体外受精(IVF)とは?費用や確率は?流れやスケジュールは?

体外受精(IVF=In Vitro Fertilization)は不妊治療の一つです。人工授精に比べて費用がかかるため、チャレンジするのを躊躇している夫婦も多くいます。今回は体外受精の流れやスケジュール、確率、費用などをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

体外受精(IVF)とは?

試験管

体外受精とは、子宮内から取り出した卵子を体外で受精させ、その受精卵を培養した後に子宮に戻す治療方法です。体外受精はタイミング法や人工授精からステップアップした治療法で、自力での受精が困難な方への治療に利用されます。体外受精にもいくつかの段階や種類があります。

体外受精・胚移植(IVF-ET)

受精後2〜3日ほど体外で培養したのち子宮に戻すことを「初期胚移植」と呼び、体外受精・胚移植(IVF-ET)(ET=Embryo Transfer)ともいわれます。

体外受精・胚盤胞移植(IVF-BT)

さらに、受精後5〜6日程度培養して胚盤胞の状態まで受精卵を成長させてから戻す方法を「胚盤胞移植」といい、体外受精・胚盤胞移植(IVF-BT)(BT=Blastocyst Transfer)とも呼ばれます。

自然妊娠でも、受精卵は子宮内膜に到達するまでに7〜10日ほどかけて、成長しながら卵管を通っていきますが、胚盤胞移植の方がより着床率が高いとされます。

凍結胚移植(FET)

受精卵についても、培養したのちそのまま子宮に戻す方法以外に、一時的に受精卵を凍結させ、ホルモン補充などで母体の子宮内膜を整えてから子宮に受精卵を戻す、という方法もあります。この方法は凍結胚移植(FET=Frozen Egg Transfer)と呼ばれ、最近では凍結胚移植によって出産に至った女性が増えています。

体外受精(IVF)で出生数は?

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不妊治療というと何か特別な治療を受けているように感じる方も多いようですが、平成14年度時点でタイミング法や人工授精、体外受精、顕微受精などの不妊治療を受けている人はすでに46万人を超えています(※1)。

日本産科婦人科学会によると、2013年に日本国内の医療機関で行われた体外受精(IVF)の治療回数は89,950回、出生数は4,776人になります(※2)。また、体外にて受精したのち凍結した胚を移植する凍結胚移植(FET)は141,335回、出生数は32,148人にもなります。

広い意味での体外受精として合わせて考えると、4万人に近い赤ちゃんが体外受精で誕生したことになり、年間の全出生数で見れば26人に1人の割合になります。30人クラスの小学校であれば、1人は体外受精で生まれる計算になりますね。体外受精で生まれる子供の数は年々増えており、不妊症に悩む人を助ける手段として定着しています。

体外受精(IVF)を受けるには?

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体外受精は誰でも受けられるというわけではなく、人工授精でも妊娠が難しく、「これ以外の医療行為によっては妊娠の見込みがないと判断される」場合が対象となります。

また、女性・男性どちらかに、あるいは両方に卵子や精子の機能的な障害がある場合も、体外受精が認められます。機能的な障害としては、以下のようなものがあります。

女性側の障害

● 卵管が閉塞している
● 子宮内膜症で卵子を卵管に運ぶ機能が損傷している
● 高齢で卵子の老化が進み妊娠の可能性が低い
● 抗精子抗体があり精子を受けつけない

男性側の障害

● 乏精子症や精子無力症で精子が機能しない

体外受精(IVF)のスケジュールや流れは?

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体外受精の流れは、大きく5つのステップに分かれます。生理の数日後からスタートし、「排卵→採卵→精子採取→受精→胚移植」という流れで進みます。また、体外受精にはきちんと成長した卵子の排卵が必要なため、女性の月経周期に合わせて治療のスケジュールが組まれます。

1日目:排卵を抑える

生理が始まった日から体外受精の治療を開始します。まず最初は点鼻薬を使い、適切なタイミングまで排卵が起こらないように抑えます。

3〜10日目:卵胞を育てる

排卵誘発剤を使用し、卵胞を成長させます。この期間は排卵を抑える点鼻薬の使用を継続して、十分に卵胞が成長するようにします。

11日目:排卵を促す

排卵を育てる期間では卵胞がきちんと育っているかを確認します。次に卵胞が十分に成長したとわかったら、hCG注射を行い成長した卵胞から卵子を排卵するように促します。

12〜13日目: 採卵する

排卵誘発剤を投与した後、卵胞を超音波検査でモニターし、約36時間後に卵子を採卵します。直接膣内に器具を入れて取り出すために麻酔をするのが一般的です。

12〜13日目: 精子採取(採卵と同日)

精子の採取は、病院内か自宅にて行います。射精をしてから2時間以内に専用器に入れた状態で病院へ渡します。精子はその後、遠心分離機にかけて質の高いものだけを選定します。

13日目: 受精させる

シャーレ(ペトリ皿)上で、精子と卵子を一緒にして受精するのを待ちます。3~12時間後には受精卵になります。

16日目: 胚移植する

選別した受精卵を女性の子宮内に戻します。細いカテーテルを膣から入れますが、この際痛みはなく、数分で終わります。移植後は数時間安静にする必要があります。また、胚盤胞移植では18日目くらいが目安になります。

受精から胚移植してその後数日間は着床をサポートするために、女性に黄体ホルモンの補充を行います。卵胞の状態などにもよってスケジュールは個人差もあるため、参考にしてくださいね。

ほかに、生理が始まる前から治療が始まるロング法という方法もあり、実際に体外受精を検討する際には、不妊治療を行っている産婦人科にスケジュールを相談しましょう。

体外受精(IVF)で妊娠する確率は?

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体外受精で妊娠に成功する確率は、約20~40%といわれます。この確率は病院やクリニックによっても異なりますし、年齢などによっても大きく差が出ます。

体外受精による妊娠率や受精率をホームページで公表している病院もあるので、相談に行く前に確認しておきましょう。

体外受精は胚移植の方法で確率が違う?

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体外受精の多くは初期胚移植と胚盤胞移植ですが、初期胚移植と胚盤胞移植の2つ以上の受精卵を使った二段階移植、受精卵の培養液と胚盤胞を使ったSEET移植という方法もあります。

二段階移植とSEET移植では妊娠確率が高いという報告もありますが、二段階移植には多胎妊娠のリスクがあり、また、 SEET移植では効果が見られないとしている病院もあるので、希望する際には事前に治療法について相談しておきましょう。

体外受精(IVF)にかかる費用は?

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体外受精は保険が適用されず、全て実費支払いとなります。体外受精の流れで説明した排卵や採卵、胚移植でどの方法を選ぶかでも変わりますが、約10~100万円の費用がかかります。大きな金額になるので事前に費用についても確認しておきましょう。あくまで目安ですが、各内容の費用を参考にご紹介します。

● 体外受精(採卵・胚移植含む):300,000円
● 培養:20,000円
● 胚凍結(4~5個):100,000円
● 凍結胚移植:100,000円

1回の体外受精で成功する場合と、体外受精を複数回行う場合でも金額は大きく異なるため、夫婦でよく相談し、選んだ病院やクリニックの医師ともしっかり計画を立てましょう。

また、自治体によっては助成金が設けられ、不妊治療の費用の一部を負担してもらえる場合もあるので、自治体のホームページも確認してみてください。年齢や回数などの条件もあります。

体外受精(IVF)で障害児が生まれるリスクは?

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体外受精は、人工授精からステップアップした不妊治療ともいわれています。体外受精は、人工授精と比べて受精の確率が高くなる分、妊娠する確率が高くなります。気になるリスク面ですが、障害のある子供が生まれる確率は、自然妊娠の場合とほとんど変わらないといわれています。

不妊に悩む方にとって体外受精は、子供を授かるために重要なものです。不妊の苦労は、きっと「妊娠・出産の喜び」となって返ってきます。

※1参考文献: 厚生労働省「不妊治療の患者数・治療の種類等について」※2参考文献: 日本産科婦人科学会「ARTデータ 2013」

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