妊娠すると、毎日の食事内容に気を使うようになると思います。なかでも「魚介類」には慎重になるのではないでしょうか?水銀が多く含まれる「マグロ」は、注意したい食材としてよく知られていますが、ほかの魚介類は食べても大丈夫なのかと心配になりますよね。そこで今回は、魚介類のなかの「海老」は、妊婦さんが食べてもいいのか、食べるときにはどんなことに注意したらいいのかをご説明します。
妊婦は海老を食べてもいい?
結論から言うと、海老は、火が通ったものかつ、適量であれば、妊娠中に食べても問題ありません。
海老にも、妊娠中の大量摂取で胎児に影響を与える可能性がある「水銀」が含まれてはいますが、それほど多くありません。
厚生労働省からも、海老は妊娠中に控える必要がある魚介類ではないと発表されています(※1)。
魚介類は本来、良質なたんぱく質や、血流をよくしてくれるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)を多く含んでいて、健康な体づくりに欠かせない食材です。
海老のなかでも一般的なブラックタイガーには、100gあたり、DHAが21mg、EPAが17mg含まれています(※2)。
毎日の食事に、バランス良く取り入れたいですね。
妊娠中は海老をどのくらい食べていいの?
厚生労働省が発表している「妊産婦のための食事バランスガイド」によると、妊娠中の魚料理の摂取目安は、1日1~3皿(1皿80g程度)とされています(※3)。
海老を食べるときは、他の魚介類とのバランスを考慮して、この目安量におさまる範囲を心がけるといいでしょう。
主菜には、魚介類ばかりを食べるのではなく、肉や大豆、卵料理などを、バランス良く食べることも大切です。
また、海老に対してアレルギーを持っている妊婦さんが海老を食べてしまうと、母体と胎児に悪影響を与えかねません。海老アレルギーの人は、他の魚介類を食べるようにしましょう。
妊婦が海老を食べるときの注意点は?
妊娠中も海老を食べていいとはいっても、刺身やお寿司などの生の海老は避けたほうがいいでしょう。
海老には、加熱すると死滅する「リステリア」という菌が生息している場合があります。この菌が体内に入ると、「リステリア症」に感染する恐れがあります。
リステリアは、健康的な大人であればそこまで気にする必要がない細菌です。リステリア症に感染することも、ほとんどありません。
しかし妊婦さんは、少量のリステリアでもリステリア症に感染する可能性があります。
リステリア症に感染すると、敗血症や髄膜炎など重篤な状態になるほか、流産や、生まれてきた赤ちゃんに影響がでる可能性もあります。
生の海老を食べたからといって、必ずリステリア症になるというわけではありませんが、注意するに越したことはないでしょう。
また、生の海老を食べてしまい、リステリア症へに感染していないか不安であれば、病院で検査を受けてください。
妊娠中の海老は過度に心配しないで
妊娠中は、ママが食べたものがお腹の赤ちゃんの栄養となるので、どうしても注意深くなってしまうものですよね。しかしあまりに気にしすぎて食事が楽しめなくなると、ストレスがたまって逆によくありません。
妊娠中でも、よほど偏った食事をしたり、大量に食べ過ぎたりしなければ、悪影響を与えることはそんなに多くありません。特に海老は、生で食べさえしなければ安心なので、過度に心配せず、妊娠中の食事を楽しむようにしてくださいね。