子どもが風邪などで咳が続いていると、少しでも楽にしてあげたいですよね。そんなときは、昔から民間療法として使われているパイナップルを試してみるのもいいかもしれません。
今回は、パイナップルには咳止めの効果があるのかや、食べるときのポイント、子どもにおすすめのレシピなどをご紹介します。
パイナップルは咳止めに効果があるの?
パイナップルの咳止めの効果には、実は科学的根拠はありません。
パイナップルの果実などに含まれる「ブロメライン」という酵素が喉の炎症や咳に効果があるのではないかとされていますが、明確な研究報告がないのが現状です(※1)。また、医薬品として使われているブロメラインにも、咳止めの効果はありません。
ただ、実際に子どもにパイナップルを食べさせたり、ジュースにして飲ませたりすると、咳が落ち着いたという体験談はよく耳にします。
これは、パイナップルが持つ以下のような特徴が理由かもしれません。
● 免疫力向上や疲労回復に効果がある栄養素が豊富に含まれている(※2)
● ほどよい酸味があり、風邪を引いているときでも食べたり飲んだりしやすい
● 喉をうるおしてくれる
薬を飲むほどでもないときや、薬を飲んでいても咳が出ているときには、パイナップルを試してみるのもいいかもしれませんね。
パイナップルの食べ方のポイントは?
咳が出たり風邪を引いたりして民間療法としてパイナップルを摂取するときは、栄養素や風味を活かすためにも、加熱せずに生で食べるのがおすすめです。
ジュースで飲む場合は、生のパイナップルをそのままミキサーなどにかけたフレッシュジュースがいいでしょう。冷凍庫に常備しておくと、体調が悪くても解凍するだけで手軽に食べられますよ。
ただし、パイナップルは舌がピリピリしたり、食べ過ぎるとお腹がゆるくなったりすることもあります。特に体調が悪いときにはこれらの症状がでやすくなるので注意が必要です。少しずつ食べるようにして、体調に変化がないか確認してくださいね。
1歳未満の子どもや、パイナップルをまだ食べたことがないという子どもには食べさせないようにしましょう。
パイナップルジュースで咳止め!おすすめのレシピは?
咳以外の発熱などの症状があるときは小児科を受診する必要がありますが、軽度の咳の場合はパイナップルジュースを作って様子をみるのも一つの方法です。
甘味が強くて喉ごしが良いので、子どももきっと喜んで飲んでくれますよ。体調に変化がないか様子を見ながら、こまめに飲ませてあげてくださいね。
パイナップルジュース
材料(1回に作りやすい量)
- 1. パイナップルは適当な大きさに切る
- 2. レモンは搾っておく
- 3. 1と2をブレンダーやミキサーに入れてかき混ぜ、はちみつを加えて混ぜ合わせる
- 注意
・ パイナップルでアレルギー症状が出ることもあるため、1歳未満の赤ちゃんや食べたことがない子どもには与えないようにしましょう。
・はちみつは、1歳を過ぎるまで与えないでください(※3)。1歳未満の赤ちゃんがはちみつを摂取すると、はちみつに含まれるボツリヌス菌によって乳児ボツリヌス症となり、命を落とす恐れがあります。
レモンやはちみつにも炎症を抑える効果が期待できます。大人が飲む場合は、生姜を加えてもいいでしょう。
妊娠中や授乳中で薬に頼りたくないというときにも、ぜひ試してみてくださいね。
パイナップル以外の咳止めの方法は?
「パイナップルを食べると口の中がチクチクするから苦手」という子どももいます。そんなときは、ほかの食べ物やホームケアを試してみましょう。
たとえば、先ほどのレシピでもご紹介したレモンやはちみつのほか、大根や玉ねぎにも抗菌・消炎作用があるといわれています。
小さく切った大根をはちみつに漬ける「はちみつ大根」は、昔から咳や喉の痛みを和らげるための民間療法として使われてきました。甘くて飲みやすいので、小さな子どもにおすすめですよ。
大根や玉ねぎを使ったポタージュや味噌汁なども、体が温まるのでいいですね。
また、空気が乾燥していたり汚れていたりすると、咳が出やすくなるので、部屋の中を清潔に保ち、加湿器などで湿度を調節することも大切です。
こまめな水分補給も忘れないようにしてくださいね。
パイナップルによる咳止めは民間療法の一つ
なかなか咳が止まらないときは、ただの風邪ではなく気管支炎や小児喘息の可能性もあります。数日間にわたって「ゴホゴホ」と湿った咳が続くときや、息を吸いこんだときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音がするときは、小児科を受診してください。
パイナップルを調理するのは少し大変ですが、ひと手間かけてあげることで、子どものつらい咳や喉の痛みがやわらぐといいですね。