暑い?寒い?赤ちゃんの体温調節機能とは?新生児は調節できない?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

人間は、外気温に左右されずに体温調節をすることができます。しかし、生まれたばかりの赤ちゃんや新生児は体温調節の機能が未熟なため、暑かったり寒かったりするときはパパとママが気をつけてあげなければなりません。今回は赤ちゃんや新生児の体温調節について、仕組みや発達、暑いときや寒いときに注意すべきことについてご説明します。

体温調節の仕組みは?

赤ちゃん 新生児 体温計

「人は汗をかいて体温を下げる」ということは知っている方も多いと思います。

それでは、具体的にどうやって体温を上げているのでしょうか?まず、体温調節の仕組みについて、簡単におさらいしておきましょう。

人間はエネルギーを熱に変えている

私たちは摂取した食べ物を「消化」と「代謝」によってエネルギーに変えています。

作られたエネルギーは、身体を動かすことにも使われますが、7割以上は体温を保つために使われているとされています。

体温調節は「脳」の指示で行われる

人間は常に一定の体温を保つために、脳の中央部にある「視床下部」という組織が、「体温を上げなさい」「体温を下げなさい」といった指示を出しています。

視床下部は自律神経を司る部分で、体温が下がっている情報を得ると体温を上げるように指示を出し、体温が上がっている情報を得ると体温を下げるように命令を出します。

どのように体温を上げたり下げたりしているの?

視床下部から「体温を上げなさい」という指示が出ると、体が血管を収縮させて熱を逃さないようにします。そして、筋肉を収縮させて震えを起こし、熱を作り出すことで体温を上げます。ゾクゾクするような寒けもこのメカニズムで生じます。

一方、視床下部から「体温を下げなさい」という指示が出ると、体が血管を緩めて熱を放出しやすくします。そして、筋肉や血管を弛緩させて熱を作りにくくすることで汗を出す働きを活発にし、体温を下げます。

暑いときに汗をかいたり、寒いときに震えを感じたりするのは、このような体温調節機能の働きによるものなのですね。

赤ちゃんは体温調節ができないの?新生児は?

新生児 足 赤 0ヶ月 1ヶ月

それでは、赤ちゃんや新生児の体温調節機能はどうなのでしょうか?

生まれたばかりの赤ちゃんや新生児は、体温調節をスムーズに行うために必要な自律神経の「体温調節中枢」の働きが未発達です。

赤ちゃんや新生児は身体も小さいため気温の影響を強く受けやすく、外気温が暑ければ体温が上がり、寒ければ体温が下がったりしてしまいます。

寒いときには「褐色脂肪」という脂肪を分解することによって熱を作りますが、褐色脂肪は、肩や背骨、腎臓の周りなど一部に集まっているため、全身の体温調節をすることは難しいのです。

赤ちゃんはいつ頃から体温調節できる?

赤ちゃん 笑顔 

赤ちゃんがハイハイを始めて、活発に動きまわるようになってくる生後8ヶ月頃には、赤ちゃんは少しずつ体温調節ができるようになってきます。

ただし、赤ちゃんの体は小さく、体温調節中枢の機能は大人と比較すると未発達です。2歳になるまでは、暑い・寒いといった温度の管理にはしっかりと気を配ってあげる必要があります。

暑い?寒い?赤ちゃんや新生児の体温調節に気づくには?

発見 電球

赤ちゃんや新生児は、「暑い」「寒い」といった不快症状を伝えることができません。

そのため、赤ちゃんの様子から、体温調節がうまくいっているかどうか見極めなくてはいけません。

ここでは、暑い・寒いを見極めるポイントをご紹介します。

  • ● 赤ちゃんが暑いときのサイン:背中などに汗をかいている、顔がほてっている、グズグズして機嫌が悪い
  • ● 赤ちゃんが寒いときのサイン:手足が冷たくなっている、お腹や背中が冷たくなっている

冬場、赤ちゃんがニコニコしているからといって手足が冷たいままにしておくと、体調を崩すこともあるので注意してくださいね。

暑い・寒いときの赤ちゃん・新生児に体温調節法とは?

親子 ママ 赤ちゃん ベッド

赤ちゃんの体温調節機能はまだまだ未発達。赤ちゃんに暑い・寒いときのサインが見られたら、次のようなことに注意してあげましょう。

室内の温度や湿度はママがコントロール

室内の湿度や温度はママがしっかりコントロールしましょう。

「赤ちゃんにエアコンはよくないかな?」と思いがちですが、赤ちゃんは自分から暑い、寒いと言えないので、赤ちゃんの様子を見ながら必要に応じて使いましょう。

エアコンなどの風が赤ちゃんに直接当たらないように注意しながら、夏は26〜27℃前後、冬は21〜22℃前後に設定するといいですよ。

靴下の脱ぎ着で体温調節

赤ちゃんは特に手足で体温調節を行います。そこで、寒いときには靴下を履かせてあげましょう。

夏場は暑いので、裸足でも構いません。お店のエアコンが効いていて寒暖差が気になるときなどは、靴下を履かせてあげるとちょうどいいですね。

季節に合わせて肌着を変えよう

肌着を着ると、服と肌の間に空気の層が加わって、冬場は保温に効果があります。

夏場は、通気性や吸湿性のいい肌着を選び、こまめに着替えをさせましょう。

暑いからといって、夏場は赤ちゃんに肌着を着せない人もいるようです。しかし、赤ちゃんはよく汗をかくので、肌着を着せたほうが汗を吸って快適ですよ。

「大人よりも服は少なめ」は赤ちゃん次第

赤ちゃんの服装について、「大人よりも少なめ」ということを聞いたことがあるかもしれませんが、赤ちゃんの様子を見て、着せる枚数を判断しましょう。

活発に動き回るような赤ちゃんや、暑くて汗をかいているときには服を脱がしてあげてくださいね。大人よりも1枚少ないくらいでも問題ありませんよ。

「手が冷たい!」赤くなるようなら温めて

冬場によく見られる光景ですが、赤ちゃんの手足を触ってみるとびっくりするくらいに冷たくなっていることがあります。

でも、お腹や胸のあたりを触ったら温かく、機嫌が良ければそれほど気にする必要はありません。

赤ちゃんの手足が赤くなっていたら霜焼けの可能性もあるので、温かい部屋に移動したり、ママの手で赤ちゃんの手足を包んであげてくださいね。

外出時には着替えや羽織るものを

暑いと汗をよくかきますが、夏はお店に入るとエアコンが効いているので、汗が冷えて赤ちゃんが寒がることもあります。

夏の暑い時期にお出かけするときには、着替えを1着用意しておくと安心ですね。また、エアコンで赤ちゃんの体が冷えないように、薄いブランケットなどを用意しておいてもいいですね。

冬も屋内と屋外の気温差が大きく、体温調節が未熟な赤ちゃんの体に負担がかかることがあります。お出かけ時は、脱ぎ着がしやすい服装にしておくのもコツですよ。

ベビーカーやチャイルドシートでの体温にも気をつけて

ベビーカーやチャイルドシートは熱がこもりやすいので、特に暑い夏場は、赤ちゃんの体温調節に気を配ってあげましょう。

取り付けると体を冷やせる保冷ジェル付きのシートも市販されていますので、暑い夏場は利用するのも一つの手ですね。

赤ちゃん・新生児が快適に過ごせる体温調節を

赤ちゃん 抱っこ ママ 女性 草原 野原 グリーン 公園

初めての子育てだと、赤ちゃんや新生児の服の着せ方に迷ってしまうところですが、段々と「暑いかな?寒いかな?」といったことがわかってくるようになります。

暑い・寒いを判断する自信がないうちは温度計や湿度計も活用しながら、赤ちゃんが快適に過ごせる環境作りに取り組んでみてくださいね。

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