赤ちゃんが産まれてすぐ、突然前触れもなくビクッとすることがありますよね。この動きは「モロー反射」と呼ばれています。最初は見慣れず、びっくりしてしまうママやパパも多いのではないでしょうか?今回は、新生児の赤ちゃんに見られるモロー反射について、いつまで続くのか、モロー反射によって起きたり、泣いたりしてしまうときの対策や、反応が激しいときの状態などをご紹介します。
赤ちゃんのモロー反射とは?いつまで続く?
モロー反射とは、赤ちゃんが大きな音などの急な刺激に対して驚き、手足を大きくびくつかせ、何かに抱きつこうとする反射のことをいいます。オーストリアのエルンスト・モロー医師が発見した新生児特有の「原始反射」の一つといわれています。
赤ちゃんの顔を正面にして寝かせ、頭を支えて少し引き起こし、急に支えていた手を緩めると、赤ちゃんは誰かに抱きつき守ってもらおうと手を突っ張ります(※1)。本能的な反応なので、無意識のうちに行っているものです。
モロー反射は、赤ちゃんの神経が未発達な生後4ヶ月頃まで見られます(※1)。この反応がなくなる頃に、首すわりなど首の動きが可能になるといわれています。
神経の発達過程の一つともいわれており、何度も繰り返しビクッと反応する赤ちゃんもいれば、気づかない程度の反応の赤ちゃんもいます。
モロー反射で赤ちゃんが起きる・泣くときの対策は?
モロー反射は、赤ちゃんの意志とは関係なく反応するので、寝かしつけて布団に降ろしたときのわずかな刺激や、大人が気にしないような音でも反応してしまいます。それがきっかけで急に目を覚まし、大泣きしてしまうケースが多く、何度も繰り返すことに頭を悩ませるママも少なくありません。
モロー反射は、赤ちゃんがママから離れないように探している仕草ともいわれ、咄嗟に手を伸ばしてもママが見つからないことで泣いてしまうという説もあります。
そんなときは、お腹の中にいた頃のような、体を丸めた姿勢で優しく抱きしめてあげましょう。落ち着きを取り戻して、再び寝てくれることもあります。
また、頻繁にモロー反射を繰り返し、続けて眠ることができないときは、おくるみを使うのがおすすめですよ。慣れないときは、少し大きめのバスタオルか、専用のおくるみを使うと良いでしょう。
おくるみの巻き方例
1. おくるみの四角形の角を1ヶ所だけ内側に少し折りこみ、折り目部分に赤ちゃんの襟足がくるように乗せる
2. 赤ちゃんの両腕がアルファベットの「W」の形になるように、左側の布を右の脇の下に向けて巻きつけて挟みこむ
3. 足元に余った布を持ち上げて、胸元や首元に差し込む
4. 反対側も同様、右側の布を左に向けて巻きつけて完成
巻くときのコツ
おくるみを巻くときは、ゆる過ぎず、きつ過ぎない加減が大切です。ゆる過ぎても手足が動いておくるみが取れてしまいますし、きつ過ぎても赤ちゃんが苦しくなってしまいます。ママの手の平が隙間に入る程度で調節しましょう。
また、くるむときは、布が顔にかからないように注意してあげてくださいね。
赤ちゃんのモロー反射が激しいときも平気なもの?
モロー反射には個人差があり、手を伸ばしたまま声を出すなど、ママが少しびっくりするほどの反応を見せる赤ちゃんも少なくありません。
モロー反射が激しいと、よく点頭てんかんや低血糖、頭蓋内出血を疑うことがありますが、ママの手を掴めば治まったり、おくるみを巻いて落ち着いたりする場合はあまり心配がないといわれています。
普段の様子が変わりなければ、様子を見ましょう。心配な場合は、1ヶ月検診などのときに医師に聞いてみると良いかもしれません。
点頭てんかんの場合、足を伸ばして手を上にあげ、体を曲げるという特徴的な症状が出ます(※2)。思い当たる反応がある場合や、それ以外で普段と異なる反応があったり、抱っこをしても治まらなかったりする場合は、小児科に一度相談してみましょう。
また稀ですが、モロー反射がなさ過ぎる場合は、新生児黄疸のひとつである核黄疸や、まったくない場合は鎖骨骨折をしていることもあるといわれています。
普段の様子を見ていて、ママがストレスを感じるほど不安なことがある場合は、一度医師に診てもらい、気持ちをスッキリさせることも大切かもしれませんね。
モロー反射が気になるときはスワドルミー
モロー反射を防ぎ、胎内にいるような安心感をあたえてくれるおくるみ「スワドルミー」は、かわいいうえに実用的で、ママに人気のアイテムです。うつぶせ寝による乳幼児突然死症候群の予防にもつながるので、ぜひ活用してください。
新生児期のビクッとするモロー反射は生理的な反応
モロー反射は、人が備え持つ生理的な反応です。この時期しか見られない、新生児特有の可愛い反応でもあるので、特別気になることがない場合は、あまり深刻に考えないようにしましょう。
しかし、今しか見られないとはいえ、モロー反射を見るためにわざと大きな音をたてたり、故意に驚かせたりすることは、赤ちゃんのストレスになってしまいます。むやみに反応を楽しまず、気づいたときは手を握ってあげる、抱っこをするなどして、安心させてあげるようにしましょう。