自然流産とは?出血や痛みがあるの?防ぐ方法や原因は?

妊婦さんの意思とは関係なく、自然に起きてしまう流産を「自然流産」と呼びます。自然流産は妊婦さんであれば誰にでも起こる可能性があるため、不安に思っている人もいるかもしれませんね。そこで今回は、自然流産とはどのようなものなのか、出血や痛みがあるのか、自然流産を防ぐ方法や原因などについてご説明します。

自然流産とは?

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妊娠が22週未満で終わってしまった場合を「流産」といいますが、特に自然に起きた流産を「自然流産」と呼びます。(※1)。

一口に自然流産といっても、その種類は様々です。子宮内の胎児の状態や進行具合などによって次のような6種類に分けられます(※1)。

稽留流産

胎児が亡くなっているけれど、子宮内に留まっていて、母体に自覚症状がない状態の流産です。

進行流産

進流産が進行している状態のことを指します。

不全流産

流産が起きたけれど、胎児などが完全には排出されず、一部が子宮内に残っている状態です。

完全流産

流産の結果、胎児などが完全に体外に排出された状態のことをいいます。

切迫流産

切迫流産は流産ではなく、流産が起きる危険性のある状態のことです。

化学流産(生化学的妊娠)

妊娠検査薬は陽性を示したけれど、超音波検査で妊娠が確認できる時期(妊娠5週頃)よりも前に妊娠が中断してしまった場合を化学流産といいます。

化学流産は正式にいうと、流産ではありません。近年、妊娠検査薬の感度が上がったことにより認識されるようになりました。

自然流産が起きる確率は?

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自然流産は妊娠した女性の約15%で起きるとされていますが、その確率は妊娠週数や母体の年齢によって大きく異なります。

具体的には、妊娠5週~12週未満の間に自然流産が起きる確率は約13%です。一方、妊娠12週~22週未満の間に起きる確率は約2%となっています。

また、母体の年齢が上がるに連れて自然流産が起きる確率も高くなり、40歳以上の女性の流産率は25%にもなります(※1)。

自然流産の症状や兆候は?出血や痛みがある?

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自然流産の症状や兆候は、流産の種類や進行状態などによって異なりますが、主なものは下記のとおりです。

出血する

出血は自然流産の主な症状の一つで、子宮のなかのものが完全に体外に排出されるまで続くのが一般的です。

出血量は少しのときもあれば、大量に出るときもありますが、稽留流産の場合は出血しないことがあります。

また、流産が急速に進行した場合は、血の塊を伴って大量に出血を起こし、稀に妊婦さんが失神したり、ショック状態に陥ってしまうこともあります。一方で、流産がゆっくり進行する場合は、数週間にわたって出血することがあります(※2)。

痛みが出る

自然流産は、その兆候として痛みが出ることがあります。痛みが出るのは下腹部や腰などです。痛みの種類は様々で、緊張感といった程度のものから、けいれんを伴うような痛みまであります。

痛みはいずれも子宮の収縮によって起きており、急に流産が進行したときや、切迫流産から進行流産になるときに強くなります。また不全流産の場合は、下腹部痛や鈍痛が長引くことがあります。

妊娠を経験しているかどうかも痛みに関係しており、一般的に、初めて妊娠した女性は妊娠経験のある女性よりも痛みを強く訴える傾向にあります(※2)。

子宮口が開く

自然流産が起きると、子宮が収縮して子宮口が開きます。ただし、切迫流産の場合は子宮口は開きません。また、妊娠初期の自然流産も子宮口が開かないことがあります(※2)。

子宮の内容物が排出される

妊娠初期の自然流産で子宮口が開いた場合、胎児などが大量の血と一緒に体外へ排出されます。

一方、妊娠12週以降に起きる流産では、正常な分娩とほぼ同じような形で子宮の内容物が体外へ排出されます。その過程では、大量の出血や前期破水が起きたりすることがあります(※2)。

自然流産の原因は?

自然流産は妊娠週数によって起きる原因が異なります。

例えば、妊娠5週~12週未満の間に起きる自然流産の場合、その多くは胎児の染色体異常や多胎妊娠など、お腹の赤ちゃんがきっかけとなっています。

一方、妊娠12週から22週未満の間に起こる自然流産では、絨毛膜羊膜炎や頸管無力症といった母体側のトラブルによって起こることがほとんどです(※1)。

自然流産後は妊娠する確率が下がるの?

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自然流産のうち、稽留流産や進行流産、不完全流産などでは、治療のために「子宮内容除去術」という手術を行うことがあります。この手術では、子宮の内容物を掻き出したり、吸引したりするものですが、手術の最中やその後に感染症などにかかる可能性があります。

感染症にかかってしまった場合、後遺症として卵管閉塞や子宮内の癒着などが起きることがあり、その場合は妊娠しづらくなる可能性がゼロではありません(※1)。そのため、自然流産後は、場合によっては妊娠する確率が下がってしまうこともあるでしょう。

ただしそうしたことが起きないように、退院時に超音波で子宮内を検査したり、退院してから1週間後に再度検査を行ったりします(※2)。「流産したら今後絶対に妊娠しにくくなる」ということはありません。

自然流産を防ぐ方法はある?

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残念ながら、自然流産を完全に防ぐ方法はありません。ただし、自然流産はタバコを吸っていたり、カフェインやアルコールを摂取しすぎていたり、肥満だったりすると、起きやすくなることが知られています(※1)。

そのため、これらを避けることで、自然流産を起こりにくくすることはできるかもしれません。

例えば、妊娠中にタバコを吸わないようにするのはもちろん、タバコを吸っている人になるべく近づかないようにしてみるといいでしょう。また、コーヒーやお酒などを控えたり、体重をコントロールしたりすることも、自然流産を起こりにくくすることにつながるかもしれません。

自然流産のリスクを下げる生活をしましょう

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誰もが健康に出産を迎えたいと願っていると思いますが、妊婦さんの意思とは関係なく自然流産が起きてしまうことがあります。

自然流産を完全に防ぐことはできませんが、リスクを高める要因はわかっているので、妊娠中はそれらをできる限り遠ざけることで、自然流産が起こりにくくすることはできるでしょう。

お腹の赤ちゃんが健康に育ってくれるように、日々の生活に気をつけたいですね。

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