすい位置が定まらず、試行錯誤するものです。今回は、縦抱き授乳のやり方や、新生児の首に影響はないのかをご紹介します。
縦抱きで授乳をしてもいいの?新生児の首に影響はない?
縦抱き授乳とは、座ったママの太ももあたりに新生児を向かい合わせで座らせて授乳する方法です。体の小さい新生児は横抱きだと高さの調節が難しい場合がありますが、縦抱きだと赤ちゃんの口の位置とママの乳首の位置を合わせやすくなります。
赤ちゃんは、最初は乳首を浅くくわえがちなので、新生児に授乳する場合は、縦抱き授乳が比較的楽な方法です。
横抱きでないと赤ちゃんの首が心配というママもいますが、しっかりと手で首元を固定しながら授乳することができるので、危険な方法ではありません。赤ちゃんに授乳するスタイルとして、取り入れているママはたくさんいますよ。
新生児を縦抱きで授乳する方法は?
ここでは、新生児の赤ちゃんに縦抱き授乳をするときのやり方やコツをご紹介します。首がすわっていない新生児を縦抱きで授乳するのは不安があるかもしれませんが、コツがわかれば難しいことではありません。
以下の手順でチャレンジしてみてくださいね。
縦抱き授乳の手順とコツ
1. ママの背中にクッションを当てて座り、リラックスした姿勢をとる
2. 赤ちゃんをママの太ももの上に向かい合わせに座らせる
3. 必要に応じて赤ちゃんのお尻の下にクッションを敷いて高さを調節する(赤ちゃんの口元が乳首よりも少し低い位置になると授乳しやすい)
4. 赤ちゃんの足はママの太ももを挟むように両側へ出す
5. 授乳するおっぱい側の手で赤ちゃんの後頭部を支える(赤ちゃんの両耳の付け根あたりにママの親指と中指を当て、手のひら全体で首〜肩を支えるとよい)
6. 授乳するおっぱいとは反対側の手でおっぱいを下から支える(このとき、乳輪部にママの指がかからないよう注意する)
7. 赤ちゃんのあごを少し上向きにさせた状態で乳輪部が隠れるくらい深くくわえさせる(赤ちゃんの顔を胸に押しつけすぎないよう注意する)
縦抱きで授乳をするメリットは?
新生児の赤ちゃんに縦抱き授乳すると、ママが楽なだけでなく、赤ちゃんにとってもいくつかメリットがあります。
縦抱き授乳をするのに迷っている場合は、以下を参考にしてみてくださいね。
母乳の飲み残しがなくなる
一つの飲み方だけをずっと続けていると、赤ちゃんにうまく吸ってもらえない箇所が出てきて、母乳が残りやすくなります。時折、縦抱きをすることで、そうした吸い残しの部分をカバーできるだけでなく、おっぱいの出も良くなります。
授乳が楽になるうえに、乳腺炎の予防にもつながるのです。
ママが楽な姿勢で授乳できる
赤ちゃんを自分の太ももの上に座らせておけるので、ママの腕や腰に負担がかかりません。授乳を始めたばかりのママがなりやすい、腰痛や腱鞘炎を防ぐこともできます。
特に抱っこのしすぎで腱鞘炎になるママは多いので、できるだけ腕を休める方法を取り入れましょう。
空気を吸い込みにくい
横抱きで授乳すると、乳首をくわえる角度によっては空気を一緒に吸いこみやすくなります。飲んだ後にげっぷが上手にできないと、吐き戻してしまうこともあります。
縦抱きの場合は空気を飲み込みにくい角度で乳首をくわえることができ、赤ちゃんも苦しくありません。
乳首が短いママでも楽
おっぱいを正面からくわえてもらえるので、乳首が短い、扁平、陥没といった形をしているママでも授乳しやすいスタイルです。
縦抱き以外の授乳のやり方は?
縦抱き授乳は、他の抱き方と組み合わせて行うことが大切です。縦抱きの授乳ばかりをしていると、吸い残しの部分が出て乳腺炎の原因にもなります。
母乳は色々な角度から飲ませる方が飲み残しが減るため、意識的に様々な姿勢で授乳するのがポイントですよ。
以下を参考に、縦抱き以外の方法も取り入れてみましょう。
横抱き
最も一般的な授乳スタイルです。授乳する側の腕を赤ちゃんの頭の下に差し入れてママの腕に赤ちゃんの頭を乗せ、ママの胸の高さに抱き寄せて授乳します。
ラグビー抱き(フットボール抱き)
ラグビーボールを脇に抱えるような姿勢で行う授乳方法です。授乳する側の脇の下に赤ちゃんの体がくるようにして、背中からお尻を支えながら授乳します。首がすわる前はクッションに乗せながらすると楽ですよ。
斜め抱き(交差横抱き)
授乳する側とは反対の腕で赤ちゃんの後頭部を支えながら体全体をママに引き寄せて授乳する方法です。まだ体重が軽い時期に、横抱きだけでは飲み残しがある部分を吸ってもらえます。
新生児も縦抱きで授乳しよう
はじめて母乳を飲ませるときは、ママも赤ちゃんも試行錯誤しながら少しずつ慣れていきます。赤ちゃんが飲みやすい方法、ママが飲ませやすい方法を色々と試しながら、他の飲ませ方と合わせて縦抱き授乳を取り入れていきましょう。
実際に縦抱きをやってみて縦抱き授乳がしっくりこないママは、無理にする必要はありませんよ。首がすわってからできるようになる場合もあるので、赤ちゃんもママ自身も無理なくできるよう、しばらく様子を見るようにしましょう。