ルーティング反射(探索反射)・捕捉反射とは赤ちゃんのどんな動き?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

赤ちゃんには「ルーティング反射(探索反射)」や「捕捉反射」といった反射が生まれつき備わっています。これらがあるからこそ、赤ちゃんは生まれた直後からでも母乳やミルクをしっかりと飲むことができるのです。そこで今回は、ルーティング反射(探索反射)や捕捉反射とはどのようなものなのか、そしていつ消えるのかなどについてご説明します。

ルーティング反射(探索反射)とは?

赤ちゃん ルーティング反射 23079843

赤ちゃんのくちびるやそのまわりに乳首などが触れると、顔をその方向に向けようとしますよね。試しにやってみるとわかりますが、乳首ではなく指で触れても同じような動きをします。

この動きのことを「ルーティング反射」といいます。赤ちゃんに生まれつき備わっている反射の一つで、別名「探索反射」、あるいは「乳探し反射」とも呼ばれます(※1)。

捕捉反射とは?

哺乳瓶 ミルク

ルーティング反射をみせた赤ちゃんは、そのまま乳首をくわえる動きをすることがよくあります。

これも反射の一つで、くちびるに乳首が触れると、くちびるを丸めて乳首をくわえようとする反射が赤ちゃんには生まれつき備わっているのです。これを「捕捉反射」、あるいは「口唇反射」といい、乳首ではなく指で触れても同じ動きをします。

ルーティング反射(探索反射)・捕捉反射がある理由は?

粉ミルク 選び方

赤ちゃんは生まれたときから母乳やミルクの飲み方を知っています。誰かに教わったわけでもないのに、どうして飲めるのか不思議に思いませんか?

実は赤ちゃんは、生まれてからしばらくの間は、自分の意思で母乳やミルクを飲んでいるわけではありません。ルーティング反射や捕捉反射などの複数の反射が組み合わさり、口に乳首が触れるとくちびるや舌、あごが一体となって動き、無意識のうちに母乳やミルクを飲んでいるのです。

つまり、ルーティング反射や捕捉反射は、赤ちゃんが生まれた直後からでもしっかりと栄養を摂取できるために存在しているのです。

なお、こうした赤ちゃんが母乳やミルクを飲むために存在している反射のことを「原始反射」、あるいは「哺乳反射」と呼びます。

ルーティング反射(探索反射)・捕捉反射はいつ消える?

時計 時間 はてな クエスチョン

ルーティング反射や捕捉反射は生まれつき備わっている反射ですが、一生備わり続けるわけではありません。

授乳期の赤ちゃんはよく指やタオル、おもちゃなどをなめたり、しゃぶったりします。こうした行動によって、口に触れた素材の形や硬さの違いなどを感じ取り、少しずつ感覚が養われていきます。

また、脳も発達していき、食べ物を飲み込む方法も自然と学んでいくので、ルーティング反射なども少しずつ弱まっていきます。

そして生後4〜6ヶ月ほど経つと、ルーティング反射や捕捉反射は消え、赤ちゃんは口を自分の意思で動かせるようになるのが一般的です。

なお、生後4~5ヶ月の赤ちゃんは一時的に母乳やミルクをうまく飲めなくなることがありますが、その原因の一つが、このルーティング反射や捕捉反射の消失です。

ただし、これらの反射が消える時期には個人差があるため、生後6ヶ月を過ぎても反射が残っているからといって心配しすぎる必要はありませんよ。

ルーティング反射(探索反射)・捕捉反射の有無は離乳の目安になる?

離乳食 コーンスープ

赤ちゃんに離乳食をあげはじめるタイミングがわからず、困っているママは多いかもしれませんね。

離乳食をあげはじめるタイミングは、ルーティング反射などの原始反射の有無が目安になります。

赤ちゃんの成長に伴ってルーティング反射などが弱まっていくと、眠いときは反射が現れ、起きているときには現れないといった様子をみせるようになります。この段階になり、さらに首がすわるなどの発達が確認できたら、離乳食を始めてもよいでしょう。

ルーティング反射(探索反射)・捕捉反射以外の原始反射は?

授乳 おっぱい 24440628_m

原始反射はルーティング反射や捕捉反射だけではありません。そこで、その他の原始反射について以下でご説明します。

吸啜反射

吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)は、口に入ってきた乳首などを舌で包み込むようにして吸う動きのことです。ルーティング反射や捕捉反射と同様に、生後4〜6ヶ月ほどすると消えてしまいます。

咬反射

咬反射(こうはんしゃ)も原始反射の一つです。赤ちゃんの口を開き、奥歯に相当する位置の歯茎周辺を指で触れると、上下の歯茎を閉じて指を挟み込みます。これが咬反射です。他の原始反射と同じく、生後4〜6ヶ月ほどで消えてしまいます。

ルーティング反射(探索反射)・捕捉反射の確認はほどほどに

ルーティング反射や捕捉反射は、赤ちゃんが成長するためには欠かせない反射です。そのため、これらの反射がちゃんとあるか、ついつい確かめたくなってしまうかもしれませんね。

赤ちゃんとのスキンシップを兼ねて、たまにくちびるなどを指で触れてみて確認する程度であればかまいませんが、あまり頻繁に確かめすぎると、赤ちゃんにとってストレスになってしまうかもしれません。ほどほどにしておきましょうね。

生後半年くらいまでの赤ちゃんに特有の反応として、ルーティング反射や捕捉反射が少しずつ弱まっていくのを見守っていきたいですね。

※参考文献を表示する

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