風邪などで咳が止まらない状態が続くと、苦しくて辛いですよね。咳はつらいけど薬に頼るのも抵抗がある…そんなときの食事療法として、パイナップルが注目されています。咳を止めたいときに生のパイナップルを食べたり、ジュースにして飲んだりする人もいますよ。パイナップルは、なぜ咳止めに効果的なのでしょうか?今回は、パイナップルの咳止め効果や食べ方のポイント、子供におすすめのレシピなどをご紹介します。
パイナップルは咳止めになぜ効果があるの?

パイナップルには、たんぱく質を分解する働きを持つ「ブロメライン」という酵素が含まれています。これまでの様々な研究により、ブロメラインには炎症を鎮める消炎効果があることがわかっています(※1)。
そのため、パイナップルを食べることで喉の炎症や痛み、イガイガした違和感が緩和され、痰が切れやすくなります。その結果、しつこい咳が落ち着くと考えられています(※1)。
最近の研究では、ブロメラインには気管支炎などアレルギー性の呼吸器疾患を改善する作用があることもわかり、喘息などの治療効果も期待されています(※2)。
またパイナップルには、ビタミンB1やベータカロテン、ビタミンC、カリウム、マンガンなどの栄養素が含まれているため、免疫力を高め、疲労を回復したりする効果もあります(※3)。
咳を止めたいとき、パイナップルの食べ方のポイントは?

パイナップルに含まれる咳止めに有効な成分「ブロメライン」は、60℃以上で活性を失ってしまいます。
そのため、咳止めでパイナップルを摂取するときには、加熱せずにそのまま生で食べるか、フレッシュジュースにして飲むのが効果的です。
パイナップルジュースを飲む場合は、濃縮還元など加熱処理されたものではなく、加熱されていないストレートタイプを選ぶようにしましょう。咳がよく出るという人は、ストレートタイプのパイナップルジュースをまとめて購入しておいても良いですね。
なお、缶詰のパイナップルは加熱処理済みなので、咳を止める効果は期待できません。
パイナップルで咳止め!おすすめのレシピは?
子供の咳が出るのは、気道内の異物を外に出すための防御反応なので、それを無理に止めようとするのは本質的な対処とはいえません。しかし子供が咳こんで辛そうにしていると、少しでも楽にしてあげたいと思うのが親心。
そんなときは、咳止めとしてパイナップルジュースを作ってあげましょう。甘味が強くて喉ごしが良いので、きっと喜んで飲んでくれますよ。また、妊娠中や授乳中のママにもおすすめです。
ここでは、そんなパイナップルジュースの作り方をご紹介します。
パイナップルジュース

材料(1食分)
- 1. パイナップルは適当な大きさに切る
- 2. レモンは搾っておく
- 3. 1と2をブレンダーやミキサーに入れてかき混ぜ、はちみつを加えて混ぜ合わせる
- <注意> 乳幼児がはちみつを摂取すると、はちみつに含まれるボツリヌス菌によって死に至る恐れがあります。また、パイナップルはアレルギーの心配もあるので、1歳未満の赤ちゃんにはあげないようにしましょう。
レモンやはちみつにも炎症を抑える効果があります。子供が嫌がらないようであれば、生姜を加えるとさらに効果的です。
咳や喉の痛みを和らげたいときには、上記のパイナップルジュースを1日2~3回に分けてこまめに飲むのがおすすめです。
パイナップル以外の咳止めの方法は?

「パイナップルを食べると口の中がチクチクするから苦手」という子供も多いので、そんなときはほかの食べ物やホームケアを試してみてくださいね。
たとえば、先ほどのレシピでもご紹介したレモンやはちみつのほか、大根や玉ねぎにも抗菌・消炎作用があります。
また、空気が乾燥していたり汚れていたりすると、咳が出やすくなるので、部屋の中を清潔に保ち、加湿器などで湿度を調節することも大切です。
こまめに水分補給させたり、外出するときは子供にマスクをつけさせたりすることも心がけてましょう。
咳止めには生のパイナップルが効果的

パイナップルによる咳止めは、昔からある民間療法の一つです。咳を止めたいときには、生のパイナップルをそのまま食べるか、ミキサーにかけてフレッシュジュースを作って食べるのがおすすめです。
パイナップルを調理するのは少し大変ですが、ママがひと手間かけてあげることで、子供のつらい咳や喉の痛みがやわらぐといいですね。
パイナップルを試してもなかなか子供の咳が止まらないときは、ただの風邪ではなく気管支炎や小児喘息の可能性もあります。数日間にわたって「ゴホゴホ」と湿った咳が続くときや、息を吸いこんだときに「ヒューヒュー」「ゼロゼロ」という音がするときは、小児科を受診しましょう。