赤ちゃんは大人よりも脱水症状になりやすいため、こまめな水分補給が大切です。しかし赤ちゃんはまだ言葉で喉の乾きなどを訴えられないので、脱水症状が起こっているのかどうかが分かりにくく、不安になってしまうかもしれません。
そこで今回は、赤ちゃんの脱水症状の原因や見分け方、対処法、予防方などをご紹介します。
赤ちゃんは脱水症状になりやすいの?
脱水症状とは、体にとって必要な水分が不足した状態をいいます。
大人は体重の60%が水分であるのに対し、新生児は体重の80%、乳児は70%が水分で、体を構成する水分量が多いぶん摂取すべき水分量も多く、1日に体内で必要とされる水分の量は、体重あたりで計算すると大人の3〜4倍になるといわれています(※1,2)。
そのため大人よりも水分補給を行う必要がありますが、一度に摂取できる水分量が少ないこと、また汗をかきやすく尿量も多いので失われる水分量も多いことから、赤ちゃんは脱水症状になりやすいのです。
嘔吐や下痢、発汗で大量の水分を失った時や、病気でこまめに水分補給ができない時は脱水症状を起こしやすいため、赤ちゃんの様子をこまめにチェックする必要があります。
赤ちゃんの脱水症状の見分け方は?唇が乾燥するときは?
脱水症状の重さには段階があります。できるだけ軽症の段階で気づけるように、以下の脱水症状のサインを確認しましょう(※3)。
軽度の脱水症状の目安
● 体重が減る(4〜5%)
● 唇が乾燥する
● 肌が青白い
● 体がややひんやりしている
中度以上の脱水症状の目安
● 体重が減る(6%以上)
● おしっこの量・回数が少ないか、出ていない
● 唇がかなり乾燥する
● 爪を押しても戻るのに2秒以上かかる
● おなかの皮膚に弾力がなくなっている
● 泣いてもあまり涙が出ない
● 手足が冷たい
● 肌が浅黒いか大理石のような斑点が出ている
● 大泉門がへこんでいる
赤ちゃんの脱水症状の最初のサインとして、唇の乾燥があります。「赤ちゃんが脱水症状になっているかも…」と感じたときは、赤ちゃんの唇と舌を見てみましょう。
唇がカラカラに乾燥していることに加え、爪を押しても戻りが悪い、手足が冷たい、おなかの皮膚の弾力がない(干物のようなイメージ)場合は、中度以上の脱水症状が起きている可能性があります(※3)。
上記のような脱水症状が現れている疑いがあるときは、すぐに医師に診てもらってください。
赤ちゃんの脱水症状の対処法は?
軽度の脱水症状が現れていると考えられる場合は、すぐに水分を与えましょう。脱水症状になると水分と共に電解質も失うので、脱水症状のときに与える飲み物としては、電解質も補給できる「経口補水液(イオン飲料)」が理想です。
経口補水液は、水1Lに砂糖40g(大さじ4.5杯)、食塩3g(小さじ1/2杯)、レモン汁適量をよく混ぜて作ることもできますよ(※2)。
水分をあげるときは、最初は小さじ1杯の5ml程度の少量からはじめ、5〜10分おきに、落ち着いてきたら1回にあげる水分量を増やしましょう。1日に与える水分の量は、体重1kgあたり100~150mlを目安にすると良いですよ(※2)。
もし中度以上の脱水症状が現れている場合は、すぐに病院を受診してください。病院では点滴での治療を行うこともあります。
赤ちゃんの脱水症状を予防するには?
赤ちゃんの脱水症状を予防するためには、日頃からこまめな水分補給を心がけるようにしましょう。
1歳未満であれば母乳やミルクが脱水予防においても最適な水分なので、普段からしっかり母乳やミルクが飲めていることが大切ですよ。
白湯や麦茶をあげる場合は、常温のものを少しずつあげてください。水分の量は、赤ちゃんが飲みたいだけ飲ませてあげるので構いません。嫌がるようであれば、無理に飲ませず切り上げてくださいね。
赤ちゃんの脱水症状に注意しよう
赤ちゃんは大人に比べて脱水症状になりやすいため、大人が大丈夫だと思っていても、急速に症状が悪化する場合があります。
赤ちゃん自身は自分で水を飲むなどの対処ができないので、ママやパパが気遣ってあげることが脱水症状予防には欠かせません。
赤ちゃんは脱水症状になりやすいと意識し、赤ちゃんの体の変化にいつも目を向けてあげましょう。