妊娠後期に入るとママのお腹はますます大きくなるため、動くのが大変になってきます。妊婦健診が頻繁に行われるようになり、超音波検査では赤ちゃんの成長を実感することができますよ。今回は、妊娠後期の超音波検査について、目的や時期、検査の内容をご紹介します。
妊娠中の超音波検査とは?
妊婦健診で行われる「超音波検査」は、エコー検査とも呼ばれ、超音波断層撮影装置を使って子宮のなかを観察します。
超音波とは、人の耳には聞こえない周波数の音のことです。柔らかいものや液体を透過させ、硬いものを反射させる性質を使って、胎児の姿を画像化します(※1)。
超音波検査には、プローブという検査器具を腟内に挿入する「経腟超音波検査」と、プローブをお腹の表面に当てる「経腹超音波検査」の2種類があり、胎児と胎児付属物(卵膜、胎盤、臍帯、羊水)が順調に育っているかを確認します。
基本的には、妊婦健診の際に医師やエコー技師によって行われますが、病院によっては、助産師外来で助産師が超音波検査をすることもあります。
妊娠後期の超音波検査ではどんなことをするの?
妊娠後期の超音波検査の方法は、妊娠中期と変わりません。内診台または診察用ベッドにあおむけになった状態でお腹にゼリーをつけ、プローブを使って経腹超音波検査が行われます。
超音波検査自体はお腹の外から行うため痛みはありません。
妊娠後期の超音波検査では、胎児の大きさのほか、羊水の量もチェックし、分娩の時期を考えます。たとえば、羊水の量が少なかったり(羊水過少)、胎児が大きい(巨大児)ことがわかったりすると、誘発分娩や帝王切開でお産を進めることもあります。
また、妊娠後期の後半頃からは、超音波検査や内診とは別に、ノンストレステスト(NST)が行われることもあります。ノンストレステストとは、ストレスがない状況で、赤ちゃんや胎盤の状態をチェックし、変化がないかを調べる検査です。
妊娠後期の超音波検査の目的は?
妊娠後期に超音波検査が行われる時期や回数は、母体や胎児の状態、病院や産院の方針によって異なります。健診のたびに行うところもあります。
妊娠後期の超音波検査では、主に下記の項目を調べます。
● 胎児の発育状態
● 胎児の向き
● 胎盤の位置、羊水の量、臍帯の確認
● 胎動の観察
● 胎児の血流の計測
妊娠後期の超音波検査で見られる赤ちゃんの様子は?
妊娠後期になると、一度の超音波撮影ではモニターに入りきらないほど、赤ちゃんの体は成長しています。
個人差はありますが、妊娠9ヶ月の終わりには、胎児の大きさは440〜470mm、体重は2,000gを超えます。
特に妊娠9ヶ月を過ぎると赤ちゃんの向きによっては見えにくくなるため、もし3Dエコーや4Dエコーでの赤ちゃんの様子を見たい場合は、早めに受けることをおすすめします。
超音波検査は妊娠後期までしっかり受けよう
妊娠後期に入ると、超音波検査で赤ちゃんの姿を見られるのもあと数回になります。エコー写真におさめられた表情から、我が子の顔を想像するとワクワクしますよね。
妊娠初期からのエコー写真は、データ化してアルバムやフォトブックにまとめておくと、赤ちゃんが大きくなったときに見せてあげられますよ。
赤ちゃんに会える日を楽しみに、残り少ないマタニティライフを健康に過ごしてくださいね。