新生児や赤ちゃんの手足に触れたときに、ヒンヤリと冷たくて慌てたことはありませんか?熱くなっていて熱があるのも心配ですが、冷たすぎるのも気になりますよね。実は、新生児や赤ちゃんの手足が冷たいのはよくあることで、それほど心配する必要はありません。今回は新生児や赤ちゃんの手足が冷たい原因や対処法、病院に行く目安などをまとめました。
新生児・赤ちゃんの手足が冷たくなる原因は?
新生児や赤ちゃんの手足が冷たくなるのは、脂肪を分解して熱を作り出す「褐色脂肪」が肩や背骨、腎臓の周りなど体の中心に集中しており、手足など体の末端の温度を調節することが難しいためです。
また、この時期の赤ちゃんは体温調節機能が未熟で、大人のようにうまく体温を調節することができません。さらに、大人と比べると、皮下脂肪もまだ少ないので、体の表面から熱が逃げやすい状態です。
体温自体は37度と少し高めですが、室温や気温に左右されることもよくあります(※1)。
新生児・赤ちゃんの手足が冷たいときの対処法は?
新生児や赤ちゃんは、大人に比べて体の表面から熱が逃げやすいところがあります。そのため、多少手足が冷たくても、本人がニコニコご機嫌で、お腹や背中などが冷たくなければ体温調整がきちんと行えている証拠なので、特別な対処は必要ありません。
しかし、ずっと手足が冷たいままでは心配ですよね。そんなときは、服装や布団などのかけもの、室温などで体温調節をサポートしてあげましょう。
服装で調節する
季節に合わせた肌着とウエアの2枚がベースですが、夏の暑い日は1枚だけ、冬の寒い日はもう1枚肌着をプラスする(短肌着+長肌着)など、工夫しましょう。赤ちゃんの背中に手を入れて、汗ばんでいれば着せ過ぎ、または室温や気温が高い証拠なので、調節してください(※1,2)。
靴下は基本必要ありませんが、冬場であまりにも冷たく、足が紫色にまで変わっているようなら、靴下を履かせます。
夏場は汗を放っておくと体が冷えてしまうこともあるので、こまめに着替えさせましょう。
布団で調節する
布団は、夏はタオルケット、冬はベビー用の掛け布団が基本です。それでも暑い・寒いようであれば、冷暖房を使って室温で調整してください。
電気毛布は、赤ちゃんを温めすぎてしまうのでおすすめできません。冬場でも暑くて汗をかくと、体が冷えてしまうことにもつながるので、注意しましょう。
室温を調節する
季節を問わず、室内と気温の差が+-5度が目安ですが、極端に気温が低いときは、夏は約26~28度、冬は20~22度くらいが快適な室温です(※1,3)。冷暖房で調節しつつ、冷風や熱風が直接赤ちゃんに当たらないようにしましょう。
乾燥予防のために、湿度は50~60度に保ってください。加湿器に限らず、湿らせたタオルや、調理用のボウルにお湯を張るだけでも構いません。
新生児・赤ちゃんの手足が冷たいときは病院に行くべき?
新生児や赤ちゃんの、なにかしらの代謝や循環がうまくいっていないことが原因で、体温調整ができず、手足が冷たい場合があります。服装や布団、室温で体温調整をしてもまだ体温が低いときは、病院を受診したほうが良いケースもあるので、見分け方を知っておきましょう。
まずは、赤ちゃんの体温を測り、平熱かどうかをたしかめます。体を触ってみて、手足が冷たいうえに、首筋、背中、腕の前側、足のすね辺りまで冷たいようであれば、体の不調のサインかもしれません。反対に、異常に体温が高いときも注意が必要です(※1,2)。
赤ちゃんがいつも通り機嫌がよく食欲もあるなら、そのまま様子をみましょう。こまめに体温を測ると同時に、おしっこや便の回数・状態、母乳やミルクの飲み具合などをみて、普段と少しでも異なる点や気になることがあれば、小児科を受診してください。
新生児・赤ちゃんの手足が冷たいときの注意点は?
新生児や赤ちゃんの手足が冷たいと、「温めてあげないと!」と思うかもしれませんが、不調がない限りは過剰に温めないよう注意しましょう。
特に、寝ているときは、風邪が心配で布団をかけ過ぎてしまうことがあります。しかし、赤ちゃんに厚着をさせすぎると体温調整がうまくできなくなるほか、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めることにも繋がります(※3)。
手足だけを温めようとせず、体全体の体温や体調を把握して、対応してあげてくださいね。
新生児や赤ちゃんの手足が冷たいときも見守ってあげよう
体温調節機能が未熟なことから、新生児や赤ちゃんの手足が大人より冷たくなることはよくあります。
もし、本当に体が冷えてしまっている場合は、唇や顔色が悪くなるなど、目視ですぐに判断できることがほとんどです。
普段から赤ちゃんの変化に気づけるよう、毎朝体調チェックをしてあげてくださいね。体調が良いときに、2~3日間続けて体温を測り、平熱を把握しておくことも大切ですよ。