小児てんかんとは?子供にどんな症状が出る?薬で治療できる?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

「脳の慢性疾患」とも呼ばれ、意識障害やけいれんを繰り返し起こす「てんかん」。子供にてんかんらしき症状が現れると、どう対処すればいいのか戸惑ってしまうかもしれません。治療法についても分からないことが多く、不安に感じることもあるでしょう。今回は子供の小児てんかんについて、原因や症状、診断方法、治療法、薬などをご紹介します。

小児てんかんとは?

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小児てんかんとは、子供が意識障害やけいれんを繰り返すという「体質」です。脳の神経細胞(ニューロン)が、過剰に活動することで起こると考えられています。

発熱後に起こる「熱性けいれん」と現れる症状は似ていますが、熱性けいれんは生涯で1度きりしか起きないことが多い一方で、小児てんかんは発熱がなくてもけいれんを繰り返す特徴を持っています(※1)。

小児てんかんの種類によっても異なりますが、生まれてから3年以内と学童期に発症することが多く、90%は20歳までに発症します。また、小児てんかんは100~150人に1人の割合で発症しています(※2)。

小児てんかんに子供がなる原因は?

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てんかんの原因はさまざまあり、脳腫瘍や脳の外傷、脳炎、髄膜炎、新生児仮死、染色体異常など明らかな原因があって起こるものを「症候性てんかん」といいます。

一方、検査をしても異常が見当たらず、原因がわからないこともあります。そのようなてんかんを「特発性てんかん」といいます(※2)。

小児てんかんの発作の症状は?子供が意識を失う?

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小児てんかんの発作は、脳のどの部分が過剰に活動するかによって、現れる症状が異なります。脳の一部分だけが過剰に活動して、体の一部のみが反応するものを「部分発作」、脳全体が過剰に活動して意識消失を伴うものを「全般発作」と呼びます。

部分発作

部分発作は、意識障害を伴わない「単純部分発作」と、意識障害を伴う「複雑部分発作」に分類されます。単純部分発作の後に意識障害が起きて、複雑部分発作に移行する場合もあります。

単純部分発作のタイプとしては、主に以下のようなものがあります(※3)。

・運動発作:けいれん、体のねじれなど
・自律神経発作:異常発汗、皮膚の紅潮など
・感覚発作:視覚の異常、めまいなど
・精神発作:記憶障害、幻覚の発生など

全般発作

全般発作は、意識消失を伴います。発作のタイプは、主に以下のように分類することができます(※2,4)。

欠神発作

短時間、意識を消失する発作です。発作が起きると、そのときの姿勢のまま動きが止まり、回復すると、行おうとしていた動作を再開します。発作は数秒〜10秒くらいです。また発作時の記憶はありません。

強直間代発作

意識を失うと共に全身が硬直し、その直後に全身がガクガクと大きな動きを伴うけいれんを起こします。

ミオクロニー発作

急に電気が流れたかのように、筋肉がビクンと収縮する発作です。

脱力発作

全身の力が突然なくなり、崩れるように倒れます。

小児てんかんの子供の診断方法は?

病院 医師 聴診器 

小児てんかんの診断では、まず問診を行います。その際に、発作の様子を映した動画があると、医師の診断の助けとなるので、家で子供にてんかんの発作が起こったときは、携帯電話やビデオカメラで撮影しておくと良いでしょう。

問診によりてんかんの疑いがあるときは、脳波検査を行います。脳波検査では、電極を頭皮の上に貼りつけ、脳波に異常がないかを調べます。

この他にも、子供のてんかんの原因を調べるために、頭部のCT検査やMRI検査、血液検査、尿検査を行うことがあります(※4)。

小児てんかんは、その症状の現れ方などによっても、点頭てんかん(ウエスト症候群)、良性ローランドてんかん、小児欠神てんかんなど、様々な種類があります(※2)。治療方法を決める上で、正確に診断することが重要ですが、多くの種類の発作があり、正確に見分けるのが難しい病気です。

小児てんかんの子供の治療法は?

薬 選ぶ 選択

小児てんかんの治療では、抗てんかん薬を服用するのが一般的です。発作を抑えるために毎日服用します。

薬の種類にもよりますが、多くの場合、2~5年の治療期間が必要となります。てんかんは適切な治療を行えば、70~80%の人が発作をコントロールすることができます(※2,4)。

しかし、20%の人が薬を服用しても発作が止まらない「難治てんかん」で、この場合、抗てんかん薬以外の治療(外科的な治療)を行うことがあります(※5)。

小児てんかんの子供の生活上の注意点は?

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睡眠不足や過労、テレビゲームなどの強い光の刺激、発熱したときに第一世代の抗ヒスタミン薬(ペリアクチンなどアレルギーを抑える薬)を服用すると、てんかんの発作を招く恐れがあるので避けるようにしましょう。

発熱がてんかん発作を引き起こすこともあるので、熱が出たときは注意が必要です(※2)。

また、水泳中や入浴中に発作が起こった場合、溺れてしまう恐れがあるので、監視体制がしっかりしている環境のもとで水に入るようにしましょう。入浴する際は、家族と一緒に入る、もしくは入る前に家族に声をかけておくなどの対処をきちんと行ってください。

駅のホームでは、端を歩かないようにするなど、発作が起こったときに危険な状態にならないよう配慮することが大切です。

小児てんかんの子供は大人のサポートが必要

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小児てんかんを発症しても、適切な治療を受けていれば、多くの場合は普通に日常生活を送ることができます。

過度に心配をしていると、その気持ちが子供に伝わって、ストレスの原因になることがあります。

落ち着いて対処するためにも、小児てんかんの正しい知識を身につけることが大切です。

幼稚園や保育園に通い始めたら、先生にもきちんと話しておき、周りの大人みんなで子供の成長をサポートしていきましょう。

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