赤ちゃんを抱っこしているときや寝かせているときに体を反ることがありますが、急にえびぞりのような姿勢をされるとびっくりしますよね。また、「よく体を反る子は病気の可能性がある」と聞いたことがあり、不安な人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、赤ちゃんが反る原因や対処法などをご説明します。
赤ちゃんが反る・えびぞりをするとはどういう動き?
赤ちゃんを抱っこやおんぶしたときに、まるで抱っこを嫌がるかのように、頭から足の先までピーンと伸ばして背中を反らせることがあります。
赤ちゃんが体を反る動きには個人差があり、いつからいつまでするのかは決まっていませんが、なかには生後1ヶ月頃から反る子もいるようです。
一般的には、首や背筋が発達し、上体のコントロールができるようになってくる生後5~6ヶ月頃から減っていき、1歳くらいまでには治まることが多いようです。
赤ちゃんが反る・えびぞりをする原因は?
なぜ赤ちゃんが体を反る動きやえびぞりをするのかは、まだはっきりと分かっていませんが、以下のようなことが原因ではないかと考えられます。
姿勢をまっすぐ保とうとしている
赤ちゃんはママのお腹の中で丸まっていたため、外に出て初めて姿勢をまっすぐ保つ力がつき始めます。最初の頃はその力加減がうまくできずに、背中側の力が強く働いて反ったり、えびぞり状態になったりするといわれています。
何か不快に感じている
抱かれ心地が悪い、背中が汗で湿っている、お腹が空いているなど、赤ちゃんが何か不快に感じたときに力が入って体を反ることがあります。
興味のあるものを見ようとしている
仰向けに寝かせている状態のときに体を反るのは、赤ちゃんが興味のあるものを発見して、自分の目で見たいときである可能性があります。
寝返りの練習をしている
一般的に5〜6ヶ月頃になると寝返りができる子は増えてきます(※1)。この時期より前に体を反る動きが見られる場合は、筋力をつけて寝返りができるように練習をしていることも考えられます。
病気によるもの
赤ちゃんが反る原因の一つに、脳性麻痺や発達障害による影響があげられます。しかし赤ちゃんが体を反るからといって病気と断定できるわけではありません。
病気が原因の場合、緊張が強く足をクロスするなど、他にも特徴的な症状が見られることが多いです。
脳性麻痺や発達障害の場合は他に反る・えびぞりをする以外にどんな症状がある?
脳性麻痺や、発達障害の一つである自閉スペクトラム症の場合、背中を反る・えびぞりをする以外に、次のような症状が見られます。
脳性麻痺の赤ちゃんの場合(※2)
- 極端に反り返る
- うまく母乳やミルクが飲めない、むせることが多い
- 手を開かない
- なかなか首がすわらない
- 手足の関節が硬い、曲げられない、クロスしている
- 視線が交差している、さまよっている
自閉スペクトラム症の赤ちゃんの場合(※3)
- 目を合わせない
- 指差しをしない
- 笑い返さない
- 後追いがみられない
- 他の子どもに関心を示さない
- 言葉の発達が遅い
- こだわりが強い
- 反応が弱い
ただし、脳性麻痺や自閉スペクトラム症の症状は、赤ちゃんの発達段階によってもさまざまであり、低年齢で判断することは簡単ではありません。
体を反る以外の症状があって心配な場合は、乳児健診やかかりつけの小児科で相談してみましょう。
赤ちゃんが反る・えびぞりをするときの対処法は?
寝かしつけたいときなど、反るたびに起きてしまう赤ちゃんに困ってしまうことも多いですよね。原因に応じて、以下のような対処法を試してみてください。
抱き方を変えてあげる
抱っこしているときに体を反る場合、横抱き・縦抱きを変える、抱っこ紐を使ってしっかり密着してみる、胎児のときのように背中を丸くして抱くなど、抱き方を変えてみましょう。
また、首がすわり始めると、好奇心いっぱいの赤ちゃんは「色々なものが見たい!」という気持ちから体を反ることもあります。
抱かれ心地や見える世界が変わると、赤ちゃんがご機嫌になるかもしれませんよ。
背中をスッキリさせてあげる
仰向けに寝かせているときに反る場合は、背中が暑かったり、汗をかいていたりして気持ち悪いから、ということが考えられます。
背中を触ってみて湿っているようであれば、体を拭いてあげましょう。赤ちゃんは代謝が良いので、こまめに着替えさせてあげてくださいね。
寝返り練習中の赤ちゃんは、うつ伏せにしてみる
寝返りができるようになった赤ちゃんが仰向けで体を反る・えびぞりをしているときは、うつ伏せにしてあげてみてください。寝返りの練習で体を反る場合は、この方法でご機嫌になることもありますよ。
ただし、うつ伏せの状態で寝返りの練習をする際は、必ず目を離さず、短時間だけにしましょう。
赤ちゃんがうつ伏せの状態で眠ると、乳幼児突然死症候群を引き起こすおそれがあったり、周りに柔らかい枕やクッションがあると窒息のおそれがあったりするため、気をつけるようにしてくださいね。
赤ちゃんが落ち着く音を流す
無料育児アプリ「ninaru baby」には、赤ちゃんの泣き止みや寝かしつけに効果的な音が24曲入っています。
ママのお腹のなかで聞いていた音に近い「ホワイトノイズ」や「心音」、リラックスしやすいクラシックの「月の光」や「アメイジング・グレイス」などが人気です。
赤ちゃんが気に入る音を見つけてみてくださいね。
赤ちゃんが反るときは落ち着いて対処しよう
赤ちゃんは言葉が使えない分、自分の感情を体の動きで示します。反る行動も感情表現の一つで、成長している証です。
赤ちゃんの気持ちを読み取って、授乳する、おむつを替える、抱き方を変える、おもちゃを渡すなどの対処法を試してみてくださいね。病気が疑われる場合は、遠慮せずに病院を受診するようにしましょう。