不妊治療とは?どんな流れ?始める年齢はいつから?

不妊症に悩むカップル・夫婦の数は年々増加し、妊娠をサポートする「不妊治療」を受けているカップルの数は、厚生労働省の資料によれば平成14年度時点で46万人を超えています(※1)。

しかし、日本ではまだまだ不妊治療の認知度は低いのが現実です。そこで今回は不妊治療について、検査方法や治療の流れ、男性と女性の治療法の違い、費用や保険は適用されるのか、などをまとめました。

不妊治療とは?

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子供を望む健康的なカップルが避妊をせずに性交渉を一定期間続けても妊娠に至らない場合に、「不妊症」と診断されます。不妊治療とは、この不妊症のカップルのために、薬や高度生殖医療技術を通じて妊娠の手助けをすることをいいます。

不妊治療はいつから受ける?年齢は?

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20代の健康なカップルが1年間避妊をせずに性交渉を行ったときには、1年以内に妊娠する確率は約90%といわれています。2年以内には約95%の確率で妊娠できるとされているので、過去には2年を過ぎても妊娠できない場合に不妊検査を受けるのが一般的でした。

しかし、近年は晩婚化の影響を受けて1年を過ぎた段階で妊娠しないときには、不妊検査を受けることが推奨されています。というのも、30代に入ると妊娠できる確率は徐々に減少し、35歳を過ぎるとさらに確率が低くなってしまうからです。そのため、30代で初めての妊娠を目指す夫婦は、できるだけ早めに不妊検査を受けることをおすすめします。

特に35歳以上の夫婦が毎月排卵日付近に性行為をしても妊娠しないときは、6ヶ月くらいで一度婦人科を受診しておきましょう。不妊治療の開始が遅れたために、妊娠の可能性が低下してしまうことも多くあります。早い時期から、夫婦で不妊治療をするかどうかをきちんと話し合えるといいですね。

不妊治療の検査方法は?

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不妊治療をスタートするときに、まずは不妊の原因を調べます。不妊症には男性と女性の両方に様々な原因があるため、女性だけでなく男性も検査を受けることが大切です。

検査方法も男性と女性で異なり、女性であれば血液中のホルモン測定、超音波検査、子宮卵管造影などの検査を行います。また、男性では精液を採取して、精子濃度や運動率、奇形率などをチェックする精液検査を行います。

不妊検査では、女性の生理周期に合わせて検査計画を組み立てる必要があるため、一連の検査に1〜2ヶ月かかることも。妊娠を望んでいるときには、不妊治療を専門に行っている病院やクリニックにて、早めに不妊検査に取り組んでみましょう。

不妊症の原因は?男性と女性でどう違う?

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不妊症の原因には様々なものがあります。女性の方が原因となる確率が高いと思われがちですが、実際には男性も女性も同等の割合で不妊の原因になる可能性があるので、不妊治療は夫婦で取り組む必要があります。

男性側の原因

男性の不妊症の原因は、精子に起こる様々な症状がほとんどです。例えば、精液の中に精子がない無精子症や数が少ない乏精子症、運動率が悪い精子無力症、ほかにも精子死滅症、精子過剰症などがあります。

女性側の原因

女性側の不妊症の原因としては、排卵障害や卵巣腫瘍、卵管のねじれ、子宮内膜症や頚管粘液の異常、着床障害、などがあります。それぞれの部位に応じた検査方法が行われます。

不妊治療の方法は?

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不妊検査で原因を調べた後に、不妊治療が始まります。不妊治療の方法は大きく3種類に分かれ、原因にあわせて選択されます。

一番軽い治療法は、自然に近い形で妊娠を目指す「一般不妊治療」です。一般不妊治療で妊娠できなかったときには、人工的に子宮内に精子を注入する「人工授精」を行い、人工授精でも妊娠できないとなると、体外で精子と卵子を受精させてから子宮に戻す「体外受精・顕微授精」を検討します。不妊の原因を検査して、明確な不妊原因が認められない場合は一般不妊治療から始めます。

以下で、それぞれの治療法について詳しくご説明します。

流れ1. 一般不妊治療

人工授精や体外受精でなくても妊娠の可能性があると判断された際に、最初に選択されます。また、原因が定かではないときにも初めの治療法として選ばれます。

タイミング法

基礎体温グラフなどから排卵日を予測して、排卵日の少し前に性行為をして妊娠の確率を高める方法です。自然妊娠と同じですが、通院して排卵日の予測の精度を高めることで妊娠率が高まります。費用は数千円~1万円ほど。

排卵誘発法

排卵が起こりにくい女性に排卵を誘発する薬「排卵誘発剤」を使って排卵日を起こし、そのタイミングで性行為を行って妊娠率を高めます。費用は数千円~1万円ほどになります。

流れ2. 人工授精

人工授精とは、男性側に不妊の原因(勃起不全、射精障害、乏精子症、精子無力症など)が認められる場合に、直接子宮内に精子を送り届けて妊娠をサポートする方法です。また、一般不妊治療で妊娠できなかったときに、次の治療法として選択されます。

精液を採取し、遠心分離などの方法を用いて運動性良好な精子を回収し、専用の細いチューブを使って子宮に注入します。1回当たり約1~3万円の治療費がかかります。

流れ3. 体外受精・顕微授精

体外受精は、女性から卵子を、男性から精子を取り出して体外で受精させ、培養した受精卵を子宮に戻すことで妊娠率を高める方法です。男性と女性それぞれに不妊の原因があって、人工授精までの治療では妊娠が困難だとわかっているときに行われます。

費用は約20~100万円と他の不妊治療と比べても高額で、受精卵をどれくらい培養するのかでも金額は変動します。

精子の状態が悪いと体外受精をしても受精は起こりません。このようなときには顕微授精を行います。顕微授精は、体外受精のように精子と卵子の自然受精を見守るのではなく、精子を細いガラスピペットを用いて直接卵子に注入して授精させ、その後、受精卵を培養して子宮へ戻す方法です。

射出精液中に精子が見られない無精子症の人も精巣から精子を取り出して顕微授精により妊娠が可能となります。費用は約30~100万円とさらに高額です。

不妊治療の期間はいつまで?

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不妊治療の期間は個人差が大きく、一概には言えません。不妊治療を始めてすぐに妊娠できたという人もいれば、顕微授精まで行っても妊娠できず、妊娠するまでに3、4年かかったという夫婦もいます。不妊治療を始める年齢も違えば、原因も違うので、正確に把握することは難しいのです。

ただ、できるだけ早く始めたほうが妊娠率が高く、治療期間が短くてすむ場合が多いこともわかっています。不妊治療を受けるかどうかで考え込む前に、まずは一度婦人科を受診してみてはいかがでしょうか。

不妊治療の費用は?平均するとどれくらい?

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不妊治療に必要な費用は、治療で選択する方法によって増減します。例えば、タイミング法であれば産婦人科への診察料などが中心で、体外受精などを選択すると1回100万円程度かかります。

治療に必要な回数や期間には個人差があるため、一概に平均の費用を表すのは難しいのですが、100〜200万円程度とされています。しかし、どうしても赤ちゃんが欲しくて何度も不妊治療を繰り返し、1,000万円を超える費用が発生した、という夫婦も少なくありません。

不妊治療に取り組む際には、費用も含めて、やめるタイミングも事前に検討しておきましょう。

不妊治療に保険はあるの?

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不妊治療では、タイミング法などであれば健康保険の対象内に入ることが多く、自己負担額が3割で済みます。ただし、人工授精や体外受精では対象外のため、費用も高額になりがちです。そんな高額な費用に対し、各自治体が用意した助成金以外でも金銭的サポートが受けられる手段があるといいですよね。

2016年の4月には、そんな不妊症に悩む夫婦にけて、民間の保険運用が許可されました。しかし、各保険会社でどうやってサービスとして成り立たせるかが難しく、残念ながら現在では適切な民間の保険は現れておらず、今後の商品サービスの提案に期待です。

不妊治療に男性はどう関わればいいの?

注意

不妊治療では、様々な検査や治療法によって妊娠をめざすことになりますが、1回で妊娠・出産まで到達できるとは言い切れません。そのため、何度も流産を経験してしまうなど、精神的にも苦しい時期を過ごす女性は少なくありません。

不妊治療を続けるうちに、どうしても子供を産みたいと思う女性に対して、男性は不妊治療のことよりも、女性の身体を心配しての発言や行動が増えていくことが多いようです。そのため、女性側からすると、不妊治療に積極的ではないと感じることも。

不妊治療行うときは、男性も「不妊の原因は自分にもあると思い、検査や治療を積極的に受けること」「できれば不妊治療をはじめる前に、夫婦で話し合って不妊治療のやめどきを決めておくこと」を実行するようにしましょう。

不妊治療は早期開始が効果的

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日本は欧米に比べて不妊治療に対する認知度は高くありませんが、すでに体外受精で生まれた子供は27人に1~2人の割合になっています。学校の1クラスに1~2人がいる計算です。

不妊治療や体外受精に対して不安を感じて先延ばしにしてしまっている夫婦がいたら、この事実を前向きに考えて、不妊治療を検討してみてください。

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